開発費高騰とゲームソフト陳腐化のリスク
FY2016に初出。13回の記載のうち5回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2018。直近の記載はFY2026。
カプコンがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2018年。同じテーマの他社の中央値(2020年)より2年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2019年。13社中9社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに4社。
- FY2026悪化有価証券報告書
「売上原価に含まれている収益性の低下に伴う簿価切下額は、次のとおりであります。 10,213百万円」
収益性低下に伴う簿価切下額は前期の5,040百万円から1兆213百万円へ増加した。ゲームソフト仕掛品残高も492億9百万円から546億28百万円へ増加した。 - FY2026-H1ゲームソフト仕掛品残高の増加有価証券報告書
「ゲームソフト仕掛品 49,209 62,542」
ゲームソフト仕掛品残高は前期末の492億9百万円から625億42百万円へ増加した。なお、当中間連結会計期間における事業等のリスクについて、重要な変更はないと記載している。 - FY2025悪化有価証券報告書
「売上原価に含まれている収益性の低下に伴う簿価切下額は、次のとおりであります。4,544百万円 5,040百万円」
ゲームソフト仕掛品等の収益性低下に伴う簿価切下額は、前期の4,544百万円から5,040百万円へ増加した。ゲームソフト仕掛品残高も390億35百万円から492億9百万円へ増加している。 - FY2024対処有価証券報告書
「売上原価に含まれている収益性の低下に伴う簿価切下額は、次のとおりであります。4,544百万円」
収益性低下に伴う簿価切下額は前期7,584百万円から4,544百万円へ減少した。翌期に重要な影響を及ぼす可能性があるタイトルの安全余裕率も平均約9%から約13%へ上昇した。 - FY2023悪化有価証券報告書
「売上原価に含まれている収益性の低下に伴う簿価切下額は、当連結会計年度に7,584百万円であります。」
収益性低下に伴う簿価切下額は前期840百万円から7584百万円へ大幅に増加した。重要タイトルの安全余裕率も平均約9%と前期約28%から低下し、開発費回収リスクが数値化された。 - FY2022対処有価証券報告書
「対応策として、自社開発エンジンの構築、開発人員の増強と効率的配置により、クオリティの向上と開発の効率化を両立させ、開発費の抑制に注力しております。」
開発費高騰・ソフト陳腐化リスクに対し、RE ENGINE等の自社開発エンジン、開発人員の増強・効率配置、デジタル販売および過去作活用を対応策として示した。収益性低下に伴う簿価切下額は840百万円となった。 - FY2021対処有価証券報告書
「売上原価に含まれている収益性の低下に伴う簿価切下額は、当連結会計年度に943百万円であります。」
収益性低下に伴う簿価切下げは前期の6754百万円から943百万円へ減少した。一方、開発費抑制に向けて自社開発エンジン、人員増強、効率的配置を対応策として継続している。 - FY2020顕在化有価証券報告書
「売上原価に含まれている収益性の低下に伴う簿価切下額は、当連結会計年度に6,754百万円であります。」
開発費高騰やゲームソフト陳腐化に伴う投資回収・資産価値低下のリスクが、6,754百万円の簿価切下げとして引き続き実績に現れた。前期は6,869百万円である。 - FY2019顕在化有価証券報告書
「売上原価に含まれている収益性の低下に伴う簿価切下額は、当連結会計年度に6,869百万円であります。」
高騰する開発費や商品陳腐化による投資回収リスクが、収益性低下に伴う棚卸資産等の簿価切下げ6,869百万円および処分予定資産の減損損失393百万円として実績に現れた。 - FY2019-Q3顕在化有価証券報告書
「「デジタルコンテンツ」セグメントにおいて、処分を予定している事業資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しております。なお、当該減損損失計上額は393百万円であります。」
デジタルコンテンツ事業資産の回収可能価額低下が実際に発生し、3億93百万円の減損損失を計上した。 - FY2019-Q2顕在化有価証券報告書
「「デジタルコンテンツ」セグメントにおいて、処分を予定している事業資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しております。なお、当該減損損失計上額は398百万円であります。」
開発中止損の計上に加え、処分予定の事業資産について3億98百万円の減損損失を計上し、開発投資の回収・資産価値低下に関するリスクが実績に現れた。 - FY2018顕在化有価証券報告書
「近年、家庭用ゲーム機はコンピュータグラフィック技術やVR(仮想現実)技術、AI(人工知能)技術、インターネット機能の取り込みなどにより、高機能化、多機能化しており開発費が高騰する傾向にあります。」
高機能化に伴う開発費高騰と回収期間長期化を明記した。収益性低下に伴う売上原価の簿価切下額は当期101億58百万円となっている。 - FY2016初出有価証券報告書
「家庭用ゲーム機はコンピュータグラフィック技術やインターネット機能の取り込みなどにより、高機能化、多機能化しており開発費が高騰する傾向にあります。…ゲームの主なユーザーは子供や若者が多いうえ、スマートフォンやインターネットなど顧客層が重なる業種との競争も激化しており、商品寿命は必ずしも長くはありません。」
高機能化による開発費増加、短い商品寿命、在庫増加、開発資金未回収の可能性をリスクとして開示している。