電力小売市場の競争激化と事業者撤退可能性
FY2022-Q1に初出。14回の記載のうち7回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2022。直近の記載は2026-07-31。
アストマックスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2021年。同じテーマの他社の中央値(2018年)より3年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2024年。21社中8社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに7社。
- FY2026悪化有価証券報告書
「容量拠出金単価が前年同期間と比較して大幅に減少した影響に加え、顧客獲得に時間を要し大口顧客への電力供給開始が2026年3月にずれ込んだことや、価格競争の激化に伴いマージンが圧縮されたためにより、営業収益及びセグメント利益はいずれも前年同期間を下回る結果となりました。」
小売市場の価格競争激化によるマージン圧縮、顧客獲得の遅れ、供給開始のずれが生じ、営業収益・セグメント利益が前期を下回った。 - FY2026-H1悪化有価証券報告書
「その後は2024年4月の容量拠出金制度導入で一部顧客の離脱があり、個別対応や提案を通じて新規顧客の獲得を進めているものの、2025年9月末の特別高圧・高圧の顧客数(請求単位)は前連結会計年度末比38件減少の510件となりました。」
容量拠出金制度の導入を契機とする顧客離脱が実際に発生し、特別高圧・高圧顧客数は前年度末比38件減少した。 - FY2025-H1顕在化有価証券報告書
「2024年4月より開始した容量拠出金制度における負担転嫁を契機として、一部のお客様が他の小売電気事業者に切り替える動きが見られました。」
容量拠出金制度の負担転嫁を契機に一部顧客の他社切替が発生した。一方、個別訪問・オンライン会議・使用電力量分析等による顧客維持・獲得策も進めている。 - FY2024再掲有価証券報告書
「しかしながら想定以上に顧客の解約が発生する場合は経営成績に影響を与えることとなります。」
小売事業は通期黒字化した一方、顧客の他社流出・想定以上の解約が業績に影響するリスクを引き続き記載している。 - FY2023-Q3再掲有価証券報告書
「電力スポット価格の高騰は、スポット市場からの電力調達を余儀なくされる小売電気事業者へ大きな打撃を与えており、2022年度においては、当該事業から撤退または倒産する企業や、新規契約の受付停止をする企業が相次ぎました。」
電力スポット価格の高止まりを背景に、小売電気事業者の撤退・倒産や新規契約受付停止が相次ぐ状況を引き続き記載している。 - FY2023-Q1再掲有価証券報告書
「2021年10月以降もスポット価格は高水準で推移し、スポット市場からの電力調達を余儀なくされる小売電気事業者へ大きな打撃を与え、当該事業から撤退や倒産する企業や、新規契約の受付を停止する企業が相次いでいる状況です。」
電力小売市場では、価格競争とスポット価格高騰を背景に、撤退・倒産や新規契約受付停止が続く状況を引き続き記載している。 - FY2022悪化有価証券報告書
「2021年10月以降もスポット価格は高水準で推移し、スポット市場からの電力調達を余儀なくされる小売電気事業者へ大きな打撃を与えることとなり、当該事業から撤退する企業や倒産する企業が続出しております。」
電力価格高騰と競争激化を背景に、小売電気事業者の撤退・倒産が「出始め」から「続出」へと記載され、業界環境の悪化が強まった。 - FY2022-Q3再掲有価証券報告書
「2021年10~12月もスポット価格は高水準で推移し、スポット市場からの電力調達を余儀なくされる一部の小売電気事業者へ大きな打撃を与えることとなり、当該事業から撤退する企業や倒産する企業が出始めています。」
電力小売市場の競争激化とスポット価格高騰を背景に、撤退企業・倒産企業が出始めている状況を引き続き記載している。 - FY2022-Q2顕在化有価証券報告書
「その中で2020年12月後半から翌年1月にかけて起きた前述の電力スポット価格高騰は、スポット市場からの電力調達を余儀なくされた一部の小売電気事業者へ大きな打撃を与えることとなり、当該事業から撤退する企業や倒産する企業が出始めています。」
電力小売市場の価格競争とスポット価格高騰を背景に、撤退企業や倒産企業が出始めたと記載され、従来の撤退可能性が実際の事象として示された。 - FY2022-Q1初出有価証券報告書
「電力小売業界では多くの小売電気事業者が参入した結果、顧客獲得に向けた価格競争は激化しており、昨年来業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。その中で2020年12月後半から翌年1月にかけて起こった前述の電力スポット価格高騰は、スポット市場からの電力調達を余儀なくされた一部小売電気事業者へ大きな打撃を与えることとなり、今後、当該事業から撤退等を行う事業者が現れる可能性も考えられます。」
小売電気事業者数が2021年3月時点で700を超え、顧客獲得競争が激化していることに加え、電力スポット価格高騰が一部事業者に打撃を与え、撤退可能性が示されている。