買収効果未実現・取得資産価値下落リスク
FY2016に初出。15回の記載のうち4回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2017-Q2。直近の記載はFY2026。
武田薬品工業がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2018年。同じテーマの他社の中央値(2021年)より3年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2020年。83社中28社が悪化側に。
直近の記載が「顕在化」なのは、ほかに27社。
- FY2026顕在化有価証券報告書
「将来の売上予測の低下により計上した非小細胞肺がん治療剤アルンブリグに係る減損損失319億円」
買収で取得したオンコロジー資産について、アルンブリグの将来売上予測低下に伴う319億円の減損損失が発生し、取得資産価値下落リスクが現実化した。 - FY2023対処有価証券報告書
「2023年2月、当社は、Lakshmi社の全株式および乾癬や炎症性腸疾患、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデスを含む複数の免疫介在性疾患において、ベスト・イン・クラスの有効性および安全性ならびに利便性を示す可能性を有する「TAK-279」の取得を完了しました。」
Nimbus社買収について、全株式の取得完了により買収のクロージング条件に関する不確実性が低減した。一方、TAK-279の開発・承認・売上に関する買収後の実現リスクは残る。 - FY2023-Q3新規買収の完了条件追加有価証券報告書
「本取引は、当年度(2023年3月期)末までに完了する見込みですが、米国で1976年に制定された改正Hart-Scott-Rodino(HSR)反トラスト法を含む独占禁止法上の審査が完了することを条件としています。」
Nimbus社買収について、2023年3月期末までの完了見込みと、HSR法を含む独占禁止法上の審査完了を条件とする取引固有の事項が示された。 - FY2022対処有価証券報告書
「減損テストの結果、2021年3月期および2022年3月期において、当社グループはのれんの減損損失を計上しておりません。」
買収に伴うのれんについて、2022年3月期の減損テストで減損損失を計上せず、回収可能価額が帳簿価額を上回ったと開示した。 - FY2022-Q2減損兆候の検討有価証券報告書
「当第2四半期末以降の株価下落により、当社株式の時価総額は当社グループの単一の資金生成単位の帳簿価額を下回りましたが、本報告書の提出日までにのれんの減損の兆候は存在しないと判断しております。」
株価下落により時価総額が単一の資金生成単位の帳簿価額を下回った一方、提出日までにのれんの減損兆候はないとの判断を開示した。 - FY2020顕在化有価証券報告書
「減損損失は347億円増加の433億円となりました。この減損損失の増加は、2019年5月の中間解析結果を受けTAK-616 AMRプログラムの開発中止を決定したことに伴い計上した減損損失156億円、およびTAK-607の治験デザイン変更に伴い計上した減損損失109億円を含む、一部の上市後製品および開発中の製品に係る減損損失を計上したことによるものです。」
買収等で取得した製品・開発資産について、TAK-616の開発中止156億円、TAK-607の治験デザイン変更109億円を含む通期433億円の減損損失が発生した。 - FY2020-Q1顕在化有価証券報告書
「この増加は、Shire社買収に伴い取得した無形資産の償却費1,091億円および2019年5月の中間解析結果を受けSHP616 AMRプログラムの開発中止を決定したことに伴い計上した減損損失156億円によるものです。」
Shire社買収に伴い取得したSHP616 AMRプログラムについて、開発中止と156億円の減損損失が発生し、取得資産価値の下落リスクが具体化した。 - FY2019悪化有価証券報告書
「Shire社との統合後の事業において、買収により取得した製品(開発中のパイプラインを含みます。)から得られる成長機会もしくは統合によるコスト削減等のシナジー効果等の買収の効果が当初の想定通りに実現されない場合、または、Shire社との統合プロセスやShire社の事業から生じる法規制および税制上のリスク等を適切に管理できない場合には、Shire社買収に伴い計上した多額ののれんおよび無形資産等の減損損失の計上により、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。」
買収完了によりクロージング不確実性は低下した一方、Shire社統合、シナジー実現、のれん・無形資産の減損、規制・税務対応という買収後リスクが大規模かつ具体的に示された。 - FY2019-Q3対処有価証券報告書
「当社グループは、2019年1月8日、Shire plc(以下、「Shire社」)の発行済普通株式の全てを取得し、100%の議決権を取得しました。」
Shire社買収について、株主・裁判所・規制当局の承認やクロージング条件を含む完了不確実性は、2019年1月8日の100%取得により解消された。買収後の統合・効果実現に関する不確実性は別途残る形で記載されている。 - FY2018悪化有価証券報告書
「本件買収は、シャイアー社株主および当社株主の承認、ならびにジャージー裁判所の認可および規制当局の承認を含む一定の事項を条件とするものであり、これらの条件が満たされない場合には、本件買収が当社の想定どおりに完了しない可能性があります。」
Shire社買収提案に伴い、株主承認、裁判所認可、規制当局承認、ブレークフィー、追加的な資金調達負担など、取引規模の大きい案件に固有のリスクが新たに具体化した。 - FY2018-Q3取引固有リスクの追加有価証券報告書
「リスクと不確実性には、取引に必要な承認が適時に得られないこと、クロージング条件が満たされないこと、競合製品の出現と開発、関連法規、製品開発計画の成功または失敗、規制当局による対応とその時期、為替変動、市場で販売された製品または開発途中の製品の安全性または有効性に関するクレームまたは懸念等が含まれますがこれらに限られません。」
TiGenix社買収に関連し、必要な承認、クロージング条件、競合、規制対応、開発計画、為替、安全性・有効性に関する取引固有のリスクを明示した。 - FY2018-Q2対処有価証券報告書
「減損損失は、前年同期において痛風治療剤「コルクリス」にかかる減損損失140億円を計上した一方、当期において「コルクリス」の販売見通し改善により減損損失の戻入を98億円計上したことなどにより、300億円の減少となりました。」
コルクリスについて販売見通しの改善により減損損失の戻入を計上し、取得資産価値の下落として顕在化していたリスクに低減の動きが示された。 - FY2017-Q3取引固有リスクの具体化有価証券報告書
「本買収により期待されるベネフィットが実現できない、または期待された期間内に実現できない可能性を含めた、本買収により想定されるベネフィットを実現する能力に関するリスク;事業が成功裏に統合されないリスク;本取引による混乱から取引関係やオペレーション関係を維持することがより困難となるリスク」
ARIAD社買収に関連して、クロージング条件、期待効果の実現、統合、取引関係や業務運営への影響に関する取引固有のリスクを明示した。 - FY2017-Q2顕在化有価証券報告書
「なお、減損損失の主な内容は、痛風治療剤「コルクリス」について当初想定されていた収益性が見込めなくなったことによるものです。」
コルクリスについて想定収益性の低下に伴う減損損失が発生し、取得資産・事業価値の下落リスクが実現した。 - FY2016初出有価証券報告書
「当社は、持続的な成長のためにグローバルに事業展開し、その手段として企業買収も実施しております。世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商慣習の相違その他のリスクに直面する可能性があり、その結果当初想定した買収効果や利益が実現されない可能性があります。」
買収後の事業活動、投資資産、のれん等に関する不確実性を挙げている。