低金利・資産負債デュレーションミスマッチのリスク
FY2016に初出。28回の記載のうち11回が「対処」で、最初の「対処」はFY2022-Q1。直近の記載はFY2026。
かんぽ生命保険がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2019年。同じテーマの他社とほぼ同じ時期。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2019年。6社中4社が悪化側に。
直近の記載が「再定義」なのは、ほかに0社。
- FY2026再定義有価証券報告書
「こうした金利環境の下では、資産運用利回りが上昇することにより、利息収入などの収益が向上するものの、既に保有している債券価格の下落により、評価損・減損損失や売却損が発生・拡大する可能性があります。一方、国内金利が現在の水準より低下した場合には、当初想定していた運用収益が確保できないあるいは逆ざやとなる可能性があります。」
低金利・逆ざや中心だった金利リスクを、金利上昇による収益改善と債券評価損・売却損、金利低下による運用収益不足の両面を持つリスクとして整理した。 - FY2026-H1対処有価証券報告書
「平均予定利率は再保険の活用や一時払終身保険の販売等により前年同期比で0.03ポイント下落し1.59%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は収益追求資産の収益貢献等により前年同期比で0.27ポイント増加し2.17%となり、順ざやは前年同期と比べ672億円増加し1,352億円となりました。」
平均予定利率が1.59%へ低下する一方、利子利回りは2.17%、順ざやは1,352億円となり、前年同期の利子利回り1.90%・順ざや680億円から運用収益面が改善した。 - FY2025対処有価証券報告書
「平均予定利率は一時払終身保険の販売や再保険の活用等により前期比で0.05ポイント下落し1.61%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は収益追求資産の収益貢献等により前期比で0.07ポイント増加し1.91%となり、順ざやは前期比で507億円増加し1,425億円となりました。」
平均予定利率の低下と利子利回りの上昇により、順ざやは前期の918億円から1,425億円へ増加し、運用収益面の圧力が低減した。 - FY2025-H1対処有価証券報告書
「平均予定利率は再保険の活用や一時払終身保険の販売等により前年同期比で0.04ポイント下落し1.62%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は収益追求資産の収益貢献等により前年同期比で0.05ポイント増加し1.90%となり、順ざやは前年同期と比べ178億円増加し680億円となりました。」
平均予定利率が1.62%へ低下する一方、利子利回りは1.90%、順ざやは680億円となり、前年同期から運用収益面の圧力が低減した。 - FY2024再定義有価証券報告書
「2024年3月の日本銀行によるマイナス金利政策解除後も当社が既に保有している保険契約の予定利率は変わらないことから、国内金利が現在の水準より上昇した場合には、資産運用利回りが上昇することにより、利息収入などの収益が向上するものの、債券価格の下落により、評価損・減損損失や売却損等が発生する可能性があります。」
従来の低金利・逆ざやリスクに加え、マイナス金利政策解除後の金利上昇による運用収益改善と債券評価損・解約増加の両面を示すリスク構造へ整理を広げた。 - FY2024-Q3悪化有価証券報告書
「平均予定利率は前年同期比で0.01ポイント下落し1.66%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は為替に係るヘッジコストの増加等により前年同期比で0.03ポイント下落し1.80%となり、順ざやは前年同期と比べ77億円減少し529億円となりました。」
為替に係るヘッジコストの増加等により利子利回りが1.80%へ低下し、順ざやも前年同期比77億円減の529億円となった。 - FY2024-Q2悪化有価証券報告書
「平均予定利率は前年同期比で0.01ポイント下落し1.66%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は為替に係るヘッジコストの増加等により前年同期比で0.04ポイント下落し1.86%となり、順ざやは前年同期と比べ102億円減少し502億円となりました。」
為替に係るヘッジコストの増加等により利子利回りが1.86%へ低下し、順ざやも前年同期比102億円減の502億円となった。運用収益面の圧力が継続している。 - FY2024-Q1悪化有価証券報告書
「平均予定利率は前年同期比で0.02ポイント下落し1.66%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は為替に係るヘッジコストの増加等により前年同期比で0.05ポイント下落の1.82%となり、順ざやは前年同期と比べ59億円減少し205億円となりました。」
為替に係るヘッジコストの増加等により利子利回りが1.82%へ低下し、順ざやも前年同期比59億円減の205億円となった。運用収益面の圧力が継続している。 - FY2023悪化有価証券報告書
「平均予定利率は前期比で0.02ポイント下落し1.67%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は為替に係るヘッジコストの増加等により前期比0.08ポイント下落の1.85%となり、順ざやは前期と比べ393億円減少し940億円となりました。」
海外金利上昇等によるヘッジコスト増加を含む運用環境の悪化により、利子利回りと順ざやが低下し、低金利・資産負債ミスマッチに伴う収益圧力が拡大した。 - FY2023-Q3悪化有価証券報告書
「平均予定利率は前年同期比で0.01ポイント下落し1.67%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は為替に係るヘッジコストの増加等により前年同期比で0.05ポイント下落し1.82%となり、順ざやは前年同期と比べ168億円減少し607億円となりました。」
ヘッジコストの増加等により利子利回りが1.82%へ低下し、順ざやも前年同期比168億円減の607億円となった。低金利・資産負債ミスマッチに関連する運用収益面の圧力が再び拡大している。 - FY2023-Q2対処有価証券報告書
「平均予定利率が前年同期比で0.01ポイント下落し1.67%となった一方、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は、金銭の信託で保有する国内株式等からの配当が増加したことから、前年同期比で0.02ポイント上昇し1.90%となり、順ざやは前年同期と比べ65億円増加し604億円となりました。」
平均予定利率は低下したものの、利子利回りは1.90%、順ざやは604億円となり、前年同期から運用収益面の圧力が低減した。 - FY2023-Q1対処有価証券報告書
「平均予定利率が前年同期並みの1.68%となった一方、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は、外国債券からの利息や金銭の信託で保有する国内株式等からの配当が増加したことから、前年同期比0.04ポイント上昇の1.87%となり、順ざやは前年同期と比べ67億円増加し264億円となりました。」
超低金利環境は継続しているものの、利子利回りが1.87%、順ざやが264億円となり、前年同期から運用収益面の圧力が低減した。 - FY2022対処有価証券報告書
「平均予定利率が前期並みの1.68%となった一方、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は、金銭の信託で保有する国内株式等からの配当や外国籍投資信託からの分配金が増加したことから、前期比0.11ポイント上昇の1.94%となり、順ざやは前期と比べ643億円増加し1,407億円となりました。」
低金利環境は継続しているが、利子利回りが1.94%、順ざやが1,407億円となり、運用収益面の圧力が低減した。 - FY2022-Q3対処有価証券報告書
「平均予定利率が前年同期並みの1.69%となった一方、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は、金銭の信託で保有する国内株式等からの配当や外国籍投資信託からの分配金が増加したことから、前年同期比で0.10ポイント上昇し1.88%となり、順ざやは前年同期と比べ422億円増加し836億円となりました。」
低金利環境は継続しているものの、利子利回りは1.88%、順ざやは836億円となり、前年同期比で運用収益面が改善した。 - FY2022-Q2対処有価証券報告書
「平均予定利率が前年同期並みの1.69%となった一方、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は、外国籍投資信託からの分配金や金銭の信託で保有する国内株式等からの配当が増加したことから、前年同期比で0.10ポイント上昇し1.89%となり、順ざやは前年同期と比べ285億円増加し586億円となりました。」
超低金利環境は継続しているものの、利子利回りは1.89%、順ざやは586億円となり、前年同期から運用収益面の圧力が低減した。 - FY2022-Q1対処有価証券報告書
「平均予定利率が前年同期並みの1.69%となった一方、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は、前年同期比で0.11%増加し1.84%となったことから、順ざやは前年同期と比べ154億円増加し221億円となりました。」
超低金利環境は継続しているものの、利子利回りは1.84%へ上昇し、順ざやは前年同期比154億円増の221億円となった。低金利に伴う収益圧力は当四半期において低減している。 - FY2021-Q3悪化有価証券報告書
「平均予定利率が前年同期並みの1.69%となった一方、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は前年同期比で0.01%低下し1.78%となったことから、順ざやは前年同期と比べ89億円減少し413億円となりました。」
低金利環境下で利子利回りが1.78%へ低下し、順ざやも前年同期比89億円減の413億円となった。 - FY2021-Q2悪化有価証券報告書
「平均予定利率が前年同期並みの1.69%となった一方、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は前年同期比で0.02%低下し1.79%となったことから、順ざやは前年同期と比べ84億円減少し301億円となりました。」
低金利環境下で利子利回りが1.79%へ低下し、順ざやも前年同期比84億円減の301億円となった。低金利・資産負債ミスマッチに関連する収益圧力を実績として開示している。 - FY2019悪化有価証券報告書
「国内長期金利(10年国債利回り)は、7月末の日本銀行の金融政策決定会合で長期金利の変動幅を倍程度に拡大することが決定されると、10月には0.1%台半ばまで上昇しましたが、その後は、世界経済の減速懸念等から低下傾向で推移し、年度末は△0.10%となりました。」
10年国債利回りは年度末にマイナス0.10%となり、低金利・資産負債デュレーションミスマッチの運用環境が一段と厳しくなった。 - FY2018-Q2再掲有価証券報告書
「国内長期金利(10年国債利回り)は0.06%台で始まり、9月末も0.06%台と同水準で終わりました。その間、7月には欧州金利の上昇等を受け0.10%前後まで上昇する場面や、9月には北朝鮮情勢の悪化懸念等から一時マイナス圏まで低下する場面もありましたが、概ね△0.02%~0.10%のレンジで推移しました。」
10年国債利回りは一時マイナス圏まで低下するなど変動したが、期末は0.06%台であり、低金利・資産負債デュレーションミスマッチのリスク環境を継続して開示している。 - FY2018-Q1再掲有価証券報告書
「国内長期金利(10年国債利回り)は、0.06%台で始まり、4月半ばには0%付近まで低下しましたが、その後は上昇基調で推移し、6月末には0.07%台まで上昇しました。」
10年国債利回りは期末に0.07%台まで上昇したが、円金利資産への集中と資産・負債のデュレーション・ミスマッチによる金利変動リスク自体は継続している。 - FY2017再掲有価証券報告書
「当社の資産構成においては、円金利資産の割合が高く、当社の契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であることから、資産と負債のデュレーションのミスマッチによる国内金利の変動リスクを有しております。」
円金利資産への集中とデュレーション・ミスマッチを引き続き主要な市場リスクとしている。 - FY2017-Q3再掲有価証券報告書
「国内長期金利(10年国債利回り)は、△0.04%台で始まり、6月下旬には△0.2%台まで低下しましたが、11月中旬以降はプラス圏で推移し、12月末は0.04%となりました。」
長期金利は四半期中にマイナス幅を拡大した後、期末にはプラス圏へ転じた。低金利・資産負債の金利リスクに関する運用環境の変化を開示している。 - FY2017-Q2再掲有価証券報告書
「国内長期金利(10年国債利回り)は、△0.04%台で始まり、7月に一時△0.30%まで低下しましたが、その後は上昇基調で推移し、9月末にかけて△0.08%台まで上昇しました。」
長期金利は四半期中に一時マイナス幅を拡大した後に上昇したが、期末もマイナス水準であり、低金利・デュレーションミスマッチのリスク環境は継続している。 - FY2017-Q1悪化有価証券報告書
「国内長期金利(10年国債利回り)は、△0.04%台で始まり、低下基調で推移し、6月末にかけて△0.23%台まで低下しました。」
10年国債利回りが四半期中にマイナス幅を拡大し、前期末の△0.05%からさらに低い水準となった運用環境を開示している。 - FY2016初出有価証券報告書
「当社の契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であることから、資産と負債のデュレーションのミスマッチによる国内金利の変動リスクを有しております。具体的には、平成28年2月に日本銀行が導入したマイナス金利の影響を受け、長期国債の指標である10年国債の金利が初めてマイナスとなりました。」
10年国債金利が期末に△0.05%となり、既契約の予定利率との関係から運用収益不足・逆ざやの可能性を示している。