韓国の総合経済団体が日本の定年延長ではなく再雇用を中心とする高齢者雇用制度の導入が必要だと提言。日本の事例を検証した報告書の趣旨と、韓国のネット上の反応を伝える。
韓国の総合経済団体経済総合団体(経総)は、高齢者の雇用拡大を目的に、法定定年を一律に延長するのではなく、再雇用を中心とした段階的な制度導入が必要だと主張する報告書を発表した。日本の厚生労働省や経団連、現地企業などを訪問して背景や実施状況を調査し、報告書「日本の定年延長事例と示唆」を10月11日に公表した。
この報告書は、日本が法定定年を60歳に維持しつつ、再雇用を通じて65歳までの雇用機会を確保してきた経緯を説明。04年の法改正時には定年引き上げではなく再雇用を中心とする制度を導入し、06年から義務化を段階的に進め、13年から拡大、25年から全面適用したと記述した。
報告書を受け、韓国のネット上では「日本の制度をそのまま導入する話ではない」「韓国の実情に合う制度を作る必要がある」といった意見が多く寄せられ、高齢者の賃金体系や定年延長の影響を慎重に考えるべきだとの声が目立った。経総のイ・サンチョル本部長は、若年層雇用との衝突回避と企業の自主性を保障する再雇用中心の柔軟な設計が急務だと訴えた。
総合経済団体経総は、日本の高齢者雇用政策を進める際には労使と政府の役割分担と社会的合意形成が重要だと評価し、職務・成果を重視する賃金体系への転換が企業の人件費負担軽減と高齢者の活用を促すと指摘した。韓国のネット上には「定年を65歳に延長しても給料が上がらず若年層就職が減るなら良い制度とはいえない」といった声もあり、両国の制度設計には慎重さが求められるとの見方があった。