円相場が160円台で推移する要因を、実需と資金の国外流出、レパトリなどの資金動向から整理した記事。海外資金の動きと資源決済のドル建て需要が円を売る背景として挙げられる。
著者は円相場が160円を超える局面をめぐり、レンジの外へ抜ける可能性を含意してきたと説明する。円安の背景には日米金利差や財政緩和だけでなく、円の実需があると指摘する。
円が売られ戻らない主因として、企業の海外資金還流(レパトリ)の動向が挙げられる。海外で稼い資金を国内へ還流させる割合が5-6割と見られ、過去には税制改正で還流が促進された時期があった。
日本企業は海外で得た資金を海外に留める傾向が強く、日本国内へ戻ってきても使い道が乏しいとの見立てもある。海外資金はドル建ての投資や事業拡大に回り、円の実需のマイナス要因となっている。
資源の購入もドル建てが中心で、原油やガスといった資源の決済は円売りを伴い、ドルの実需を生む。個人投資家の海外投資資金もドル需要を生み、円安を支えているとの指摘がある。
今後の展望として、160円の攻防は単なる相場の攻守ではなく恒常化の可能性があると結論づける。円を国内に留める仕組みづくりや国際金融センター化など大がかりな施策が必要との持論を示す。