資金調達制約と財務制限条項
FY2016に初出。22回の記載のうち14回が「対処」で、最初の「対処」はFY2016。直近の記載はFY2026-H1。
ルネサスエレクトロニクスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2024年。同じテーマの他社の中央値(2023年)より1年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2017年。54社中8社が悪化側に。
直近の記載が「対処」なのは、ほかに52社。
- FY2026-H1対処有価証券報告書
「当社は、2026年2月27日付で、既存借入金の借り換えおよび運転資金の確保を目的として、主要取引銀行である㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱との間でコミットメントライン設定契約における組成金額を1,500億円から2,000億円とする変更契約を締結しました。」
資金調達制約への対応として、既存借入金の借り換え・運転資金確保を目的とするコミットメントラインの組成金額を1,500億円から2,000億円へ増額した。 - FY2025対処有価証券報告書
「当社は、中間連結会計期間において、借入契約に係る財務制限条項の一部に抵触しましたが、当該抵触を理由とする期限の利益喪失の権利行使を行わないことについて、取引先金融機関より承諾を得ております。また、当連結会計年度末においては、財務制限条項に抵触するような事象は生じておりません。」
中間期には財務制限条項への抵触があったものの、金融機関の承諾を得ており、年度末には抵触事象が生じていないと記載している。Dialog社買収関連の2,400億円の借入も2025年12月30日に期限前弁済した。 - FY2025-H1顕在化有価証券報告書
「また、当中間連結会計期間において、借入契約に係る財務制限条項の一部に抵触しておりますが、当該抵触を理由とする期限の利益喪失の権利行使を行わないことについて、取引先金融機関より承諾を得ております。」
借入契約の財務制限条項の一部への抵触が実際に発生した。一方、取引金融機関から期限の利益喪失の権利行使を行わないことについて承諾を得ている。 - FY2024悪化有価証券報告書
「例えば、当社は、2024年7月に、Altium社の買収資金に充当するため、金融機関との間で締結したシンジケートローン契約に基づき総額9,380億円の借入を実行し、その後、同年9月に、その一部である1,490億円につき、他の金融機関と締結したタームローン契約に基づき、借り換えを実行しました。」
Altium社買収に伴う9,380億円の借入実行と1,490億円の借り換えが通期で開示された。期末借入金残高は1兆2,664億円で、レバレッジ・レシオ3.05以下(2024年6月期)および2.90以下(2024年12月期以降)などの財務制限条項も開示している。 - FY2024-H1顕在化有価証券報告書
「当社は、2024年7月に、Altium社の買収資金に充当するため、金融機関との間で締結したシンジケートローン契約に基づき総額約9,380億円の借入を実行しました。」
Altium社買収資金について、約9,380億円の借入を実行した。買収資金の借入に伴う有利子債務負担、長期資金への切り替えやキャッシュ・フロー創出に関するリスクが実際の調達として表れた。 - FY2023悪化有価証券報告書
「例えば、当社は、2024年2月に公表した本件買収に係る買収資金(総額約91億豪ドル、1豪ドル97円換算で約8,879億円)については、手許現金のほか主要取引銀行から新たに調達する予定の借入金を充当する予定であります。」
資金調達リスクについて、Altium社買収に係る約91億豪ドルの資金を手許現金と新規借入で調達する計画を具体的に記載した。有利子債務、長期資金への切替え、キャッシュ・フロー創出および財務制限条項への抵触リスクが続いている。 - FY2022対処有価証券報告書
「当社の借入金については、一定の純資産水準、営業損益水準、純損益水準の維持ならびに有利子負債のEBITDAに対する比率が一定水準を上回らないことなどを求める財務制限条項が付されており、当社はこの財務制限条項を遵守しております。」
財務制限条項を遵守していることを明示し、借入金返済等により有利子負債も前年度末比613億円減少した。 - FY2022-Q2対処有価証券報告書
「今後の事業展開における資金需要への対応、運転資金の柔軟な調達手段の確保を目的とした総額200百万米ドルのタームローン」
2022年6月に、総額200百万米ドルおよび200億円のタームローン契約を締結し、6月30日に合計470億96百万円を借り入れた。事業展開・運転資金に対応する調達手段を追加確保した。 - FY2021対処有価証券報告書
「また、2021年12月23日付で、既存借入れ2,700億円のうち、既に返済済みの300億円を除いた2,400億円について、中長期性の資金に借り換えることを目的として、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱等との間で、総借入額960億円のシンジケートローン契約を締結し、㈱国際協力銀行との間で、総借入額1,440億円のJBICローン契約を締結しました。」
Dialog社買収資金の借入について、960億円のシンジケートローンと1,440億円のJBICローンを締結・実行し、中長期性資金への借り換えを進めた。さらに、米ドル建無担保普通社債を発行し、総額13億5,000万米ドルを調達した。 - FY2021-Q3対処有価証券報告書
「2021年8月31日付で、このローン契約について、総借入額270,000百万円のタームローン(借入実行日:2021年8月31日、最終返済日:2022年2月7日、利率:0.835%、借入先:㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行)の借入を実行しました。」
Dialog社買収資金について、2,700億円のタームローンを2021年8月31日に実行し、必要資金の調達を具体化した。なお、当該借入については様々な長期資金への切り替えを進める予定としている。 - FY2021-Q2対処有価証券報告書
「その一貫として、2021年6月に国内における一般募集、海外募集および大和証券㈱を割当先とする第三者割当増資を実施し、総額約2,226億円の資金調達を行いました。しかしながら、かかる新株式発行による資金調達の実施によっても、Dialog社の買収を含む企業買収のための資金調達を目的とした借入の実施により、当社は多額の有利子債務を負担することになるところ、当初想定したキャッシュ・フローの創出や長期資金への切り替えが実現しない場合には、当社グループの財務内容が悪化し、信用格付けが引き下げられる可能性があり」
2021年6月の公募・海外募集・第三者割当増資により約2,226億円を調達し、資金調達制約への対応を進めた。一方、Dialog社買収に伴う多額の有利子債務、キャッシュ・フロー創出や長期資金への切り替え未達による財務悪化リスクは継続している。 - FY2020悪化有価証券報告書
「当社は、企業買収を実施する際の買収資金についても金融機関からの借入により調達する可能性があり、例えば、2021年2月に公表したDialog社の買収資金の調達を目的として、金融機関との間でローン契約(Facilities Agreement)(総借入限度額7,354億円)を締結しております。」
資金調達リスクについて、Dialog社買収向け総借入限度額7,354億円のローン契約と、長期資金への切替を目的とする上限2,700億円の新株式発行登録を記載した。買収資金調達に伴う有利子負債増加や資金調達条件の不確実性が追加されている。 - FY2020-Q2対処有価証券報告書
「当社は、今後の事業展開における資金需要への対応と運転資金の確保および財務基盤の安定性向上のために、機動的な資金調達手段を確保することを目的とし、下記のとおりコミットメントライン契約を締結いたしました。 借入極度額 750億円 契約締結日 2020年7月13日 契約期間 2年間 担保の有無 担保・保証なし」
今後の事業展開・運転資金への対応および財務基盤の安定性向上を目的に、無担保・保証なしの750億円、期間2年のコミットメントラインを確保した。資金調達手段を追加している。 - FY2019再掲有価証券報告書
「当社は、2019年1月15日付で、買収に必要な資金の一部の調達および中長期的な資金として既存借入金の借り換えを目的とした総額897,000百万円のシンジケートローン契約を締結しました。」
IDT社買収資金および既存借入金の借り換えについて、総額8,970億円のシンジケートローンを通じた調達を実行済みである。 - FY2019-Q2対処有価証券報告書
「また、当第2四半期連結会計期間にて、149,000百万円のタームローン(借入実行日:2019年6月28日、返済期日:2024年6月28日、借入先:㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱)の借入を実行し、既存のタームローンから借り換えました。」
既存タームローンの借り換えとして1,490億円の新規タームローンを実行し、中長期の資金調達手段を追加的に確保した。 - FY2019-Q1対処有価証券報告書
「当社は、中長期の資金としてIDT社の買収に必要な資金および運転資金を調達することを目的として、2019年1月15日付で以下の実行可能期間付タームローン契約を締結しました。① 借入金額 698,000百万円 ② 借入実行日 2019年3月28日 ③ 返済期日 2024年3月28日」
IDT社買収資金および運転資金について、6,980億円のタームローンを2019年3月28日に実行し、資金調達手段を確保した。 - FY2018対処有価証券報告書
「総額 8,970億円」
IDT社買収資金および既存タームローンの借り換え、中長期資金を目的に、2019年1月15日付で総額8,970億円のシンジケートローン契約を締結し、資金調達手段を具体化した。 - FY2018-Q3対処有価証券報告書
「なお、2018年10月11日付で本買収に必要な資金の一部を調達するため実行可能期間付タームローン契約を以下のとおり締結しました。① 借入枠 7,280億円」
IDT社買収資金について7,280億円の実行可能期間付タームローン契約を締結し、必要資金の調達手段を具体的に確保した。 - FY2017再掲有価証券報告書
「当社グループが必要な資金を適時に調達できない、または資金調達コストが増加する可能性があることなどにより、当社グループの資金調達が制約される可能性があります。」
資金調達制約および財務制限条項への抵触リスクを継続して記載している。 - FY2016-Q3対処有価証券報告書
「当社は、主要取引銀行等へ既存の金銭消費貸借契約に係る借入金を返済するとともに、新たに長期的な運転資金の確保を目的として平成28年9月28日付で主要取引銀行と150,000百万円のタームローン(借入期間5年)および50,000百万円のコミットメントラインに係る契約を締結し、9月30日付で当該タームローンを実行しました。」
既存借入の返済と同時に5年のタームローンおよびコミットメントラインを確保し、資金調達制約への対応を具体化した。 - FY2016対処有価証券報告書
「また、成長戦略の推進に係る資金の確保を目的として、同年10月5日付で主要取引銀行との間で500億円のタームローンに係る契約を締結しました。当該タームローンは平成29年12月期第1四半期中に実行しております。」
長期運転資金に加え、成長戦略推進資金として500億円のタームローンも実行され、資金調達手段を具体化した。 - FY2016初出有価証券報告書
「当社グループが必要な資金を適時に調達できない、または資金調達コストが増加する可能性があることなどにより、当社グループの資金調達が制約される可能性があります。」
借入契約の一部に財務制限条項があり、抵触した場合には期限の利益を喪失する可能性を記載している。