住宅着工・不動産住宅市場の動向への警戒
FY2016-Q2に初出。13回の記載のうち4回が「再定義」で、最初の「再定義」はFY2018。直近の記載はFY2025。
JPMCがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2018年。同じテーマの他社の中央値(2021年)より3年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2020年。50社中35社が悪化側に。
直近の記載が「再定義」なのは、ほかに3社。
- FY2025再定義有価証券報告書
「賃貸住宅マーケットにおいては相続税対策等を背景とした新築供給が一定程度継続していますが、資材価格や金利の上昇等といった不透明な経済情勢下において、賃貸物件の新築による市場成長余地は限定的であると認識しています。また、環境負荷の観点からも、既存物件の再生によるリユースエコノミーの重要性が今後一層高まると想定しています。」
住宅着工の増減そのものではなく、新築供給が継続する一方で新築による市場成長余地は限定的と整理し、既存物件の再生・リユースの重要性を前面に出している。 - FY2024顕在化有価証券報告書
「賃貸住宅業界においては、新設住宅着工戸数(貸家)が2年連続で減少となりました(※)。」
貸家の新設住宅着工戸数が2年連続で減少し、2024年は342,044戸となった。住宅市場の悪化が実績として継続している。 - FY2023顕在化有価証券報告書
「賃貸住宅業界においては、新設住宅着工戸数(貸家)が3年ぶりに減少となりました(※)。」
貸家の新設住宅着工戸数が3年ぶりに減少し、2023年は343,894戸となった。前年度までの増加基調から、住宅市場の悪化が実績として現れている。 - FY2022再掲有価証券報告書
「賃貸住宅業界においては、新設住宅着工戸数(貸家)が2年連続の増加となりました(※)。賃貸マンションの供給過多に起因する空室率の高さが社会問題化する中で、これまでマーケットの成長を牽引してきた賃貸住宅メーカーによる建築に依拠したビジネスモデルの成長ポテンシャルは限定的であり、今後は既存の物件の収益性をいかに高めていくかという点が社会的なテーマになると考えております。」
貸家の新設着工は2年連続で増加したとする一方、供給過多・空室率を背景に既存物件の収益性向上を重視する見方を継続している。 - FY2021再定義有価証券報告書
「賃貸住宅業界においては、新設住宅着工戸数(貸家)が4年ぶりに増加に転じました(※)。賃貸マンションの供給過多に起因する空室率の高さが社会問題化する中で、これまでマーケットの成長を牽引してきた賃貸住宅メーカーによる建築に依拠したビジネスモデルの成長ポテンシャルは限定的であり、今後は既存の物件の収益性をいかに高めていくかという点が社会的なテーマになると考えております。」
貸家の新設着工は改善した一方、供給過多・空室率の高さを背景に、既存物件の収益性向上が社会的テーマとして示されている。 - FY2019再定義有価証券報告書
「また、賃貸物件間での入居者の獲得競争が激化して家賃相場が全体的に下落した場合、当社グループが一括借上適用物件の入居者から受け取る「集金賃料」が減少する可能性があります。」
住宅需給の悪化が受託物件数やローン顧客の返済能力だけでなく、入居者獲得競争・家賃相場・集金賃料にも波及するリスクとして具体化されている。 - FY2018再定義有価証券報告書
「今後、賃貸住宅の需給関係が悪化した場合、不動産オーナーの賃貸住宅に対する投資意欲が減退し、新築工事が減少することにより、当社グループの一括借上適用物件の受託獲得数に影響を及ぼす可能性があります。一方、賃貸住宅の需給関係は当社グループのローン顧客の返済能力の低下により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。」
住宅需給悪化の影響が、受託物件数だけでなくローン顧客の返済能力にも及ぶ可能性を明示している。 - FY2017悪化有価証券報告書
「当社グループの事業領域である不動産における住宅着工(貸家)は、平成29年11月まで6か月連続して減少しており今後の動向を注視していく必要があります。」
貸家の住宅着工減少が、前回記載の3か月連続から6か月連続へ長期化し、事業環境の悪化が継続している。 - FY2017-Q3顕在化有価証券報告書
「当社グループの事業領域である不動産における住宅着工(貸家)は、平成29年6月に20か月ぶりに減少に転じ、その後8月まで3か月連続して減少するなど、事業環境に変化が出てまいりました。」
貸家の住宅着工が20か月ぶりに減少し、8月まで3か月連続減少するという実際の悪化が発生したと記載している。リスクの数値化はあるが、リスク項目自体の数値化ではないためquantifiedはfalseとする。 - FY2017-Q2対処有価証券報告書
「当社グループの事業領域である不動産における住宅着工(貸家)は、平成29年5月に19か月連続で増加しました。」
貸家の住宅着工が19か月連続で増加し、前四半期の16か月連続増加から改善傾向が続いている。 - FY2017-Q1対処有価証券報告書
「当社グループの事業領域である不動産業における住宅着工(貸家)は、平成29年2月に16か月連続で増加しました。」
住宅着工(貸家)が16か月連続で増加したと記載され、直近の住宅着工動向に関する懸念は一部緩和された。ただし、事業等のリスクについて重要な変更はないとしている。 - FY2016悪化有価証券報告書
「わが国の人口は、今後も減少が見込まれております。わが国の世帯数は単身者世帯の増加により現時点では増加しておりますが、同様の傾向が将来的にも持続するかどうか現時点では不明であります。今後、賃貸住宅の需給関係が悪化した場合、不動産オーナーの賃貸住宅に対する投資意欲が減退し、新築工事が減少することにより、当社グループのサブリース適用物件の受託獲得数に影響を及ぼす可能性があります。」
従来の動向注視から、人口減少、世帯動向の不確実性、需給悪化、新築工事減少、投資意欲減退まで影響経路を具体化している。 - FY2016-Q2初出有価証券報告書
「当社グループの事業領域である不動産・住宅業界におきましては、新規住宅着工戸数は平成26年4月の消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響からの持ち直しの動きが見られておりますが、引き続き今後の動向を注視する必要があります。」
住宅着工戸数は持ち直しの動きがある一方、今後の動向を注視する必要があるとしている。