マイナス金利と金融機関間競争による収益低下懸念
FY2016に初出。9回の記載のうち5回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2017。直近の記載はFY2026。
山口フィナンシャルグループがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2019年。同じテーマの他社の中央値(2024年)より5年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2025年。21社中11社が悪化側に。
直近の記載が「再掲」なのは、ほかに19社。
- FY2026再掲有価証券報告書
「また、日本銀行の政策調整に伴い「金利のある世界」が定着しつつある中、金融機関を取り巻く事業環境は大きな転換点を迎えております。」
金融制度の規制緩和、金融機関再編、他業態参入による競争激化という認識に加え、金利のある世界への移行を事業環境の転換点として記載している。 - FY2025悪化有価証券報告書
「一方、足元では米国の関税引き上げや中東情勢の緊迫化など、各国の政策運営の不確実性が高まる中で、株価や為替相場が不安定に変動する等、今後の経済動向については十分に注視していく必要があります。」
従来の海外景気下振れ・中国経済・中東情勢等に加え、米国の関税引上げと株価・為替相場の不安定な変動を外部環境リスクとして明示している。 - FY2024-Q2悪化有価証券報告書
「しかし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れリスクや円安の影響などによる物価上昇から、先行きは不透明な状況が続いております。」
世界的な金融引締めや円安による物価上昇に加え、中国経済の先行き懸念を外部環境リスクとして明示している。 - FY2022再定義有価証券報告書
「近年、金融制度の大幅な規制緩和に加え、地域金融機関の再編や他業態による金融分野への参入などにより、金融業界の競争環境が激化しております。」
マイナス金利やフィンテック・AIを中心とした従来の記述から、規制緩和、地域金融機関の再編、他業態の参入による競争激化へ表現が整理されている。 - FY2020悪化有価証券報告書
「また、新たな金融サービスへのニーズが高まる中、金融機関間の競争激化や、金融機能を有する新興勢力の脅威に晒されております。」
従来のフィンテック・AI・キャッシュレス化による競争に加え、金融機能を有する新興勢力を競争上の脅威として明示している。 - FY2019悪化有価証券報告書
「また、地域金融機関を取巻く環境は、顧客保護や説明責任の充実など、顧客本位の精神に基づいた業務運営の履行(フィデューシャリー・デューティー)に対する社会的要請の一層の高まりとともに、フィンテックの台頭やAI等に代表される新技術の進展、キャッシュレス化の推進により、あらゆる業種との業界の垣根を越えた競争に晒されております。」
従来のマイナス金利・フィンテック・AIを背景とする競争リスクに、キャッシュレス化の推進を加え、異業種を含む競争環境をさらに具体化している。 - FY2018再掲有価証券報告書
「また、地域金融機関を取巻く環境は、顧客保護や説明責任の充実など、顧客本位の精神に基づいた業務運営の履行(フィデューシャリー・デューティー)に対する社会的要請の一層の高まりとともに、フィンテックの台頭やAIに代表される新技術の一層の進展により、あらゆる業種との業界の垣根を越えた競争に晒されております。」
フィンテックやAIなど新技術の進展を背景とする業種横断的な競争リスクを引き続き記載している。 - FY2017悪化有価証券報告書
「マイナス金利導入による収益低下懸念から他金融機関との競合がますます激しさを増すだけではなく、フィンテックやAIといった新規産業の台頭によりあらゆる業種との業界の垣根を越えた競争に晒されております。」
マイナス金利下の金融機関間競争に加え、フィンテック・AIによる異業種を含む競争へと競争リスクの範囲を広げている。 - FY2016初出有価証券報告書
「マイナス金利導入による収益低下懸念から他金融機関との競合関係が一層激しさを増すことが予想され」
マイナス金利政策と競争激化を収益低下につながり得る環境要因として記載している。