日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)の9月調査が公表され、AI関連需要の拡大とコスト高の販売価格転嫁が企業の収益を支える構図が確認されました。内需の一部で勢いは鈍いものの、設備投資計画は底堅さを維持しています。
日銀が公表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、AI関連需要の拡大が素材を含む幅広い業種の景況感を押し上げる一方、コスト高を販売価格へ転嫁する動きも企業収益を支える要因として挙げられています。大企業製造業の景況感を示す指数は前回から2ポイント上昇し、6四半期連続で改善しました。
中小企業の製造業の景況感も改善し、指標は5ポイント上昇。内需関連は勢いを欠く面があるものの、長雨や自然災害の影響は大きかったと指摘されています。今後の見通しとして、2026年度の経常利益見通しは全体で前年度比2.2%増に転じ、設備投資の計画も底堅さを維持しているとの見方です。
焦点の物価動向では中東情勢の混迷に伴うコスト高が販売価格に転嫁される一方、原材料価格の高騰は収まりつつあり、景況改善と採算の向上を支える可能性が指摘されています。ただし秋以降の原油高再燃リスクは残り、物価上昇リスクの払拭には至っていないとの見方もあります。
一方で小売など個人消費の現場に近い業種ほど価格転嫁による需要減退を警戒する声があり、物価高が内需を冷やす懸念は根強い。日銀の次の利上げ時期を見極めるには、企業動向を丹念に収集・分析することが求められています。