研究開発の長期化・実用化失敗・上市遅延リスク
FY2016に初出。16回の記載のうち12回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2018-Q1。直近の記載はFY2024。
住友化学がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2017年。同じテーマの他社の中央値(2020年)より3年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2022年。43社中22社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに4社。
- FY2024悪化有価証券報告書
「③ウロタロント(開発コード:SEP-363856)について、2023年7月、米国において、統合失調症を対象として実施していた2本のフェーズ3試験の解析結果を得ましたが、いずれの試験においても主要評価項目を達成することができませんでした。」
ウロタロントの第3相試験2本の主要評価項目未達に加え、SEP-4199、EPI-589、rodatristat ethylでも開発中止が記載され、研究開発リスクの顕在化が広がった。 - FY2024-Q3顕在化有価証券報告書
「また、2023年7月、米国において、大塚製薬株式会社と共同で開発中のウロタロント塩酸塩(開発コード:SEP-363856)の急性期の統合失調症患者を対象とした2本のフェーズ3試験のいずれにおいても主要評価項目を達成しなかったという解析結果の速報を得ました。更に詳細なデータ解析を続けており、統合失調症の今後の開発方針は大塚製薬株式会社と検討中であります。2023年10月、米国および日本において、大塚製薬株式会社と共同で開発中のSEP-4199(開発コード)の双極Ⅰ型障害うつを対象としたフェーズ3試験において被験者登録の進捗の大幅な遅れにより試験の中止を決定しました。」
共同開発品ulotarontの2本の第3相試験で主要評価項目未達となり、さらにSEP-4199の第3相試験も被験者登録の大幅な遅れにより中止された。 - FY2024-Q2顕在化有価証券報告書
「また、2023年7月、米国において、大塚製薬株式会社と共同で開発中のulotaront(開発コード:SEP-363856)の急性期の統合失調症患者を対象とした2本のフェーズ3試験のいずれにおいても主要評価項目を達成しなかったという解析結果の速報を得ました。」
大塚製薬との共同開発品ulotarontについて、米国の2本の第3相試験で主要評価項目を達成しなかったとの解析結果が得られ、研究開発の実用化リスクが新たに顕在化した。 - FY2023顕在化有価証券報告書
「DSP-7888自体の開発を中止しました。③TP-0903(一般名:dubermatinib)について、米国において、外部研究機関が急性骨髄性白血病(AML)を対象としたフェーズ1/2試験を実施していましたが、期待した有効性が認められなかったことにより試験を中止しました。さらに本剤の開発方針を検討した結果、TP-0903の開発自体を中止しました。」
DSP-7888およびTP-0903について、試験中止・開発中止が明示され、研究開発の実用化・継続リスクがさらに顕在化した。関連してdubermatinibの仕掛研究開発206億円の減損も計上された。 - FY2023-Q3顕在化有価証券報告書
「収益予測の見直しに伴い収益性が見込めなくなったキンモビに係る特許権等について、帳簿価額全額を減損しております。」
医薬品の収益予測見直しにより、キンモビの特許権等の収益性が見込めなくなり、研究開発・製品化に関連する資産の減損としてリスクが顕在化した。 - FY2022顕在化有価証券報告書
「DSP-7888(一般名:アデグラモチド酢酸塩/ネラチモチドトリフルオロ酢酸塩)について、米国および日本において、再発または進行性膠芽腫を対象としたフェーズ3試験を実施していましたが、中間解析の結果を受け、最終解析で主要評価項目を達成する可能性が低いと判断し、本試験を中止しました。」
新たにDSP-7888の第3相試験中止が記載された。研究開発リスクは、試験中止のほか、2型糖尿病管理アプリの第3相試験で主要評価項目未達・開発中止としても顕在化した。 - FY2020顕在化有価証券報告書
「ナパブカシン(開発コード:BBI608)について、米国、日本等において、結腸直腸がんおよび膵がんを対象とした併用での国際共同フェーズ3試験を実施していましたが、膵がんを対象とした試験は、2019年7月、独立データモニタリング委員会(DSMB)から中間解析の結果が無益性基準に該当したことによる試験中止の勧告を受け、中止しました。」
ナパブカシン膵がん試験の中止、SB623の北米共同開発中止、alvocidib等の開発計画見直しに伴い、研究開発関連の減損損失が計上された。 - FY2020-Q3顕在化有価証券報告書
「2019年7月、膵がん(併用)を対象としたナパブカシンの国際共同フェーズ3試験について、独立データモニタリング委員会より、中間解析の結果が無益性基準へ該当したことによる試験中止の勧告を受け、中止することとしました。」
ナパブカシンの膵がん対象国際共同第3相試験を中止し、alvocidib、amcasertib、SB623などの仕掛研究開発について合計226億8,200万円の減損損失を計上した。研究開発の実用化・継続リスクが試験中止と減損としてさらに顕在化した。 - FY2020-Q2顕在化有価証券報告書
「2019年7月、膵がん(併用)を対象としたナパブカシンの国際共同フェーズ3試験について、独立データモニタリング委員会より、中間解析の結果が無益性基準へ該当したことによる試験中止の勧告を受け、中止することとしました。 当第2四半期連結累計期間において、19,335百万円の減損損失を計上しております。事業計画の見直しに伴い収益性が低下した仕掛研究開発について、帳簿価額を回収可能価額8,634百万円まで減額しました。また、開発中止により収益性が見込めなくなった仕掛研究開発について、帳簿価額全額を減額しました。」
ナパブカシンの膵がん対象第3相試験を中止し、開発中止等に伴う仕掛研究開発の減損損失193億3,500万円を計上した。研究開発の実用化・継続リスクが新たな試験中止と減損として顕在化した。 - FY2020-Q1顕在化有価証券報告書
「なお、医薬品部門で、2019年7月、膵がん(併用)を対象としたナパブカシンの国際共同フェーズ3試験について、独立データモニタリング委員会より、中間解析の結果が無益性基準へ該当したことによる試験中止の勧告を受け、中止することとしました。」
ナパブカシンの膵がん対象国際共同第3相試験について、無益性基準該当を理由とする試験中止勧告を受け、試験中止を決定した。研究開発の実用化・開発継続リスクが新たな試験中止として顕在化した。 - FY2019顕在化有価証券報告書
「SB623について、米国における慢性期脳梗塞を対象として実施したフェーズ2b試験において、主要評価項目を達成できませんでした。現在、本試験の詳細解析を実施しており、その結果を踏まえてサンバイオ社とともに今後の開発方針を決定する予定です。」
研究開発の実用化・開発継続リスクが、SB623の第2b相試験で主要評価項目を達成できなかった事象として新たに顕在化した。また、開発化合物に係る仕掛研究開発19,080百万円の減損損失も計上された。 - FY2018顕在化有価証券報告書
「一方、胃または食道胃接合部腺がんを対象とした同剤の国際共同フェーズ3試験については、中間解析が実施され、独立データモニタリング委員会による、主要評価項目を達成できる見込みが低いとの判断に基づく勧告を受け入れ、2017年6月、盲検の解除を決定し、事実上、同試験を中止しました。」
ナパブカシンの国際共同第3相試験について、主要評価項目の達成見込みが低いとの判断を受け、事実上の中止に至ったことが年次報告書で明示された。 - FY2018-Q3再掲有価証券報告書
「当社子会社の大日本住友製薬株式会社において、胃または食道胃接合部腺がん(併用)を対象としたナパブカシンの国際共同フェーズ3試験について、中間解析が実施され、主要評価項目を達成できる見込みが低いとの判断による独立データモニタリング委員会の勧告を受け入れ、昨年6月に本試験の盲検の解除を決定した。」
ナパブカシンの国際共同フェーズ3試験について、主要評価項目の達成見込みが低いとの判断と盲検解除の決定が再掲された。 - FY2018-Q2再掲有価証券報告書
「当社子会社の大日本住友製薬株式会社において、胃または食道胃接合部腺がん(併用)を対象としたナパブカシンの国際共同フェーズ3試験について、中間解析が実施され、主要評価項目を達成できる見込みが低いとの判断による独立データモニタリング委員会の勧告を受け入れ、本年6月に本試験の盲検の解除を決定した。」
ナパブカシンの国際共同フェーズ3試験について、主要評価項目の達成見込みが低いとの判断と盲検解除の決定が再掲された。 - FY2018-Q1顕在化有価証券報告書
「当社子会社の大日本住友製薬株式会社において、胃または食道胃接合部腺がん(併用)を対象としたナパブカシンの国際共同フェーズ3試験について、中間解析が実施され、主要評価項目を達成できる見込みが低いとの判断による独立データモニタリング委員会の勧告を受け入れ、本年6月に本試験の盲検の解除を決定した。」
ナパブカシンの国際共同フェーズ3試験で、主要評価項目の達成見込みが低いとの勧告を受け入れ、盲検解除を決定した。研究開発の実用化・開発継続に関するリスクが具体的な試験事象として現れた。 - FY2016初出有価証券報告書
「当社グループの研究開発は、次世代事業の創生のための探索研究を含んでいるため研究開発期間が長期間に亘る場合があり、また、研究開発テーマが実用化されず、新製品の開発が著しく遅延または断念される場合には、競争力が低下し、当社グループの経営成績ならびに財政状況に悪影響を及ぼす可能性がある。」
次世代事業への探索研究を拡大する一方、長期化・実用化失敗・開発断念をリスクとして記載した。