実質賃金の伸び悩みと消費マインドの不透明さ
FY2017-Q1に初出。29回の記載のうち14回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2017-Q2。直近の記載はFY2027-H1。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2016年。同じテーマの他社の中央値(2020年)より4年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2020年。13社中9社が悪化側に。
直近の記載が「再定義」なのは、ほかに1社。
- FY2027-H1再定義有価証券報告書
「このため、消費者の生活防衛意識は一層高まっており、食品を中心に価格感度の高い購買行動が継続しており、当面継続することが見込まれます。」
実質賃金は改善傾向とされた一方、消費環境の焦点は、生活防衛意識の一層の高まりと食品を中心とする価格感度の高い購買行動の継続へ整理された。 - FY2026悪化有価証券報告書
「特に食料品やエネルギー価格の上昇が家計を圧迫し消費抑制の傾向が顕著にあらわれております。」
消費環境の懸念が、食料品・エネルギー価格の上昇による家計圧迫と消費抑制の顕著化として記載された。 - FY2026-H1悪化有価証券報告書
「当中間連結会計期間における国内経済は、雇用や所得環境の改善が進行したものの、これを上回る物価上昇が続き、7月までの実質賃金は7ヶ月連続でマイナスに陥るなど、インフレが消費マインドの低下に影響を与えております。特に食料品やエネルギー価格の上昇が家計を圧迫し、消費を抑制する傾向が顕著に表れました。」
実質賃金のマイナスが7ヶ月連続となり、食料品・エネルギー価格の上昇による家計圧迫と消費抑制が顕著になったと記載された。 - FY2025悪化有価証券報告書
「さまざまな機能が集中し人口の減少も比較的緩やかと言われる首都圏においても、高齢化が進む地方と都市部との経済格差は拡大しており、ここに多くの店舗を展開する当社にとっても低価格・高品質のバランスがより一層求められ、地域ごとに異なる市場環境を認識しながら、それぞれの地域にあった店づくりや品揃えを迅速に実現することが求められております。」
消費環境の記載は、インフレ下の生活防衛意識に加え、高齢化が進む地方と都市部との経済格差の拡大、地域ごとの市場環境の相違へ具体化した。 - FY2025-H1悪化有価証券報告書
「当中間連結会計期間の消費環境は、当社の主力である食品の物価が総じて上昇を継続するなか、家計支出は調理食品や外食を除き物価上昇を下回る水準に止まり、消費者の生活防衛意識の高まりはより一層顕著となりました。また、高齢化が進む地方ではインフレによるコストの上昇が深刻な問題となっており都市部との経済格差が拡大しているように実感されます。」
インフレ下で生活防衛意識がより顕著となり、地方と都市部の経済格差の拡大も示された。消費環境の二極化に関する従来の認識が、地域間格差を伴う形で具体化した。 - FY2025-Q1再定義有価証券報告書
「当第1四半期連結累計期間の消費市場は、継続するインフレ環境下で生活防衛意識が垣間見える商品群と、嗜好や機能を訴える付加価値に重きをおいた商品群の双方が堅調となり、消費の二極化が進行しました。」
消費環境のリスクは、インフレによる消費マインドの冷え込み中心の記載から、生活防衛型商品と付加価値商品の双方が堅調となる消費の二極化へ整理された。 - FY2024-Q3悪化有価証券報告書
「エネルギー価格の高騰や円安による原料調達価格の上昇、有効求人倍率の高止まりによる労務費の高騰などを背景に、食品や生活関連商品の値上げが続いたことで、消費者の節約志向はより顕著となりました。」
従来の消費マインドへの懸念が、商品値上げの継続と消費者の節約志向のさらなる顕著化として示された。 - FY2024-Q2悪化有価証券報告書
「また、お客さまのライフスタイルや価値観の多様化も一層拡がっており、お客さまの家計負担軽減にこれまで以上に注力することに加え、お客さまの多様な嗜好にお応えする商品やサービスの開発を進めていくことが求められております。」
家計負担の増加に加え、ライフスタイル・価値観の多様化が一層進み、従来以上の家計支援と商品・サービス対応が必要とされた。 - FY2024-Q1再掲有価証券報告書
「当第1四半期連結累計期間における経営環境は、新型コロナウイルス感染症の行動制限が緩和されたことを受け、社会活動や経済活動はコロナ禍以前の状態へと急速に戻り始めたように見える一方で、エネルギーコストや商品・サービスの価格上昇などインフレへの傾斜は継続し、消費マインドに明るさが見えない状態が続きました。」
インフレによる家計負担と消費マインドの明るさの欠如が継続しているとの認識が示された。 - FY2023悪化有価証券報告書
「当期は、世界的なサプライチェーンの混乱や為替変動により輸入資源や原材料が高騰し、電気料を始めとしたエネルギーコストや食品を含む多くの生活物資の価格を押し上げるインフレへと急速に移行し、消費マインドが大きく冷え込む状況となりました。」
消費環境のリスクは、実質賃金の伸び悩み中心の記載から、インフレによる生活物資価格の上昇と消費マインドの大幅な冷え込みへ更新された。 - FY2023-Q3再掲有価証券報告書
「ウクライナ情勢の長期化や円安の進行などにより原材料等の上昇、電気料・ガソリン価格などエネルギーコストの高騰が家計を直撃し、消費マインド全体に影響を与え、」
エネルギーコスト等の上昇が家計を圧迫し、消費マインドに影響しているとの認識が継続している。 - FY2023-Q2悪化有価証券報告書
「ウクライナ情勢の長期化や円安の進行による輸入原材料の高騰、エネルギーコストの上昇等が家計を直撃し、格差の拡大や、より一層の慎重な消費意識の強まりが生じ、消費マインドに影を落とし始め、」
消費環境について、輸入原材料・エネルギーコストの上昇が家計を圧迫し、消費意識がさらに慎重化しているとの記載に更新された。 - FY2023-Q1悪化有価証券報告書
「消費マインドの回復に再び影を落とし始めており、当社グループを取り巻く事業環境は依然として厳しい状況が続いております。」
消費環境について、感染症の影響が落ち着き社会活動が正常化に向かう一方、仕入価格・エネルギーコストの上昇が消費マインドの回復を妨げる状況として示された。 - FY2022悪化有価証券報告書
「原油価格の高騰や原材料価格の上昇による食料品の値上げが連続し、それらに加えて国際情勢の変化や為替による影響も今後想定されることから家計支出の大きな変化が予想され、消費マインドはさらに低下すると懸念し、」
消費環境について、食品値上げや国際情勢・為替の影響を背景に、消費マインドがさらに低下する懸念が示された。 - FY2022-Q1悪化有価証券報告書
「しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の再発出やまん延防止等重点措置などの影響で、雇用環境の悪化や個人消費の低迷などが徐々に現れており、今後厳しさを増していくものと予測されます。」
消費環境のリスクについて、雇用環境の悪化や個人消費の低迷が徐々に現れており、今後さらに厳しくなるとの見通しが示された。 - FY2021再定義有価証券報告書
「スーパーマーケット業界においては、コロナ禍を契機とした働き方や消費行動の変化など、新たなライフスタイルの定着化によって家庭内喫食が見直され、食品を中心とした生活必需品は堅調に推移しました。」
消費環境のテーマが、実質賃金や食料品支出の伸び悩みから、コロナ禍による働き方・消費行動の変化と家庭内喫食の定着へ再整理された。 - FY2021-Q2再定義有価証券報告書
「新型コロナウイルス感染症の流行により、不要不急の外出自粛や訪日外国人の入国規制、海外諸国での感染拡大や都市封鎖などが国内企業業績に深刻な影響を及ぼすとともに、在宅勤務や時差出勤などの働き方の変化により、家庭内喫食が見直されるなど、消費者心理や消費行動に大きな変化が見られました。」
消費環境の懸念は、実質賃金や食料品支出の伸び悩みだけでなく、感染症と新しい働き方による消費者心理・消費行動の大きな変化として記載された。 - FY2021-Q1顕在化有価証券報告書
「当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大により、企業活動、経済活動が大きく制限を受け、雇用環境の悪化、個人消費の下振れなど、景気減速懸念が一層高まっており、国内経済の先行きは予断を許さない状況となりました。」
従来の消費環境リスクについて、個人消費の下振れと雇用環境の悪化が実際の経済状況として記載された。 - FY2020-Q3顕在化有価証券報告書
「当第3四半期連結累計期間における我が国経済は緩やかな成長を維持しましたが、10月からの消費税増税もあり環境は厳しさが増しており、雇用環境は良好である一方で実質賃金は伸び悩んでおります。消費支出は消費税増税前に伸びたものの10月は減少に転じ、家計調査における食料品支出は増加してはいるものの生鮮食料品への支出は低調でした。」
消費税増税後の10月に消費支出が減少へ転じ、実質賃金の伸び悩みと生鮮食料品支出の低調さが実際の消費環境として記載された。 - FY2020-Q2対処有価証券報告書
「当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、良好な雇用環境を背景に個人消費は堅調であるものの、各国通商政策の影響もあり、経済の伸びは鈍化しました。」
従来の消費環境の弱さに対し、良好な雇用環境を背景に個人消費は堅調との記載があった。一方、経済成長の鈍化も併記されている。 - FY2019再定義有価証券報告書
「雇用環境は良好で実質賃金も緩やかに増加しましたが、食料品支出は伸びず、スーパーマーケットには厳しい環境でありました。」
実質賃金は緩やかに増加した一方、食料品支出は伸びず、消費環境の弱さがスーパーマーケットの厳しい環境として再整理された。 - FY2019-Q3対処有価証券報告書
「雇用環境は引き続き良好で、就業者数の増加や実質雇用所得の伸長が見られ、家計消費支出における食料品支出も伸長しました。」
従来記載されていた消費環境の弱さに対し、実質雇用所得と食料品支出の伸長が記載された。一方、賃金上昇や採用難、暖冬等によりスーパーマーケットの環境は厳しいとされている。 - FY2019-Q1再掲有価証券報告書
「一方で、雇用改善は続くものの実質賃金は伸び悩み、家計消費における食料品支出は低調でした。」
実質賃金の伸び悩みと食料品支出の低調さが引き続き示された。 - FY2018-Q3再掲有価証券報告書
「一方で、雇用情勢は改善傾向が継続したものの、家計消費における食料品支出は伸び悩み、スーパーマーケット経営においては依然として厳しい環境が続いております。」
食料品支出の伸び悩みと厳しいスーパーマーケット経営環境が継続している。 - FY2018-Q2悪化有価証券報告書
「一方で、世帯における食料品支出は伸びず、8月は低温・降雨が続く等、スーパーマーケット経営においては厳しい環境でした。」
食料品支出の伸び悩みに加え、低温・降雨が続き、スーパーマーケット経営環境の厳しさが追加的に示された。 - FY2018-Q1顕在化有価証券報告書
「一方、雇用環境は引き続き良好であるものの、家計消費支出が減少する等、経営を取り巻く環境は厳しさを増しております。」
消費マインド・個人消費の弱さについて、家計消費支出の減少という実際の環境変化が記載された。 - FY2017-Q3悪化有価証券報告書
「一方、個人消費につきましては、底堅い動きではあるものの、実質賃金の伸び悩みに加えて、上昇に転じた原油価格の影響等、不確実性が増しております。」
個人消費は底堅いとしつつ、実質賃金の伸び悩みに原油価格上昇の影響が加わり、不確実性が増したと記載された。 - FY2017-Q2悪化有価証券報告書
「個人消費につきましては、人手不足などにより雇用情勢の改善は続くものの、可処分所得の伸び悩みなどもあり、足踏み状態となっております。」
「消費マインドは不透明」から、可処分所得の伸び悩みにより個人消費が「足踏み状態」と、より具体的な弱含みの表現になった。 - FY2017-Q1初出有価証券報告書
「また、個人消費についても、雇用情勢の改善は続くものの、実質賃金の伸び悩みなどにより、消費マインドは引き続き不透明な状況を呈しております。」
雇用改善の一方で、実質賃金と消費マインドを小売環境上の懸念として示している。