買収・合弁・提携の統合不全と投資回収リスク
FY2016に初出。19回の記載のうち5回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2021。直近の記載は2026-07-29。
日立製作所がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2021年。同じテーマの他社の中央値(2023年)より2年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2025年。29社中9社が悪化側に。
直近の記載が「対処」なのは、ほかに5社。
- 2026-07-29対処決算説明資料
「タレスGTS事業の買収関連費用減」
モビリティでは、タレスGTS事業の買収関連費用が減少し、第1四半期の増益要因となった。 - FY2026悪化有価証券報告書
「取得の対価は約360百万米ドル(約575億円)を予定しており、別途調整の後決定されます。」
Clever Devices社買収予定により、公共交通ITS領域で新たな投資・統合エクスポージャーが追加された。 - FY2026のれん残高を更新有価証券報告書
「当連結会計年度末時点で、デジタルシステム&サービスセグメントにおいて1,429,043百万円、エナジーセグメントにおいて659,712百万円、モビリティセグメントにおいて275,583百万円、コネクティブインダストリーズセグメントにおいて283,163百万円ののれんを計上しています。」
のれん残高は合計2兆6,475億円となり、デジタル、エナジー、モビリティ、コネクティブの各セクターに買収・統合リスクのエクスポージャーが存在することを更新した。 - FY2026-H1顕在化有価証券報告書
「Adjusted EBITAは、鉄道信号関連事業買収に伴う買収後統合に係る費用を含む関連費用等による減益要因があったものの、売上収益の増加や、信号システム事業における収益性及び生産性改善等により、前年同期に比べて58億円増加し、407億円となりました。」
Thales社の鉄道信号関連事業買収後の統合関連費用がモビリティの減益要因として引き続き発生した。一方、収益性・生産性改善によりAdjusted EBITAは前年同期比58億円増加した。 - FY2025顕在化有価証券報告書
「当連結会計年度において、デジタルシステム&サービスセグメントにおいて64,212百万円の減損損失を計上しています。主な内容は、データ利活用を可能にするプラットフォーム事業の一部を非注力分野に位置づけたことに伴う当該事業ののれんの減損損失54,874百万円です。」
買収・投資に関連するのれんについて、データ利活用プラットフォーム事業の一部を非注力分野としたことに伴う548億74百万円の減損損失が発生した。のれん残高は合計2兆4,868億円となった。 - FY2025-H1顕在化有価証券報告書
「Adjusted EBITAは、パワーグリッド事業やThales社の鉄道信号関連事業の買収に伴うPMI(Post Merger Integration)に係る関連費用等の増加や鉄道事業における一部の低採算案件による減益影響等があったものの、売上収益の増加や日立エナジー社における収益性の向上等により、前年同期に比べて732億円増加し、1,529億円となりました。」
Thales買収等に伴うPMI関連費用の増加と、鉄道事業の一部低採算案件による減益影響が実際に発生した。 - FY2024のれん残高を更新有価証券報告書
「当連結会計年度末時点で、デジタルシステム&サービスセグメントにおいて1,433,628百万円、グリーンエナジー&モビリティセグメントにおいて690,034百万円、コネクティブインダストリーズセグメントにおいて248,016百万円ののれんを計上しています。」
のれん残高は合計2兆3,716億78百万円となった。デジタルシステム&サービスで1兆4,336億28百万円、グリーンエナジー&モビリティで6,900億34百万円を計上している。 - FY2024-Q3のれん残高を更新有価証券報告書
「のれん 2,165,350 2,230,077」
のれん残高は前年度末の2兆1,653億50百万円から第3四半期末の2兆2,300億77百万円へ更新された。 - FY2024-Q2のれん残高を更新有価証券報告書
「のれん 2,165,350 2,403,920」
のれん残高は前年度末の2兆1,653億50百万円から第2四半期末の2兆4,039億20百万円へ増加した。 - FY2024-Q1のれん残高を更新有価証券報告書
「のれん 2,165,350 2,342,408」
のれん残高は前年度末の2兆1,653億50百万円から第1四半期末の2兆3,424億8百万円へ更新された。 - FY2023顕在化有価証券報告書
「当連結会計年度末時点で、デジタルシステム&サービスセグメントにおいて1,269,171百万円、グリーンエナジー&モビリティセグメントにおいて589,011百万円、コネクティブインダストリーズセグメントにおいて220,688百万円ののれんを計上しています。」
買収・統合に伴うのれん残高を合計約2兆790億円として更新した。また、日立エナジーののれん383億94百万円など、減損損失が実際に発生した。 - FY2023-Q2顕在化有価証券報告書
「当第2四半期連結累計期間における減損損失には、グリーンエナジー&モビリティセグメントにおいて計上した減損損失38,419百万円が含まれています。主な内容は、パワーグリッド事業において急激な金利上昇等による割引率の上昇に伴い計上した日立エナジーののれんに係る減損損失38,394百万円です。」
日立エナジーの買収に関連するのれんについて、急激な金利上昇等による割引率上昇を要因として383億94百万円の減損損失が実際に発生した。 - FY2022悪化有価証券報告書
「当連結会計年度末時点で、ITセグメントにおいて1,137,719百万円、エネルギーセグメントにおいて513,616百万円、インダストリーセグメントにおいて168,475百万円ののれんを計上しています。」
GlobalLogic社買収等により、のれんはIT1兆1,377億19百万円、エネルギー5,136億16百万円、インダストリー1,684億75百万円となり、買収統合・減損リスクのエクスポージャーが拡大した。 - FY2022-Q2悪化有価証券報告書
「GlobalLogic社の取得の対価、取得した資産及び引継いだ負債の取得日において認識した暫定的価額及び取得日において認識されたのれんの暫定的価額の要約は、下記のとおりです。」
GlobalLogic社買収について、取得対価9,222億5,000万円、暫定的なのれん8,211億28百万円を開示し、買収統合・投資回収に関するエクスポージャーを具体化した。 - FY2022-Q1悪化有価証券報告書
「GlobalLogic社の取得の対価は約84億米ドル(約9,153億円)です。」
GlobalLogic社の完全子会社化に伴い大規模な投資エクスポージャーが追加され、買収統合・投資回収に関する対象が拡大した。 - FY2021悪化有価証券報告書
「当連結会計年度末時点で、エネルギーセグメントにおいて480,006百万円、ITセグメントにおいて214,280百万円、インダストリーセグメントにおいて155,240百万円ののれんを計上しています。」
ABBパワーグリッド事業の取得等により、のれん残高がエネルギー480,006百万円、IT214,280百万円、インダストリー155,240百万円となり、買収統合・減損リスクのエクスポージャーが拡大した。 - FY2020再掲有価証券報告書
「当連結会計年度末時点で、ITセグメントにおいて204,243百万円、インダストリーセグメントにおいて158,010百万円ののれんを計上しています。」
買収に伴う統合・投資回収リスクを継続開示し、期末のれん残高をIT2,042億43百万円、インダストリー1,580億10百万円として示した。 - FY2017再掲有価証券報告書
「これらの施策が当グループの事業及び財政状態に有益なものとなる保証はなく、これらの施策が有益であるとしても、当グループが買収した事業の統合に成功し、又は当該施策の当初の目的の全部又は一部を達成できる保証はない。」
買収・合弁・提携の統合、費用、投資回収に関するリスクを継続している。 - FY2016初出有価証券報告書
「このような施策は、事業遂行、技術、製品及び人事上の統合又は投資の回収が容易でないことから、本質的にリスクを伴っている。」
統合費用、再構築費用、提携先の決定・能力、市場動向への依存をリスクとしている。