低金利・マイナス金利による収益悪化リスク
FY2016に初出。19回の記載のうち13回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2017-Q1。直近の記載はFY2026。
ソニーフィナンシャルグループがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2016年。同じテーマの他社の中央値(2019年)より3年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2019年。6社中4社が悪化側に。
直近の記載が「対処」なのは、ほかに2社。
- FY2026対処有価証券報告書
「基礎利益は、変額保険等の最低保証に係る責任準備金繰入額が減少したこと、再保険収支が増加したこと等により、1,918億円(同66.7%増)となりました。順ざや額は25億円(前年度は逆ざや額78億円)となりました。」
金利環境による収益リスクは継続しているが、通期の順ざや額は前年度の逆ざやから25億円の順ざやへ転じた。 - 2026-05-14悪化決算説明資料
「過去の低金利下に獲得した契約において、不利契約となっている契約群が増加」
低金利下で獲得した契約群における不利契約の増加が記載され、低金利に起因する収益面の影響が具体化している。 - FY2026-H1顕在化有価証券報告書
「10年国債利回りは期初の1.5%台から上昇しました。4月初めに米国政府が関税の大幅引き上げ方針を発表し、日本を含む世界の景気悪化懸念が高まり、10年国債利回りは1.1%台まで低下しました。その後、10年国債利回りは再び上昇傾向で推移し、9月には約17年ぶりの高水準(1.6%台後半)を記録しました。」
国内長期金利が大きく変動する局面が実際に発生し、生命保険事業では債券売却に伴う有価証券売却損益の悪化と経常損失が記載されている。 - FY2025顕在化有価証券報告書
「金利上昇の影響を受け、ALM(資産負債の総合管理)の考え方に基づくリバランスを目的とした債券売却に伴う一般勘定における有価証券売却損益の悪化等により、206億円(同18.2%減)となりました。逆ざや額は78億円(同16.4%増)となりました。」
金利上昇と債券売却による損益悪化、逆ざや78億円の発生が生命保険事業の実績に現れている。 - FY2025-H1顕在化有価証券報告書
「10年国債利回りは期初の0.7%台から上昇しました。」「逆ざや額は48億円(同166.7%増)となりました。」
国内長期金利の上昇が実際に発生し、ソニー生命では逆ざや額が前年同期比166.7%増の48億円となった。金利環境の変化による収益悪化が実績に現れている。 - FY2024-H1顕在化有価証券報告書
「10年国債利回りは期初の0.4%弱から大きく上昇しました。」「逆ざや額は18億円(前年同期は順ざや額134億円)となりました。」
国内長期金利の上昇局面が発生する一方、ソニー生命では前年同期の134億円の順ざやから18億円の逆ざやへ転じ、金利環境に伴う収益影響が実績として示された。 - FY2023顕在化有価証券報告書
「昨今、海外を中心に急速な金利上昇が発生するとともに、金融市場の不安定さが増大しています。」
金利上昇局面が実際に発生し、固定利付債券の評価損、解約率上昇、資産運用環境の変化などのリスクが記載されている。 - FY2022再定義有価証券報告書
「金利上昇局面においては、投資利回りの上昇により投資ポートフォリオからの収益が増加する一方で、保険契約者が他の高利回りの投資商品を選好する結果、保険契約の解約率も上昇する可能性があります。また、金利の変動により、保有資産のうち固定利付債券について評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。」
従来の低金利・マイナス金利による逆ざやリスクに加え、金利上昇による解約率上昇や固定利付債券の評価損リスクを明示している。 - FY2021顕在化有価証券報告書
「2021年に入り、米国でバイデン政権が発足し大型の経済対策の議論が本格化すると、米国の長期金利が急速に上昇し、これに連れて日本の10年国債利回りは一時0.15%近辺まで上昇しました。」
年度前半の低金利環境が続く一方、年度後半には長期金利の上昇局面も発生した。生命保険事業では変額保険等の市況変動に伴う損益悪化により経常利益が前年から43.1%減少した。 - FY2020顕在化有価証券報告書
「日本の10年国債利回りは、2019年4月の△0.1%近辺から2019年9月には△0.3%程度へ低下しました。」「金利低下局面(マイナス金利を含む)においては、投資利回りの低下により投資ポートフォリオからの収益が減少し」
マイナス金利を含む長期金利低下が実際に生じ、生命保険事業の資産運用収益やMCEV、新契約価値に影響したことを記載している。 - FY2020-Q3対処有価証券報告書
「経常収益は、特別勘定における運用損益の改善および一時払保険を主とする保険料等収入の増加により、1兆2,951億円(前年同期比28.7%増)となりました。」
特別勘定の運用損益が改善し、生命保険事業の経常収益が前年同期比で増加した。低金利・市場環境による収益面の影響は、当該期間には改善として記載されている。 - FY2020-Q2顕在化有価証券報告書
「米国の10年国債利回りは、3月末の2.405%から、8月には一時1.4%台まで低下しました。日本の10年国債利回りもこれに押されて低下し、3月末の△0.091%から、8月末頃には△0.291%となりました。」
日米の長期金利が低下する市場環境が記載され、生命保険事業では資産運用収益が前年同期比42.0%減、特別勘定における運用益も減少した。 - FY2020-Q1顕在化有価証券報告書
「経常収益は、保有契約高の堅調な推移などを受けた保険料等収入の増加があったものの、特別勘定における運用益の減少により、3,688億円(前年同期比2.8%減)となりました。」
生命保険事業で特別勘定の運用益が減少し、経常収益の前年同期比減少として低金利・市場環境に関連する収益面の影響が現れている。 - FY2019-Q3顕在化有価証券報告書
「経常収益は、保有契約高の堅調な推移などを受けた保険料等収入の増加があったものの、特別勘定における運用損益の悪化により、1兆66億円(前年同期比5.2%減)となりました。」
特別勘定における運用損益の悪化が生命保険事業の経常収益減少として実績に現れ、前中間期の運用益への転換から再び悪化が記載された。 - FY2018-Q2市場環境改善により特別勘定の運用損が運用益へ転換有価証券報告書
「特別勘定において前年同期は運用損を計上したのに対し、当四半期累計期間は市場環境改善の影響を受けて運用益を計上したことにより、6,324億円(前年同期比12.0%増)となりました。」
前年同期に発生していた特別勘定の運用損が当中間期には運用益へ転じ、生命保険事業の経常収益を押し上げた。 - FY2017-Q3顕在化有価証券報告書
「銀行事業においては、金利水準が前年同期に比べ低下した影響に加え、住宅ローンの融資実行増加にともなう初期費用などの増加や、顧客の外貨・投資信託取引の減少もあり、33億円(同29.1%減)となりました。」
金利低下の影響が銀行事業の経常利益を前年同期比29.1%減少させる要因として、当第3四半期累計期間の実績に現れている。 - FY2017-Q2顕在化有価証券報告書
「銀行事業においては、好調な住宅ローン残高の積み上がりにより貸出金利息が増加したものの、有価証券利息配当金が減少したことなどにより、経常収益は186億円(前年同期比2.1%減)となりました。経常利益は、金利低下の影響に加え、カードローンに係る広告宣伝費などの営業経費の増加、外貨・投資信託の取引減少により、17億円(同47.5%減)となりました。」
金利低下の影響が銀行事業の経常利益減少の要因として引き続き実績に現れている。 - FY2017-Q1顕在化有価証券報告書
「生命保険事業においては、保有契約高が堅調に推移したものの、一時払保険料が減少したことにより保険料等収入が減少したことや、市場環境悪化の影響を受け特別勘定資産運用益が運用損に転じたことにより、経常収益は2,920億円(前年同期比9.8%減)となりました。」
市場環境悪化により特別勘定資産運用益が運用損へ転じ、生命保険事業の経常収益が前年同期比で減少した。 - FY2016初出有価証券報告書
「金利低下局面(マイナス金利を含む)においては、投資利回りの低下により投資ポートフォリオからの収益が減少し、予定利率(責任準備金計算用)の設定に際して想定した収益を充足できず、逆ざやが発生・拡大する可能性があります。」
マイナス金利を含む金利低下が保険・銀行の運用収益や逆ざやに及ぼすリスク。