将来課税所得に依存する繰延税金資産の回収リスク
FY2021に初出。6回の記載のうち3回が「対処」で、最初の「対処」はFY2024。直近の記載はFY2026。
ANAホールディングスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2022年。同じテーマの他社の中央値(2024年)より2年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2024年。28社中12社が悪化側に。
直近の記載が「対処」なのは、ほかに4社。
- FY2026対処有価証券報告書
「当社グループは、当連結会計年度において、税務上の繰越欠損金等に係る繰延税金資産を144,358百万円計上しています。将来課税所得の見積りは、2027年3月期の「連結業績予想」ならびに「2026-2028年度 ANAグループ中期経営戦略」を基礎として行っています。」
繰延税金資産は前年度の190,747百万円から144,358百万円へ減少し、回収可能性の前提も新中期経営戦略に更新された。 - FY2025対処有価証券報告書
「当連結会計年度では、税務上の繰越欠損金等に係る繰延税金資産を190,747百万円計上しています。」
繰延税金資産は前年度の213,374百万円から190,747百万円へ減少し、将来課税所得に依存する回収リスクのエクスポージャーが低下した。 - FY2024対処有価証券報告書
「当連結会計年度では、税務上の繰越欠損金等に係る繰延税金資産を213,374百万円計上しています。将来課税所得の見積りは、2025年3月期の「連結業績予想」ならびに「2023-2025年度 ANAグループ中期経営戦略」を基礎として行っています。」
繰延税金資産は前年度の263,303百万円から213,374百万円へ減少し、回収可能性の見積りを2025年3月期業績予想と中期経営戦略に基づいて行った。 - FY2023悪化有価証券報告書
「当社グループは、2020年度および2021年度に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い航空旅客需要が減少した影響等により、税務上の繰越欠損金を計上しました。当連結会計年度では、税務上の繰越欠損金等に係る繰延税金資産を263,303百万円計上しています。」
繰延税金資産は前年度の273,452百万円から263,303百万円へ減少した一方、国際線・国内線旅客需要が2026年3月期末までに概ね2019年水準へ回復する前提に変更され、回収前提の時間軸は後ろ倒しとなった。 - FY2022悪化有価証券報告書
「当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う航空旅客需要の大幅な減少の影響により、税務上の繰越欠損金等に係る繰延税金資産273,452百万円を計上しています。」
繰延税金資産は2,734億52百万円へ増加し、回収可能性の前提も国際線は2024年3月期、国内線は2023年3月期末に2019年の9割程度への回復と後ろ倒しになった。 - FY2021初出有価証券報告書
「当社グループは、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染拡大に伴う航空旅客需要の大幅な減少の影響により、税務上の繰越欠損金等に係る繰延税金資産219,618百万円を計上しています。中略 当該仮定は不確実性が高く、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。」
旅客需要の回復仮定に基づき219,618百万円の繰延税金資産を計上しており、感染症影響の長期化による回収可能性への影響を重要な見積り・リスクとして初めて明示した。