多額の設備投資と受注未達
FY2016に初出。14回の記載のうち4回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2019。直近の記載はFY2026-H1。
JMCがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2022年。同じテーマの他社の中央値(2021年)より1年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2024年。25社中10社が悪化側に。
直近の記載が「その他」なのは、ほかに1社。
- FY2026-H1固定費減少による回復と受注総量減少の併存有価証券報告書
「一方で品質管理体制の確立については、概ね一定程度の成果を獲得しており、2025年12月期の減損損失計上による固定費の減少も相まって、セグメント業績は回復いたしました。」
大型設備投資後の負担に関して、前期の減損損失計上による固定費減少などにより鋳造事業のセグメント業績が回復した一方、顧客プロジェクト遅延による受注総量減少と大型化対応の利益負担は残っている。 - FY2025顕在化有価証券報告書
「当社は、鋳造事業の収益悪化により当事業年度において固定資産の減損損失を1,319百万円計上した結果、重要な当期純損失1,263百万円を計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると認識しております。」
積極的な設備投資に対する受注・収益の不足が、鋳造事業の収益悪化、1,319百万円の減損損失及び巨額当期純損失として現実化した。 - FY2025-H1悪化有価証券報告書
「一方で新たな素材による試作や、大型かつ高難度の鋳造品を安定的に生産するための製造技術獲得および品質管理体制の確立に向けた取り組みでは、各工程で試行錯誤を通じたノウハウ獲得が続いており、コスト面では想定を上回るマイナスの影響が生じております。」
第8期棟等の設備投資後も、新素材・大型高難度品の製造技術と品質管理体制の確立に時間を要し、想定を上回るコスト負担が発生した。 - FY2024-H1悪化有価証券報告書
「しかしながら、受注量の減少が影響し減収となり、製造コストについても一部で当初の想定を上回り、新工場棟の操業コストを賄いきれず、減益を余儀なくされました。」
第8期棟等の新工場稼働後、受注量の減少に加えて一部の製造コストが想定を上回り、操業コストを吸収できず減益となった。設備投資後の受注未達・操業コスト負担が一段と具体化した。 - FY2024-Q1顕在化有価証券報告書
「このような環境の中、新たな生産技術「ギガキャスト(注2)」に対応する大型低圧鋳造炉と、国内最大規模の砂型鋳造による工場棟「第8期棟」(いずれも2023年12月期に導入)の稼働を開始し、今後需要の増加が見込まれる大型鋳造品を中心とした受注活動の強化に努めましたが、新工場棟の操業開始に伴うコストを賄いきれず、営業利益は減益となりました。」
第8期棟等の稼働開始に伴うコストを賄いきれず、営業利益が減益となった。積極的な設備投資後の操業コスト負担が実際の利益減少として現れた。 - FY2023再掲有価証券報告書
「当社は、生産能力増強を図るため積極的な設備投資を行っております。しかしながら、経済動向や市場動向を正確に予測することは困難であり、多額の設備投資に対して受注が想定どおりに拡大しなかった場合には、減価償却費負担が収益性を圧迫し、使用設備の除却や減損が生ずるなど」
第8期棟等への大型投資が進む一方、受注が投資に見合わない場合の減価償却・減損リスクが引き続き記載されている。 - FY2021悪化有価証券報告書
「鋳造事業においては、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした主要顧客での試作・開発案件の縮減や一時的な凍結等の影響を受け、本社経費配分後の営業損益が継続的にマイナスとなっており、減損の兆候が認められるため、減損損失の認識の要否について検討を行っております。」
設備投資に対する受注未達リスクについて、鋳造事業で本社経費配分後の営業損益が継続的にマイナスとなり、減損の兆候が認められる状態が記載された。 - FY2021-Q2対処有価証券報告書
「この結果、鋳造事業の売上高は604,970千円(前年同四半期比27.6%増)、セグメント利益は37,122千円(前年同四半期はセグメント損失109,909千円)となりました。」
鋳造事業の売上高が前年同四半期比27.6%増となり、セグメント損失109,909千円からセグメント利益37,122千円へ転じた。設備投資後の受注未達による収益圧迫には改善が見られた。 - FY2021-Q1対処有価証券報告書
「この結果、鋳造事業の売上高は312,445千円(前年同四半期比20.7%増)、セグメント利益は29,493千円(前年同四半期はセグメント損失35,178千円)となりました。」
鋳造事業では売上高が前年同四半期比20.7%増となり、前年同四半期のセグメント損失からセグメント利益へ転じた。設備投資後の受注未達による収益圧迫リスクは、少なくとも当四半期の鋳造事業では改善が見られた。 - FY2020悪化有価証券報告書
「しかしながら、経済動向や市場動向を正確に予測することは困難であり、多額の設備投資に対して受注が想定どおりに拡大しなかった場合には、減価償却費負担が収益性を圧迫し、使用設備の除却や減損が生ずるなど、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。」
大型設備投資後に顧客の開発遅延・凍結と案件減少が発生し、鋳造事業でセグメント損失を計上した。設備投資に対する受注未達リスクが年度業績に現実化した状態が続いた。 - FY2020-Q2顕在化有価証券報告書
「しかしながら、主要顧客である自動車業界を中心に試作案件の一時凍結や数量減少、納期の繰り延べなどが相次いだことで、売上高は大幅に減少し、ミーリングセンターの立ち上げコストを当初の想定通りには吸収しきれず、セグメント損失の計上を余儀なくされました。」
設備投資後の受注が想定どおりに拡大しないリスクが、自動車業界の案件減少によりミーリングセンターの立ち上げコストを吸収できず、鋳造事業のセグメント損失を計上する形で現実化した。 - FY2019顕在化有価証券報告書
「しかし、当事業年度後半から、当社の主要な取引先である自動車産業界の業績不振の影響を受け、試作・開発市場全体の案件数や案件金額が減少し、投資コストが先行したため、好調であった前事業年度と比較してセグメント利益が減少いたしました。」
積極的な設備投資に対して受注が想定どおり拡大しないリスクが、市場の案件数・金額減少と投資コスト先行による鋳造事業セグメント利益の減少として現れた。 - FY2018再掲有価証券報告書
「生産設備の設備投資の決定は極めて重要な経営判断項目であることから、当社では市場動向、競合他社動向を考慮しつつ、事業戦略及び設備投資の収益性等を総合的に勘案して、実施しております。」
積極的な設備投資に対し、市場・競合動向や投資収益性を勘案して決定するとの管理方針が継続した。 - FY2016初出有価証券報告書
「当社は、生産能力増強を図るため積極的な設備投資を行っております。しかしながら、経済動向や市場動向を正確に予測することは困難であり、多額の設備投資に対して受注が想定どおりに拡大しなかった場合には、減価償却費負担が収益性を圧迫し、使用設備の除却や減損が生じ、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。」
積極的な生産能力増強の裏側として、受注が投資に見合わない場合の固定費・減損リスクを記載している。