遺伝子組換えカイコ事業の事業化遅延・先行投資リスク
FY2016に初出。27回の記載のうち14回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2017-Q3。直近の記載はFY2024-Q1。
免疫生物研究所がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2016年。同じテーマの他社の中央値(2025年)より9年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2019年。25社中6社が悪化側に。
直近の記載が「対処」なのは、ほかに9社。
- FY2024-Q1対処有価証券報告書
「目標達成時期に目途が立たないことや当社グループが所有する、限りある資金を抗体関連事業における体外診断用医薬品原料等の開発に集中するため、遺伝子組換えカイコによる医薬品原料生産に向けた新規開発を中止することといたしました。それに伴い、セグメント損益を「抗体関連事業」に含めることといたしました。」
医薬品原料生産の目標時期が見通せないことを踏まえて新規開発を中止し、抗体関連事業へ資金を集中する対応を報告セグメントにも反映した。 - FY2023対処有価証券報告書
「目標達成時期に目途が立たないことや、当社グループが所有する、限りある資金を抗体関連事業における体外診断用医薬品原料等の開発に集中するため、遺伝子組換えカイコによる医薬品原料生産に向けた新規開発を中止することといたしました。」
医薬品原料生産の目標達成時期が見通せないことを踏まえ、新規開発を中止して抗体関連事業へ資金を集中する対応を取った。 - FY2023-Q3対処有価証券報告書
「当事業は、コストを抑制しつつ、有用なタンパク質の開発や当該タンパク質の繭中産生量の改良における基礎研究に徹しております。」
遺伝子組換えカイコ開発事業は売上高を計上していないものの、コスト抑制下で基礎研究に集中し、セグメント営業損失は前年同期比で16,258千円縮小した。 - FY2023-Q2対処有価証券報告書
「当事業は、コストを抑制しつつ、有用なタンパク質の開発や当該タンパク質の繭中産生量の改良における基礎研究に徹しております。」
遺伝子組換えカイコ開発事業はコストを抑制しながら基礎研究に集中している。売上高はないものの、営業損失は前年同期の52,616千円から40,626千円へ縮小した。 - FY2023-Q1対処有価証券報告書
「当事業は、コストを抑制しつつ、有用なタンパク質の開発や当該タンパク質の繭中産生量の改良における基礎研究に徹しております。 遺伝子組換えカイコ開発事業 - - - △18,982 +10,128 -」
遺伝子組換えカイコ開発事業はコストを抑制しながら基礎研究に集中しており、セグメント営業損失は前年同期の29,111千円から18,982千円へ縮小した。ただし売上高はなく、事業化遅延・先行投資リスクは継続している。 - FY2022-Q2対処有価証券報告書
「研究開発費については、GMP準拠による医薬品原料の生産を中止し、基礎研究に集中することにより前年度に比べ減少しております。」
GMP準拠の医薬品原料生産を中止して基礎研究へ集中したことで研究開発費が前年度より減少し、遺伝子組換えカイコ開発事業の営業損失も前年同期比で縮小した。ただし、事業化に向けたコスト課題は継続している。 - FY2022-Q1研究開発先行継続も営業損失縮小有価証券報告書
「しかしながら、当事業においては、組換えタンパク質の収量を10倍程度向上させる基礎研究を集中的に行っているため、研究開発費が先行的に発生しております。 その結果、当セグメントの売上高は11,233千円(前年同期比6.7%減)、営業損失は43,463千円(前年同期は70,127千円の営業損失)となりました。」
組換えタンパク質の収量向上研究に伴う研究開発費の先行発生は続いている。一方、営業損失は前年同期から縮小したが、売上高は6.7%減少した。 - FY2021顕在化有価証券報告書
「当社は、いままで、遺伝子組換えカイコの繭により産生されるフィブリノゲンや抗HIV抗体を開発し、医薬品原料の生産を目指し研究開発を行なってまいりましたが、いずれも生産コストの問題等により生産を断念することになりました。」
医薬品原料生産を目指したフィブリノゲンおよび抗HIV抗体について、生産コスト等を理由とする生産断念が明示された。 - FY2021-Q3対処有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は25,594千円(前年同期比16.9%増)、営業損失は192,296千円(前年同期は237,264千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は増収となり、営業損失も前年同期から縮小したため、先行投資・事業化遅延の実績負担は一部低減した。ただし、全社として検査事業、遺伝子組換えカイコ事業、化粧品関連事業は採算水準に至っていないと記載されている。 - FY2021-Q2対処有価証券報告書
「当事業においては、iPS細胞等の培養足場材として有用であるラミニン511-E8のほか各種抗体や受託等の売上が新型コロナウイルス感染症の目立った影響もなく前年同期とほぼ同等の売上を計上しております。また、当事業におきましては、バイオ医薬品開発ならびに、その製造技術の開発に注力しており、事業の重点を研究開発に置いております。その結果、当セグメントの売上高は17,575千円(前年同期比0.6%増)、営業損失は130,485千円(前年同期は145,773千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業の売上は前年同期比0.6%増とほぼ同水準を維持し、営業損失は145,773千円から130,485千円へ縮小した。一方、バイオ医薬品と製造技術の研究開発を重点とする構造は継続している。 - FY2021-Q1売上増加・営業損失縮小も研究開発重点を継続有価証券報告書
「当事業においては、iPS細胞等の培養足場材として有用であるラミニン511-E8のほか各種抗体や受託等の売上が前年同期に比べ増加しております。また、当事業におきましては、抗HIV抗体をはじめとするバイオ医薬品開発ならびに、その製造技術の開発に注力しており、事業の重点を研究開発に置いております。その結果、当セグメントの売上高は12,034千円(前年同期比97.6%増)、営業損失は70,127千円(前年同期は74,723千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は売上高が前年同期比97.6%増、営業損失は74,723千円から70,127千円へ縮小した。一方、抗HIV抗体等の研究開発を重点とする事業構造は継続している。 - FY2020悪化有価証券報告書
「GMPに準拠した規制に対応するための、設備やノウハウを十分保有しているとは言えない状況です。・製造コストの高騰が課題となっております。・遺伝子組換えカイコ事業を軌道に乗せるための開発において、現状確立されたノウハウが不十分な情況です。」
遺伝子組換えカイコ事業の事業化リスクについて、GMP対応設備・ノウハウ不足、製造コスト、事業開発ノウハウ不足が具体的に列挙された。 - FY2020-Q3悪化有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は21,890千円(前年同期比30.7%増)、営業損失は237,264千円(前年同期は166,657千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は各種抗体・受託等の売上が増加した一方、営業損失は166,657千円から237,264千円へ拡大した。医薬品製造・抗HIV抗体等の研究開発を継続する中で、事業化・先行投資負担がさらに表れている。 - FY2020-Q2悪化有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は17,473千円(前年同期比47.5%増)、営業損失は145,773千円(前年同期は100,378千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は売上高が増加した一方、営業損失が前年同期の100,378千円から145,773千円へ拡大し、研究開発先行・事業化遅延の負担が続いている。 - FY2020-Q1悪化有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は6,090千円(前年同期比56.6%増)、営業損失は74,723千円(前年同期は48,136千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は売上高が増加した一方、営業損失が前年同期の48,136千円から74,723千円へ拡大し、事業化・先行投資負担が続いている。 - FY2019悪化有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は30,606千円(前年同期比40.1%増)、営業損失は247,914千円(前年同期は179,240千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は売上高が増加した一方、営業損失が179,240千円から247,914千円へ拡大し、先行投資・事業化遅延の負担が悪化した。 - FY2019-Q3悪化有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は16,754千円(前年同期比55.4%増)、営業損失は166,657千円(前年同期は131,027千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は売上高が前年同期比55.4%増となった一方、営業損失は131,027千円から166,657千円へ拡大した。事業化・先行投資リスクの影響が続き、損失面では悪化している。 - FY2019-Q2悪化有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は11,848千円(前年同期比43.3%増)、営業損失は100,378千円(前年同期は86,239千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は売上高が増加した一方、営業損失が前年同期の86,239千円から100,378千円へ拡大した。医薬品製造に向けた研究開発・事業化の先行負担が続いている。 - FY2019-Q1悪化有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は3,890千円(前年同期比41.0%減)、営業損失は48,136千円(前年同期は44,728千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は売上高が前年同期比41.0%減となり、営業損失も44,728千円から48,136千円へ拡大した。事業化・先行投資リスクの影響が続いている。 - FY2018悪化有価証券報告書
「当期の売上につきましては大手体外診断用医薬品企業へ診断薬原料抗体の売上が計上されましたが、共同研究契約先からの契約金収入などの計上がなかったこと等により、前年同期に比べ大幅に減少しております。その結果、当セグメントの売上高は21,844千円(前年同期比69.6%減)、営業損失は179,240千円(前年同期は1,239,697千円の営業損失)となりました。」
営業損失は縮小した一方、共同研究契約金収入がなく、遺伝子組換えカイコ事業の売上高は前年同期比69.6%減となった。加えて、フィブリノゲンの商業生産断念が記載され、事業化遅延・先行投資リスクが続いている。 - FY2018-Q3悪化有価証券報告書
「当事業においては、大手体外診断用医薬品企業へ診断薬原料抗体の売上が計上されましたが、共同研究契約先からの契約金収入などの計上がなかったため、前年同期に比べ大幅に減少しております。その結果、当セグメントの売上高は10,779千円(前年同期比80.4%減)、営業損失は131,027千円(前年同期は209,906千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は契約金収入がなく、売上高が前年同期比80.4%減少した。営業損失は前年同期より縮小したものの、事業化に伴う収入の弱さが続いている。 - FY2018-Q2悪化有価証券報告書
「当事業においては、大手体外診断用医薬品企業へ診断薬原料抗体の売上が計上されましたが、共同研究契約先からの契約金収入などの計上がなかったため、前年同期に比べ大幅に減少しております。その結果、当セグメントの売上高は8,269千円(前年同期比83.6%減)、営業損失は86,239千円(前年同期は115,372千円の営業損失)となりました。」
営業損失は前年同期より縮小した一方、共同研究契約先からの契約金収入がなく、売上高が83.6%減少している。事業化の進展を示す収入が弱く、事業化遅延リスクの影響が続いている。 - FY2018-Q1悪化有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は6,596千円(前年同期比25.2%増)、営業損失は44,728千円(前年同期は42,024千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業は売上高が増加した一方、営業損失が42,024千円から44,728千円へ拡大し、先行投資・事業化リスクの影響が続いている。 - FY2017悪化有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は71,809千円(前年同期比6.5%増)となりました。営業損益につきましては、フィブリノゲンやHIV治療薬をはじめ医薬品原料シーズの研究開発項目の増加等により、研究開発拠点としての意味合いが増加したため、当期末において、同施設で資産計上していた設備等を研究開発費として941,704千円一括計上した結果、営業損失は1,239,697千円(前年同期は142,444千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業の営業損失が142,444千円から1,239,697千円へ拡大し、研究開発費の先行・事業化遅延リスクの影響がさらに大きく表れた。 - FY2017-Q3悪化有価証券報告書
「その結果、当セグメントの売上高は54,956千円(前年同期比2.5%増)、営業損失は209,906千円(前年同期は104,330千円の営業損失)となりました。」
遺伝子組換えカイコ事業の営業損失が前年同期の104,330千円から209,906千円へ拡大し、先行投資・事業化リスクの実績影響がさらに大きく表れている。 - FY2017-Q1顕在化有価証券報告書
「当事業において、大手動物医薬品企業及び大手体外診断用医薬品企業との共同研究は、順調に継続して進行しておりますが、売上高につきましては、候補タンパク質の販売が少量にとどまりました。」
共同研究は継続しているものの、候補タンパク質の販売が少量にとどまり、遺伝子組換えカイコ事業の売上減少・セグメント赤字として事業化遅延・先行投資リスクの一部が表面化している。 - FY2016初出有価証券報告書
「遺伝子組換えカイコ事業を軌道に乗せるためには相応の事業開発のノウハウが必要でありますが、現状当社にはこのようなノウハウが十分存在するとは言えません。さらに、新設事業では研究開発費が先行することが想定されますので、本事業に係る事業化の遅れは業績を悪化させるおそれがあります。」
事業開発ノウハウ不足、研究開発費の先行、事業化遅延による業績悪化の可能性を挙げている。