買収・戦略的事業提携・ライセンス事業の成否
FY2018に初出。18回の記載のうち6回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2020-Q3。直近の記載は2026-05-14。
ワコールホールディングスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2024年。同じテーマの他社とほぼ同じ時期。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2024年。89社中36社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに25社。
- FY2024悪化有価証券報告書
「今後の事業展開について様々な可能性を検討してまいりましたが、業績の改善を図ることは困難であると判断し、IO社の「LIVELY」事業の撤退と会社清算を決定しました。」
買収後の事業モデル・収益化リスクが、業績改善困難との判断、事業撤退、会社清算、のれん減損として顕在化した。 - FY2024-Q3悪化有価証券報告書
「また、ワコールインターナショナル(米国)に係るのれんについて、減損損失6,476百万円を計上しております。これは、Intimates Online, Inc.のLIVELY事業から撤退し、同社を清算することを決定したことが要因となっております。」
M&A後の事業統合・収益化リスクが、IO社のLIVELY事業撤退・会社清算の決定と、のれん減損64億76百万円の計上としてさらに顕在化した。 - FY2024-Q2悪化有価証券報告書
「このような状況の下、今後の事業展開について様々な可能性を検討してまいりましたが、業績の改善を図ることは困難であると判断し、IO社の「LIVELY」事業の撤退と会社清算を決定しました。」
IO社買収後の収益化リスクが、業績改善困難との判断、LIVELY事業撤退、会社清算の決定として具体化した。 - FY2024-Q1対処有価証券報告書
「IO社については、前年同期は成長に向けて積極的な販促投資を行ったものの販促効率が低迷し損失が拡大しましたが、当第1四半期連結累計期間は収益性の改善を優先し、販促投資を抑制した結果、訪問客数が低下し減収となりました。」
IO社では販促投資を抑制して収益性改善を優先し、赤字幅縮小に寄与した。一方、訪問客数低下と減収も生じており、買収後の成長・収益化課題が解消したとの記載ではない。 - FY2023-Q3悪化有価証券報告書
「しかしながら、デジタルマーケティングに関するプライバシー規制の強化や足元の個人消費の減速など外部環境の変化を踏まえ、ワコールインターナショナル(米国)の回収可能価額を再評価した結果、101億9百万円の減損損失を計上するに至りました。」
IO社買収を含む米国事業について、プライバシー規制強化と個人消費減速を受けて回収可能価額を再評価し、のれん・無形資産等の減損損失101億9百万円を計上した。買収・統合後の収益化リスクが大きく顕在化した。 - FY2023-Q1悪化有価証券報告書
「また、「LIVELY」ブランドを展開するIntimates Online, Inc.(以下、IO社)は、新規顧客の獲得に向けてメディアミックスの見直し等を試みたものの成果につながらず、大幅な減収となりました。」
買収後のIO社について、新規顧客獲得施策が成果につながらず大幅な減収となり、中国ワコールとともに赤字計上要因となった。海外事業全体の営業利益も前年同期比33.6%減少した。 - FY2022米国事業黒字化とIO社赤字拡大が併存有価証券報告書
「米国ワコールは増収効果により大幅な増益となりましたが、IO社は販売チャネル別の売上構成比の変化や、在庫適正化に向けた取り組みの強化などの影響で、赤字幅が拡大しました。」
買収後の米国事業全体は営業黒字へ転換した一方、IO社は赤字幅が拡大し、買収後の収益化状況に両面が示された。 - FY2022-Q3対処有価証券報告書
「現地通貨ベースの営業利益は、増収効果から4.3百万ドル(邦貨換算ベース4億80百万円)となりました(前年同期は営業損失9.9百万ドル(邦貨換算ベース10億51百万円))。なお、当第3四半期連結会計期間の営業損益は、自社ECの成長に向けた戦略的な投資に加え、運送費の高騰や、販売チャネル別の売上構成比の変化などから、営業損失となっております。」
IO社を含む米国事業は累計で前年同期の営業損失9.9百万ドルから4.3百万ドルの営業利益へ転換し、買収後の収益化リスクは累計ベースで低減した。一方、第3四半期会計期間は成長投資等により営業損失となった。 - FY2022-Q1対処有価証券報告書
「現地通貨ベースの営業利益は、自社ECに関連した成長投資が増加したものの、増収効果に加え、売上利益率の改善も寄与したことから、10.0百万ドル(邦貨換算ベース10億99百万円)の営業黒字となりました(前年同期は営業損失7.8百万ドル(邦貨換算ベース8億37百万円))。」
IO社を含む米国事業は前年同期の営業損失から黒字へ転換し、買収後の収益化に関するリスクは当四半期において低減した。ただし、EC関連の成長投資は継続している。 - FY2021-Q3顕在化有価証券報告書
「現地通貨ベースの営業損益は、経費削減や、政府の支援策の活用があったものの、減収影響に加え、「IO社」が展開する「LIVELY」ブランドに対して戦略的な成長投資を継続した結果、9.9百万ドル(邦貨換算ベース10億51百万円)の営業損失(前年同期:4.4百万ドルの営業利益)となりました。」
IO社買収後のLIVELYへの成長投資が継続する一方、米国事業の第3四半期累計営業損失は9.9百万ドルとなり、買収後の収益化リスクが続いている。 - FY2021-Q2顕在化有価証券報告書
「現地通貨ベースの営業損益は、政府の支援策を活用しつつ、経費削減に努めましたが、減収影響に加え、「IO社」が展開する「LIVELY」ブランドに対する戦略的な成長投資を継続した結果、8.6百万ドル(邦貨換算ベース9億15百万円)の営業損失となりました。」
IO社買収後、LIVELYへの戦略的成長投資を継続する一方、ワコールインターナショナル(米国)は8.6百万ドルの営業損失となり、買収・統合後の収益化リスクが継続して実績に現れた。 - FY2021-Q1顕在化有価証券報告書
「「IO社」が展開するDNVB「LIVELY」は、積極的な広告投下が奏功し、感染症の環境下においても高い成長を維持しました。現地通貨ベースの営業損益は、「LIVELY」ブランドへの戦略的な成長投資によって「IO社」が4.3百万ドルの営業損失となったことに加え、米国ワコールの減収影響もあり、7.8百万ドルの営業損失となりました。」
IO社買収後、LIVELYの成長維持と積極投資が示される一方、IO社は430万ドルの営業損失となり、買収・統合に伴う収益化リスクが継続して実績に現れた。 - FY2020顕在化有価証券報告書
「「IO社」の営業損失11.5百万ドル(約12.5億円)の取り込みや、買収に係る一時的な費用計上が影響し、大幅な減益となりました。」
IO社買収後、営業損失11.5百万ドルと買収関連一時費用が実際に発生し、ワコールインターナショナル(米国)の減益要因となった。 - FY2020-Q3顕在化有価証券報告書
「「IO社」の営業損失(6.5億円)の取り込みや、買収に係る一時的な費用計上が影響しました。」
IO社買収後、IO社の営業損失6.5億円と買収関連の一時費用が海外事業の大幅減益要因となり、買収の成果・統合に関するリスクが実績に現れた。 - FY2020-Q2IO社買収に伴う業績連動の条件付取得対価を具体化有価証券報告書
「IO社の2023年3月期までの業績達成度(純売上高など)に応じて、現金を4年間に亘り交付します。業績達成度に応じた交付額の総額は、20百万米ドルを下限、55百万米ドルを上限として変動します。」
IO社買収について、2023年3月期までの業績に連動する条件付取得対価を導入し、20百万米ドルから55百万米ドルの変動幅を開示した。 - FY2018初出有価証券報告書
「当社グループが実施した、あるいは今後実施する買収又はその他戦略的事業提携、ライセンスビジネス等は、景気動向の悪化等による対象会社、パートナーの業績不振、経営統合や業務提携の不成功、シナジー効果やビジネスモデル等が十分な成果を創出できない等により、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。」
M&A・提携を成長手段として追求する一方、統合失敗、シナジー不足、対象会社の業績不振、のれん減損の可能性を記載している。