世界の主要中銀が2027年も高金利を維持する公算が大きい。エネルギー価格の上昇やAI投資が金融環境を支え、日米欧の動向と中国の緩和余地に注目が集まる。
年初に広く織り込まれていた世界の利下げ局面の見通しは現実の動きにより覆され、中東情勢の緊迫化や長期国債利回りの高止まり、AI関連投資の実体経済支えなど複数の要因で金融政策は引き締まり方向へ振れている。
ブルームバーグ・エコノミクスのモデルでは23カ国の中銀の金利見通しが上方修正され、2027年を迎える時点で従来予想を上回る水準になる可能性が高い。すでに総合借入コストには約25ベーシスポイントの追加利上げが織り込まれている。
IMFのゲオルギエワ専務理事はエネルギー価格再燃と財政赤字拡大を背景に各国中銀が慎重かつタカ派的姿勢を維持するべきだと公言した。今週は各国中銀総裁がIMF年次総会のためバンコクへ集まり、議題を協議する予定となっている。
FRBは現在3.75%から4.00%のレンジを維持しており、長期金利の水準高と財政リスク再評価から2027年末まで緩やかな引き下げを想定する見方がある。ECBは12月に利上げを実施するとの観測が高く、預金ファシリティ金利は2.75%へ引き上げられる見込み。日銀は年末までの追加利上げ確率が高まっており、2026年末には金利が1.5%、2027年末には2.0%へ上昇する見通しだ。
中国人民銀行の緩和余地は世界的な利上げサイクルと国内需要低迷という二重の制約を受けている。中国の7日物リバースレポ金利は現状1.4%で、今後の水準低下は限定的と見られる。
世界全体の見通しとしては、地政学的エネルギーショック、財政圧力の高まり、AI投資による設備投資の波が相まって、主要中銀は高金利環境を長期化させると見られる。
中国以外の地域では、英ロイターの調査でECBが短期的には緩和に転じづらいとの見方が広がっている。