各国の薬剤費抑制策による価格引き下げ
FY2016に初出。11回の記載のうち6回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2019-Q3。直近の記載はFY2026-H1。
武田薬品工業がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2018年。同じテーマの他社の中央値(2020年)より2年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2018年。65社中20社が悪化側に。
直近の記載が「顕在化」なのは、ほかに17社。
- FY2026-H1顕在化有価証券報告書
「GAMMAGARD LIQUIDについては、米国におけるメディケア・パートDの再設計および340Bプログラムの拡大による影響を受けました。」
米国のメディケア・パートD再設計および340Bプログラム拡大が、GAMMAGARD LIQUIDの売上に影響したと開示した。薬剤費抑制策の影響が個別製品の業績に現れた。 - FY2025悪化有価証券報告書
「また、2025年5月には、米国の処方薬価格を、選定された「同等に発展した国々」での最も低い価格に連動させる価格設定メカニズムである「最恵国待遇(MFN)」価格の導入に関する大統領令が発出されました。」
従来のIRA、各国の薬価抑制策に加え、米国のMFN価格導入に関する大統領令を新たな価格引き下げ圧力として記載した。 - FY2024悪化有価証券報告書
「最大市場である米国では、医薬品価格を下げるための医療計画や仲介機関による取り組みに加え、継続的な法令および規制の制定により先発品への価格引き下げ圧力が一層高まっています。2022年には、米国議会において、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act:IRA)が可決されました。」
米国のIRAによる薬価上昇ペナルティ、メディケア受給者の自己負担上限、2026年からの連邦政府による価格設定権限を含め、薬剤費抑制策と価格引き下げ圧力の範囲を具体化した。 - FY2023-Q1顕在化有価証券報告書
「「タケキャブ/VOCINTI」の売上は、日本において2022年4月に適用された市場拡大再算定による減収影響があったものの、逆流性食道炎や低用量アスピリン投与時における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発抑制等の効能を中心として、主に日本において新規処方が拡大したことにより、前年同期から34億円増収(+13.9%)の276億円となりました。」
日本で2022年4月に市場拡大再算定が適用され、タケキャブ/VOCINTIの売上に減収影響が発生した。新規処方の拡大により全体では増収となっている。 - FY2022再掲有価証券報告書
「日本においては、政府による一層の後発品の使用促進に加え、医療保険制度における多くの製品の公定薬価が、毎年引き下げられております。」
日本の毎年の薬価引下げ、米国・欧州の価格抑制策および価値に基づく価格設定モデルの追求を、引き続き価格圧力への対応として示している。 - FY2021-Q1悪化有価証券報告書
「ジェネリック医薬品事業の一部および製造拠点の売却を決定したことに伴う、関連資産の回収可能価額の見直しにより認識した減損損失に対する当社グループ持分10,124百万円が含まれております。」
武田テバファーマにおいて、ジェネリック事業・製造拠点の売却決定に伴う資産価値の見直しと、当社持分101億2,400万円の減損が発生した。 - FY2020悪化有価証券報告書
「日本においては、政府による一層の後発品の使用促進に加え、医療保険制度における多くの製品の公定薬価が、2021年より毎年引き下げられることが計画されております。」
日本の薬価引下げについて、2021年から毎年実施される計画を明記し、価格引下げリスクを具体化した。 - FY2019悪化有価証券報告書
「2018年3月期および2019年3月期において、武田テバ薬品を含めた武田テバファーマの当期損失には、日本における薬価制度改革や事業環境の変化に伴い計上された減損損失がそれぞれ104,753百万円、117,890百万円が含まれており、当社グループの持分相当はそれぞれ35,725百万円、50,183百万円であります。」
薬価制度改革等に伴う武田テバファーマの減損について、当社持分相当が50,183百万円となり、前年度の35,725百万円から拡大した。 - FY2019-Q3悪化有価証券報告書
「当第3四半期累計の持分法による投資損益には、長期収載品事業およびジェネリック医薬品事業を営む武田テバファーマ株式会社(その子会社である武田テバ薬品株式会社を含む)において、薬価改定等の事業環境の変化に伴い計上された減損損失に対する当社グループ持分49,412百万円が含まれております。」
薬価改定等の事業環境変化に伴う武田テバファーマ関連の減損損失について、当社グループ持分49,412百万円が計上された。薬剤費抑制・価格圧力の影響が前回開示より大きい金額で顕在化した。 - FY2018-Q3顕在化有価証券報告書
「当第3四半期累計の持分法による投資損益には、長期収載品事業およびジェネリック医薬品事業を営む武田テバファーマ株式会社(その子会社である武田テバ薬品株式会社を含む)において、日本における2018年の薬価制度改革や事業環境の変化に伴い計上された減損損失に対する当社グループ持分35,725百万円が含まれております。」
2018年の薬価制度改革および事業環境の変化に伴う資産評価見直しにより、武田テバファーマ関連の減損損失について当社持分35,725百万円が計上された。薬剤費抑制・薬価引下げのリスクが損失として現れた。 - FY2016初出有価証券報告書
「日本においては、医療保険制度の薬価が、現在は2年に1度引き下げられていますが、今後、毎年の改定となるリスクもあります。また、長期収載品の価格引下げ幅が、拡大しています。」
米国、欧州、日本における後発品促進、薬価改定、ブランド薬への価格圧力を記載している。