世界的な鉄鋼供給過剰と鋼材価格・販売量の下落
FY2016に初出。42回の記載のうち22回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2017-Q1。直近の記載は2026-11-06。
JFEホールディングスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2023年。同じテーマの他社の中央値(2019年)より4年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2020年。15社中12社が悪化側に。
直近の記載が「再掲」なのは、ほかに6社。
- FY2026悪化有価証券報告書
「国内外の需要や海外鋼材市況が低迷するなか、米国をはじめとする各国の保護主義的な政策に伴う影響等もあり、当期の連結粗鋼生産量は2,255万トンと前期と比べ減少しました。」
国内外需要・海外鋼材市況の低迷と保護主義的政策が、粗鋼生産量2,255万トン、鉄鋼事業売上収益8.2%減収として年度業績に現れた。 - FY2026-H1悪化有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、継続的な販売価格の改善やコスト削減に取り組んだものの、鋼材価格の下落や円高による為替影響(前中間連結会計期間との比較)等により、売上収益は前中間連結会計期間に比べ1,919億円(11.1%)の減収となる1兆5,374億円、セグメント利益については、前中間連結会計期間に比べ398億円の減益となる53億円の損失となりました。」
鋼材価格下落と円高による為替影響が実際の業績に現れ、鉄鋼事業は11.1%減収、セグメント損失53億円となった。 - FY2025悪化有価証券報告書
「国内需要の低迷、中国による周辺国への廉価での輸出拡大により、事業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益ともに前連結会計年度に比べ減益となりました。」
国内外需要・海外鋼材市況の低迷、中国材の廉価輸出拡大が鉄鋼事業に現れ、粗鋼生産量は2,320万トン、鉄鋼事業セグメント利益は363億円となった。 - FY2025-H1悪化有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、継続的な販売価格の改善やコスト削減に取り組んだものの、販売数量の減少や海外鋼材市況の悪化等により、売上収益は前中間連結会計期間に比べ1,365億円(7.3%)の減収となる1兆7,293億円、セグメント利益については、前中間連結会計期間に比べ883億円の減益となる345億円となりました。」
販売数量の減少と海外鋼材市況の悪化が、鉄鋼事業の7.3%減収および883億円減益として中間期業績に現れた。 - FY2024悪化有価証券報告書
「国内外の軟調な鋼材需要や、海外鋼材市況の低迷等を背景に、当連結会計年度の連結粗鋼生産量は2,480万トンと前連結会計年度に比べ減少しました。」
需要・海外市況の低迷が粗鋼生産量2,480万トン、鉄鋼事業売上収益4.3%減収として年度業績に現れた。 - FY2024-Q3悪化有価証券報告書
「当第3四半期連結累計期間の国内および海外経済は、一部地域において足踏み状態にあるものの、総じて緩やかに回復しました。一方、先行きについては、世界的な金融引き締めや中国経済の停滞など、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクや、物価上昇、為替変動、地政学リスクの拡大等の影響が懸念されます。」
世界的な金融引き締め、中国経済の停滞、物価上昇、為替変動に加え、地政学リスクの拡大が先行き懸念として示された。鉄鋼事業では販売数量減少・海外市況悪化により減収となった。 - FY2024-Q2悪化有価証券報告書
「当第2四半期連結累計期間の国内および海外経済は、一部地域において足踏み状態にあるものの、総じて緩やかに回復しました。一方、先行きについては、世界的な金融引き締めや中国経済の停滞など、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクや、物価上昇、為替変動等の影響が懸念されます。」
世界的な金融引き締め、中国経済の停滞、物価上昇、為替変動が新たな先行き懸念として示された。鉄鋼事業でも販売数量減少と海外市況悪化が実績に現れている。 - FY2024-Q1悪化有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、販売数量の減少や海外市況の悪化により、売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ154億円(1.6%)の減収となる9,172億円となりました。」
販売数量の減少と海外市況の悪化が実際の減収要因となり、鋼材価格・販売量面のリスクが第1四半期業績に再び現れた。 - FY2023悪化有価証券報告書
「国内外の鋼材需要および特に下期の鋼材市況が軟調に推移するなか、価格重視の姿勢を堅持した結果、当連結会計年度の連結粗鋼生産量は2,548万トンと前連結会計年度に比べ減少しました。」
販売価格重視の姿勢を維持した一方、国内外の鋼材需要・下期市況の軟調推移と粗鋼生産量の減少が記載され、需要・販売量面のリスクが再び顕在化した。 - FY2023-Q3対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、販売価格改善の取り組みや円安による為替影響等により、売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ6,627億円(29.5%)の増収となる2兆9,059億円となりました。」
販売価格改善等により鉄鋼事業の売上収益は前年同期比29.5%増となり、鋼材価格・販売量の下落リスクによる業績への影響は当四半期累計では緩和された。一方、為替影響や原料価格高騰は別途残っている。 - FY2023-Q2対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、販売価格改善の取り組みや鋼材市況の上昇等により、売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ5,085億円(36.1%)の増収となる1兆9,189億円となりました。」
販売価格改善と鋼材市況上昇により増収となり、従来の鋼材価格下落・販売量低下リスクの影響は当四半期累計では緩和された。 - FY2023-Q1対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、販売価格改善の取り組みや鋼材市況の上昇、および販売数量の増加により、売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ2,941億円(46.1%)の増収となる9,326億円となりました。」
販売価格・販売数量の回復により、鋼材価格・販売量の下落リスクによる業績への影響は当四半期においてさらに緩和された。 - FY2022対処有価証券報告書
「景気の持ち直しを背景とした鋼材需要の回復により、当連結会計年度の連結粗鋼生産量は2,726万トンと前連結会計年度に比べ大幅に増加しました。」
需要回復と鋼材価格上昇により、前年度に顕在化した販売量・価格下落リスクの影響は2021年度に緩和された。一方、ウクライナ情勢等による不確実性は残っている。 - FY2022-Q3対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、輸出市況好転に伴う販売価格の上昇や、自動車分野での需要回復等による販売数量の増加により、売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ6,357億円(39.5%)の増収となる2兆2,432億円となりました。」
輸出市況の好転、自動車分野の需要回復、販売価格・販売数量の上昇により、鋼材価格・販売量の下落リスクの影響がさらに緩和された。 - FY2022-Q2対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、輸出市況好転に伴う販売価格の上昇や、自動車分野での需要回復等による販売数量の増加により、売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ3,832億円(37.3%)の増収となる1兆4,104億円となりました。」
輸出市況の好転、自動車分野の需要回復、販売数量の増加により、販売価格・販売量の下落リスクの影響は当四半期において緩和された。 - FY2022-Q1対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んでいた販売数量の大幅な回復や、販売価格の上昇により、売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ1,298億円(25.5%)の増収となる6,385億円となりました。」
感染症の影響で落ち込んでいた販売数量が回復し、販売価格も上昇したため、需要・価格下落リスクの影響は当四半期において緩和された。 - FY2021悪化有価証券報告書
「今後の少子高齢化に伴う国内市場の縮小や、国内およびアジアをはじめとする世界経済の状況等を背景とした国内外の鋼材需給の動向が当社グループの鋼材の販売量や価格に影響を及ぼす可能性があります。」
需要減少・中国輸出増加・新興国の生産能力拡大による競争激化が構造的リスクとして整理され、生産能力約13%削減などの対応と併記された。 - FY2021-Q3対処有価証券報告書
「損益については、当第3四半期連結会計期間において、継続的に収益改善へ取り組んでいることに加えて、需要の持ち直しに伴う粗鋼生産量の回復や、輸出市況好転による販売価格の改善等により黒字に転じましたが、上期における販売数量の減少等による収益悪化の影響が大きく、当第3四半期連結累計期間のセグメント利益は1,019億円の損失となり、前年同四半期連結累計期間に比べ1,132億円の悪化となりました。」
第3四半期会計期間単独では需要回復、粗鋼生産量回復、輸出市況好転により黒字化したが、累計では販売数量減少の影響が残り、鉄鋼事業は1,019億円の損失となった。 - FY2021-Q2悪化有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、需要産業の活動水準の大幅な低下に伴う販売数量の減少や販売価格の下落により、売上収益については1兆272億円と前年同四半期連結累計期間に比べ3,259億円(24.1%)の減収となりました。損益については、継続的な収益改善に取り組んだものの、販売数量の減少に加え、棚卸資産評価差等の一過性の減益要因もあり、セグメント利益は1,362億円の損失となり、前年同四半期連結累計期間に比べ1,539億円の悪化となりました。」
需要産業の活動水準低下、販売数量減少、販売価格下落の影響が続き、鉄鋼事業は24.1%減収、1,362億円のセグメント損失となった。 - FY2021-Q1悪化有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、需要産業の活動水準の大幅な低下に伴う販売数量の減少により、売上収益については5,087億円と前年同四半期連結累計期間に比べ1,579億円(23.7%)の減収となりました。損益については、継続的な収益改善に取り組んだものの、販売数量の減少に加え、棚卸資産評価差等の一過性の減益要因もあり、セグメント利益は578億円の損失となり、前年同四半期連結累計期間に比べ723億円の悪化となりました。」
新型コロナウイルス感染症による需要産業の活動水準低下が販売数量の減少として現れ、鉄鋼事業は23.7%減収、578億円のセグメント損失となった。 - FY2020悪化有価証券報告書
「鉄鋼事業は、昨年の高炉の操業トラブルからの回復はあったものの、国内外ともに世界経済の減速に伴う需要減の影響や3月を中心とした新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当連結会計年度の連結粗鋼生産量は前連結会計年度に比べ微増の2,809万トンに留まりました。」
世界経済減速による需要減に加え、新型コロナウイルス感染症の影響が鉄鋼生産に及び、粗鋼生産量は2,809万トンにとどまった。 - FY2020-Q3悪化有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、貿易摩擦の影響に伴う販売数量の減少や海外市況の悪化により、売上収益については2兆58億円と前年同四半期連結累計期間に比べ1,427億円(6.6%)の減収となりました。」
貿易摩擦による販売数量減少と海外市況悪化が継続し、鉄鋼事業の売上収益が前年同期比6.6%減となった。 - FY2020-Q2悪化有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、貿易摩擦の影響に伴う販売数量の減少や海外市況の悪化により、売上収益については1兆3,531億円と前年同四半期連結累計期間に比べ494億円(3.5%)の減収となりました。」
貿易摩擦による販売数量減少と海外市況悪化が実際の減収要因となり、鉄鋼事業の売上収益は前年同期比3.5%減となった。リスクの影響が数値化されている。 - FY2020-Q1悪化有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、販売数量の減少により、売上収益については6,666億円となり、前年同四半期連結累計期間に比べ264億円(3.8%)の減収となりました。」
販売数量の減少により鉄鋼事業が減収となり、世界的な需給環境等に関連する販売量リスクの影響が再び大きく示された。 - FY2019-Q3対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、鋼材価格の改善により、売上高については2兆1,262億円と前年同四半期連結累計期間に比べ1,343億円(6.7%)の増収となりました。」
鋼材価格の改善により増収となり、従来の販売価格下落・需要環境悪化によるリスクは一部緩和された。 - FY2019-Q2対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、鋼材価格の改善により、売上高については1兆3,866億円と前年同四半期連結累計期間に比べ919億円(7.1%)の増収となりました。」
鋼材価格の改善により増収となり、従来の販売価格下落・需要環境悪化によるリスクは一部緩和された。一方、原材料・資材・物流費の上昇は継続している。 - FY2019-Q1対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、鋼材価格の改善により、売上高については6,859億円と前年同四半期連結累計期間に比べ495億円(7.8%)の増収となりました。」
鋼材価格の改善により増収となり、従来の販売価格下落によるリスクは一部緩和された。一方、コスト上昇は別途継続している。 - FY2018対処有価証券報告書
「鉄鋼事業を取り巻く経営環境は、国内においては、ここ数年は東京オリンピック・パラリンピック関連等の需要が見込まれますが、将来的には少子高齢化に伴う内需減少等により、鋼材需要の大幅な増加は見込めない状況であり、また、全世界的にも中国を中心とした鉄鋼過剰生産が継続しており、大変厳しい状況が続いております。」
中国を中心とする過剰生産と将来の国内需要減少は残る一方、当期は鋼材価格改善により鉄鋼事業の経常利益が1,988億円まで回復しており、従来の需要・価格下落の影響は一部緩和された。 - FY2018-Q3対処有価証券報告書
「国内外の鋼材需要は堅調に推移しておりますが、平成28年秋以降の原料炭を中心とした原材料価格の高騰により、大幅に製造コストが上昇しました。このような状況のもと、鋼材価格の改善に継続的に取り組んだ結果、売上高については1兆9,919億円と前年同四半期連結累計期間に比べ3,364億円(20.3%)の増収となりました。」
国内外の鋼材需要は堅調に推移し、鋼材価格の改善も進捗したため、需要低迷・販売価格下落のリスクは一部緩和された。一方、原材料価格高騰によるコスト圧力は残っている。 - FY2018-Q2対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、国内外の需要環境は回復基調にありますが、昨年秋以降の原料炭を中心とした原材料価格の高騰により、大幅に製造コストが上昇しました。」
国内外の需要環境は回復基調とされ、供給過剰・需要低迷による需要面のリスクは一部緩和された一方、原材料価格高騰によるコスト圧力が残っている。 - FY2018-Q1対処有価証券報告書
「鉄鋼事業においては、国内外の需要環境は回復基調にありますが、原料炭を中心とした原材料価格が高騰し大幅なコスト上昇要因となりました。」
国内外の需要環境が回復基調にあるとされ、需要面のリスクは一部緩和された一方、原材料価格の高騰は別の圧迫要因として残っている。 - FY2017対処有価証券報告書
「国内外の鋼材需要は回復の兆しを見せているものの、アジアにおける鋼材の供給過剰の影響やエネルギー関連需要の低迷もあり、全面的な市況回復には至っておりません。」
需要回復の兆しや国内外市況の改善が示された一方、アジアの供給過剰によるリスクは残存している。 - FY2017-Q3対処有価証券報告書
「国内の在庫調整は一段と進み、鋼材需要は回復の兆しを見せております。海外については平成27年夏以降急激に下落した鋼材市況が下げ止まり、一定の回復が見られますが、アジアにおける鋼材の供給過剰の影響は依然として大きく、全面的な市況回復には至っておりません。」
国内在庫調整の進展、需要回復の兆し、海外市況の下げ止まりが示された一方、アジアの供給過剰はなお大きく、リスクは残っている。 - FY2017-Q2悪化有価証券報告書
「国内の在庫調整は一定の進捗が見られるものの、鋼材需要の回復は力強さを欠く状況が続きました。海外については昨夏以降急激に下落した鋼材市況に下げ止まりが見え、分野によっては一定の回復が見られますが、アジアにおける鋼材の供給過剰の影響は依然として大きく、全面的な市況回復には至っておりません。このような状況のもと、売上高は1兆724億円と前年同四半期連結累計期間に比べ1,736億円(13.9%)の減収となりました。損益については、収益改善に継続的に取り組んだものの、販売環境の悪化や急激な円高の進行の影響もあり244億円の経常損失となり、前年同四半期連結累計期間に比べ630億円悪化しました。」
鋼材市況に一部下げ止まり・回復がある一方、アジアの供給過剰と国内需要の弱さが続き、鉄鋼事業では13.9%減収・244億円の経常損失として影響が数値化された。 - FY2017-Q1悪化有価証券報告書
「しかしながら、アジアにおける鋼材の供給過剰による販売価格の下落の影響は大きく、売上高は5,284億円と前年同四半期連結累計期間に比べ924億円(14.9%)の減収となりました。損益については、収益改善に継続的に取り組んだものの、販売環境の悪化や原料価格の下落による棚卸資産評価差に加え、為替変動の影響もあり、203億円の経常損失となり、前年同四半期連結累計期間に比べ418億円悪化しました。」
アジアの供給過剰による価格下落が続き、鉄鋼事業の売上減少と経常損失として影響がより大きく数値化されている。 - FY2016初出有価証券報告書
「特に鉄鋼事業における世界的な供給過剰継続による市場環境の悪化等の影響により、当連結会計年度のグループ業績は、連結経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益ともに、前連結会計年度に比べ減益となりました。」
アジアの供給過剰による販売価格下落・数量減少が当期の減収減益として現れている。