世界マクロ経済の後退と地政学リスク
FY2022-Q1に初出。14回の記載のうち11回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2022-Q3。直近の記載はFY2026-H1。
NIPPON EXPRESSホールディングスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2022年。同じテーマの他社の中央値(2024年)より2年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2025年。80社中45社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに49社。
- FY2026-H1悪化有価証券報告書
「一部の国や地域で弱さが見られたものの、全体としては緩やかな回復基調が継続いたしました。一方で、中東情勢の悪化によるエネルギー価格の高騰や、供給制約に起因するサプライチェーンの混乱などにより、先行きに対する不透明感が一段と高まる状況が続きました。」
世界経済は緩やかな回復基調を示す一方、中東情勢の悪化、エネルギー価格高騰、供給制約によるサプライチェーン混乱により不透明感が一段と高まったと記載している。 - FY2025-H1悪化有価証券報告書
「一方で、米国の関税政策の不確実性や中東情勢の悪化から、景気後退への警戒感が急速に強まる状況となりました。今後も、米国の関税政策により生じるサプライチェーンへの影響に加え、地政学リスクの動向に注視が必要な状況にあります。」
世界マクロ・地政学リスクについて、米国の関税政策の不確実性と中東情勢の悪化を明示し、関税政策によるサプライチェーンへの影響を今後の注視事項として加えている。国際物流では関税政策の影響とみられる需要減退の兆候も記載している。 - FY2024悪化有価証券報告書
「アメリカの政権交代による貿易政策の見直し、中東情勢やロシアによるウクライナ侵攻の長期化など地政学リスクの高まりにより、引き続き不透明な状況が続くことが予測されます。」
従来の景気・紛争リスクに加え、米国政権交代による貿易政策見直しを新たな不透明要因として明示している。 - FY2024-H1悪化有価証券報告書
「当中間連結会計期間の世界経済は、米国や新興国の一部において引き続き内需の底堅さがみられ、その他の国や地域でも物価高の一服感や実質賃金の上昇により個人消費に動きがみられるなど前向きな兆しが表れ始めていましたが、中東における地政学的緊張の高まりによるエネルギー価格の変動や、分断による貿易の混乱などの下振れリスクも抱えており、依然として先行きが見通せない状況にありました。」
一部に景気回復の兆しを認めつつも、中東情勢によるエネルギー価格変動と、世界の分断による貿易混乱を新たな下振れ要因として明示し、地政学・マクロ経済リスクの影響範囲を広げている。 - FY2024-Q1悪化有価証券報告書
「また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に加えて、中東情勢の緊迫化など地政学リスクは一層高まってきており、先行きに対する不透明感が増す状況となっております。」
ウクライナ侵攻の長期化に加え、中東情勢の緊迫化を挙げ、地政学リスクと先行き不透明感がさらに高まったと記載している。 - FY2023悪化有価証券報告書
「加えて、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエル・ハマス紛争、米中間の対立などの地政学リスクや経済安全保障リスクが高まっており、先行き不透明な状況下において、総じて厳しい経営環境となりました。」
従来の景気後退・ウクライナ情勢等に加え、イスラエル・ハマス紛争と経済安全保障リスクを明示し、地政学リスクの範囲を拡大している。 - FY2023-Q3悪化有価証券報告書
「当第3四半期連結累計期間の世界経済は、主要国の一部ではサービス業の底堅さや労働市場における力強さがみられる等緩やかな回復基調にあるものの、金融引き締めやインフレの影響に加え、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中国における不動産不況の深刻化等、依然として先行きが見通せない状況にありました。」
主要国の一部に回復基調がみられる一方、金融引き締め・インフレ、ウクライナ侵攻の長期化に加え、中国の不動産不況の深刻化を新たな下振れ要因として挙げ、世界経済の不透明性を悪化方向に具体化している。 - FY2023-Q2再掲有価証券報告書
「当第2四半期連結累計期間の世界経済は、新興国地域における緩やかな経済成長に加え、中国における経済活動の回復や、エネルギーや食料品といった資源価格の高騰にも一服感がみられるなど、一部で前向きな兆しが表れ始めていましたが、金融引き締めの継続的な影響による内需の後退、また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化など下振れリスクも抱えており、依然として先行きが見通せない状況にありました。」
中国経済の回復や資源価格高騰の一服という前向きな兆しを示す一方、金融引締めの影響、内需後退、ウクライナ侵攻長期化による下振れリスクを挙げ、世界経済の不透明性を再確認している。 - FY2023-Q1再掲有価証券報告書
「このような経済情勢の中、物流業界においても、主要国の景気後退の長期化により、国際物流については、自動車や電子機器などの減産の影響を受けて総じて低調に推移するなど、昨年来続いていた航空輸送・海上輸送の需要逼迫状況も大幅に緩和され、需給バランスにも変化がみられました。」
主要国の景気後退長期化、製造業の減産、国際物流の低調推移を記載する一方、資源価格高騰の一服など一部の前向きな兆しも示している。先行きはなお見通せないとしており、世界経済リスクを再確認している。 - FY2022悪化有価証券報告書
「今後の経済動向につきましては、先進各国でのインフレ対策のための金融引締め政策の長期化による景況感の悪化や、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻長期化によるエネルギーや安全保障に関するリスクの高まり、台湾海峡を巡る地政学的なリスクの高まりなどもあり、引き続き不透明な状況が続くと予測されます。」
金融引締めの長期化、ウクライナ侵攻の長期化、台湾海峡の地政学リスクが重なり、世界マクロ環境の不透明性を引き続き強く認識している。 - FY2022-Q3悪化有価証券報告書
「コロナ後の世界経済の回復を牽引してきた先進各国に急ブレーキがかかる状況となり、前期にも増して、世界経済の景気後退リスクが高まっており、先行きが見通せない状況にありました。」
先進国経済への急ブレーキと、前期よりも高まった景気後退リスクが記載され、世界マクロ経済リスクの認識が悪化方向に進んだ。 - FY2022-Q1初出有価証券報告書
「米中間の貿易摩擦やテクノロジーを巡る覇権争いは近年激化しており、貿易や製造業の成長の下押しの要因となりうる不確実な状況が続いており、また、アジアや東欧、中近東を中心とした紛争等による地政学リスクも高まっております。」
貿易摩擦、技術覇権争い、紛争による世界経済・輸送需要への影響をリスクとしている。