大型個別受注案件のコスト超過と損益悪化
FY2016に初出。19回の記載のうち6回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2017-Q2。直近の記載はFY2026-H1。
川崎重工業がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2016年。同じテーマの他社の中央値(2021年)より5年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2019年。6社中3社が悪化側に。
直近の記載が「再掲」なのは、ほかに0社。
- FY2026-H1再掲有価証券報告書
「一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等の契約違反により当社が被った損害について、ICC(The International Chamber of Commerce)へ仲裁申立を行いました。なお、仲裁手続きの中で、相手方から当社に対して損害の請求がなされていますが、当社は当該請求の内容は正当な根拠を欠く不当なものであると考えています。当社は、引き続き仲裁手続きを通じて、当社の正当性を主張してまいります。」
海外LNGタンク建設工事をめぐるICC仲裁、相手方からの損害請求及び会社の主張を継続記載している。 - FY2025-H1再掲有価証券報告書
「一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等の契約違反により当社が被った損害について、ICC(The International Chamber of Commerce)へ仲裁申立を行いました。なお、仲裁手続きの中で、相手方から当社に対して損害の請求がなされていますが、当社は当該請求の内容は正当な根拠を欠く不当なものであると考えています。当社は、引き続き仲裁手続きを通じて、当社の正当性を主張してまいります。」
海外LNGタンク建設工事をめぐるICC仲裁、相手方からの損害請求及び会社の主張を継続記載している。 - FY2024-Q1再掲有価証券報告書
「一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等の契約違反により当社が被った損害について、ICC(The International Chamber of Commerce)へ仲裁申立を行いました。なお、仲裁手続きの中で、相手方から当社に対して損害の請求がなされていますが、当社は当該請求の内容は正当な根拠を欠く不当なものであると考えています。当社は、引き続き仲裁手続きを通じて、当社の正当性を主張してまいります。」
海外LNGタンク建設工事をめぐるICC仲裁及び相手方からの損害請求、会社の主張を継続記載している。 - FY2023対処有価証券報告書
「更に、受注後のプロジェクトについては、市場環境やその進捗状況において、経営成績等に大きな影響を与える可能性がある兆候を経営会議及び取締役会へタイムリーに報告し、モニタリング機能の強化にも努めてきました。」
大型案件リスクへの対応として、受注前審査、損失リスク総量の統制に加え、受注後の兆候を経営会議・取締役会へ報告する運用を継続している。 - FY2023-Q2再掲有価証券報告書
「一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等の契約違反により当社が被った損害について、ICC(The International Chamber of Commerce)へ仲裁申立を行いました。なお、仲裁手続きの中で、相手方から当社に対して損害の請求がなされていますが、当社は当該請求の内容は正当な根拠を欠く不当なものであると考えています。当社は、引き続き仲裁手続きを通じて、当社の正当性を主張してまいります。」
海外LNGタンク建設工事をめぐるICC仲裁と相手方からの損害請求、会社の主張を継続記載している。 - FY2022対処有価証券報告書
「従来のプロジェクトリスク管理委員会を包含する形で「月次経営概況報告」を導入し、履行中の個別プロジェクトの進捗に限らず、受注・マーケット状況や、経営計画又は経営実績に大きな影響を与える可能性があるものについて、経営会議及び取締役会へ毎月報告する体制への移行と定着を図りました。」
大型案件の損失リスクに対し、受注前審査、損失リスク総量の統制に加え、受注・市場・履行状況を毎月経営会議及び取締役会へ報告する体制を定着させた。 - FY2022-Q1再掲有価証券報告書
「なお、仲裁手続きの中で、相手方から当社に対して損害の請求がなされていますが、当社は当該請求の内容は正当な根拠を欠く不当なものであると考えています。当社は、引き続き仲裁手続きを通じて、当社の正当性を主張してまいります。」
海外LNGタンク建設工事をめぐるICC仲裁において、相手方からの損害請求と会社の主張を継続記載した。 - FY2020-Q2相手方の損害請求を開示有価証券報告書
「なお、仲裁手続きの中で、相手方から当社に対して損害の請求がなされていますが、当社は当該請求の内容は正当な根拠を欠く不当なものであると考えています。当社は、引き続き仲裁手続きを通じて、当社の正当性を主張してまいります。」
海外LNGタンク建設工事をめぐるICC仲裁手続きにおいて、相手方からも損害請求を受けていることを新たに記載。会社は請求に正当な根拠がないと考え、仲裁手続きで主張を継続すると説明。 - FY2020-Q1顕在化有価証券報告書
「営業損益は、売上の減少及び一部案件におけるコスト変動などにより、前年同期に比べ26億円悪化して35億円の営業損失となりました。」
車両事業の一部案件におけるコスト変動が実際の営業損失悪化要因として現れた。 - FY2019悪化有価証券報告書
「一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等の契約違反により当社が被った損害について、当連結会計年度にICC(The International Chamber of Commerce)へ仲裁申立を行いました。当該損害金額(約510億円)については、今後仲裁を通じて回収していく予定であり、その一部を投資その他の資産「その他」に計上しています。」
海外LNGタンク工事の損害賠償請求額は約510億円となり、ICCへの仲裁申立てに進展した。前回開示の約460億円から金額が更新され、回収手続きが継続している。 - FY2019-Q3賠償請求額更新有価証券報告書
「一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等を原因として総原価が当初見積りより増加しました。そのため、同社の契約違反により当社が被った損害の一部について2018年12月末までに賠償請求(約460億円)を行い、請求額の回収に向けて手続きを進めています。」
海外LNGタンク建設工事の下請会社の契約不履行による総原価増加と損害賠償請求を継続記載。請求額は前回記載の約480億円から約460億円に更新。 - FY2019-Q2悪化有価証券報告書
「そのため、同社の契約違反により当社が被った損害の一部について2018年9月末までに賠償請求(約480億円)を行い、請求額の回収に向けて手続きを進めています。」
海外LNGタンク建設工事の下請会社の契約不履行による総原価増加が続き、損害賠償請求額は前回記載の約400億円から約480億円に増加。請求額の回収手続きを進めている。 - FY2019-Q1顕在化有価証券報告書
「一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等を原因として総原価が当初見積りより増加しました。そのため、同社の契約違反により当社が被った損害の一部について賠償請求(約400億円)を2018年7月に行いました。なお、請求金額の一部は、総原価見積りから控除し流動資産「その他」に計上しています。」
海外LNGタンク建設工事で下請会社の契約不履行により総原価が増加し、約400億円の損害賠償請求を2018年7月に実施。 - FY2018-Q3顕在化有価証券報告書
「本船は当社として初めて受注した船種であり、設計段階での不具合や材料費等の増加が発生していた。」
オフショア作業船で設計上の不具合や材料費等の増加が実際に発生し、造船契約の解除とたな卸資産の評価損・売掛債権の損失処理等、128億33百万円の損失計上に至った。 - FY2018-Q2対処有価証券報告書
「営業損益は、貸倒引当金の追加計上や受注工事損失引当金の繰入れ増があった前年同期に比べ、112億円改善して51億円の営業損失となりました。」
前年同期に発生した貸倒引当金追加計上・受注工事損失引当金繰入れ増の影響から営業損失は112億円改善したが、51億円の損失は残った。 - FY2018-Q1顕在化有価証券報告書
「営業損益は、減収および建造コストの増加、前年同期に貸倒引当金戻入益があった影響などにより、前年同期に比べ34億円悪化して28億円の営業損失となりました。」
船舶海洋事業で建造コストの増加が実際に発生し、営業損失の拡大に反映された。 - FY2017-Q3顕在化有価証券報告書
「営業損益は、ブラジルの現地合弁会社向け売掛債権への貸倒引当金の追加計上、円高及びコスト増に伴う受注工事損失引当金の繰入れ増などにより、前年同期に比べ112億円悪化して138億円の営業損失となりました。」
円高・コスト増に伴う受注工事損失引当金の繰入れ増が続き、船舶海洋事業の営業損失が実績として拡大。 - FY2017-Q2顕在化有価証券報告書
「営業損益は、ブラジルの現地合弁会社向け売掛債権への貸倒引当金の追加計上、円高及びコスト増に伴う受注工事損失引当金の繰入れ増などにより、前年同期に比べ133億円悪化して164億円の営業損失となりました。」
円高・コスト増に伴う受注工事損失引当金の繰入れ増が実際に発生し、船舶海洋事業の営業損失が拡大。 - FY2016初出有価証券報告書
「当初想定できなかった政治・経済情勢の変動等による資材費や労務費の高騰、設計変更や工程の混乱等によって、当初見積り以上にコストが膨らみ、当該案件の損益悪化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。」
契約前の本社リスク分析・対応検討を実施しているが、想定外のコスト増をリスクとして記載。