繰延税金資産の回収可能性
FY2017に初出。6回の記載のうち3回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2023。直近の記載はFY2026。
かんぽ生命保険がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2023年。同じテーマの他社の中央値(2021年)より2年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2024年。28社中7社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに5社。
- FY2026悪化有価証券報告書
「当事業年度における新契約の実績は、一時払終身保険の販売減少等の影響により経営計画の水準まで達しておらず、今後の新契約水準が将来の経営環境や営業施策の効果発現による影響を受けることから、繰延税金資産の回収可能性については、当該経営計画を基礎とした前提の下、複数のストレスシナリオを考慮して判断しております。」
前年度に達成したとされた新契約計画水準について、2026年3月期は一時払終身保険の販売減少等により未達となり、繰延税金資産の回収可能性に関する前提が再び厳しくなった。 - FY2025対処有価証券報告書
「当連結会計年度における新契約の実績は、一時払終身保険の販売が増加し経営計画の水準を達成しているものの、今後の新契約水準は将来の経営環境や営業施策の効果発現による影響を受けることから、繰延税金資産の回収可能性については、当該経営計画を基礎とした前提の下、複数のストレスシナリオを考慮して判断しております。」
新契約実績が経営計画の水準を達成したことを開示し、前年まで明示されていた新契約水準未達前提からは回収可能性に関する懸念が低減した。一方、複数のストレスシナリオによる判断は継続している。 - FY2024悪化有価証券報告書
「当該課税所得の見積りにおいては、経営計画を基礎としており、今後、当該計画における取組方針の下、一定の新契約水準に到達する前提で作成しております。」
新契約が計画想定水準に達していない状況の中、繰延税金資産の回収可能性が一定の新契約水準への到達を前提とすることを継続して示した。 - FY2023悪化有価証券報告書
「当該課税所得の見積りにおいては、経営計画を基礎としており、今後、当該計画における取組方針の下、一定の新契約水準に到達する前提で作成しております。」
新契約の回復が緩やかな中、繰延税金資産の回収可能性が一定の新契約水準への到達を前提とすることを明示し、計画未達との連動性が具体化した。 - FY2022再掲有価証券報告書
「経済環境の大幅な悪化の継続などによる見積りの前提の変更や税制改正に伴う税率の引き下げにより繰延税金資産額が減少する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。」
課税所得見積りや税率変更による繰延税金資産減少リスクを継続している。 - FY2017初出有価証券報告書
「将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産額が減少するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。」
将来課税所得の見積りや税率変更による繰延税金資産減少リスクを独立して示した。