繊維事業の低採算製品縮小と高採算製品への転換
FY2016に初出。34回の記載のうち11回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2020-Q2。直近の記載はFY2026。
ユニチカがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2020年。同じテーマの他社の中央値(2024年)より4年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2020年。8社中2社が悪化側に。
直近の記載が「前進」なのは、ほかに4社。
- FY2026前進有価証券報告書
「衣料繊維事業では、2025年12月31日までに事業譲渡等を概ね完了した。産業資材事業では、市況の持ち直しを背景に、土木資材や生活関連用品の販売が好調であったが、事業全体では、事業譲渡等の影響により減収減益となった。」
衣料繊維事業の事業譲渡等を2025年12月31日までに概ね完了し、低採算事業の縮小・退出をさらに実行した。一方、残存する繊維事業は営業損失515百万円となった。 - FY2026-H1前進有価証券報告書
「産業繊維事業では、ポリエステル繊維(短繊維、高強力糸)の販売は減少したが、商品構成の見直しや価格改定の効果等により、収益は大幅に改善した。モノフィラメントの収益は好調に推移した。 以上の結果、繊維事業セグメントは減収増益となり、売上高は14,679百万円(前年同期比2.5%減)、営業損失は179百万円(前年同期は574百万円の損失)となった。」
商品構成の見直しや価格改定により、繊維事業の営業損失は前年同期の574百万円から179百万円へ縮小した。また、ポリエステル重合・フィラメント事業等の譲渡契約締結により、構造改革の実行も具体化した。 - FY2025前進有価証券報告書
「当社は、2025年6月20日開催の取締役会において、当社および連結子会社である日本エステル株式会社のポリエステルに係る繊維関連事業・重合事業について、セーレン株式会社との間で譲渡等に向けた基本合意書を締結することを決議し、同日付で締結した。」
繊維・不織布・産業繊維等の構造改革について、セーレンへの事業譲渡等に向けた基本合意に進み、最終契約を2025年8月初め頃、クロージングを同年12月末頃とする日程を示した。 - FY2025-H1悪化有価証券報告書
「衣料繊維事業では、主力のユニフォーム分野の販売は、官需については堅調であったが、民需についてはやや回復は見られるも、全般的には低調であった。……利益面では、円安の進行によるコストアップの影響が大きく、価格改定による効果をコストアップが上回った。 以上の結果、繊維事業セグメントは減収減益となり、売上高は15,049百万円(前年同期比2.8%減)、営業損失は574百万円(前年同期は445百万円の損失)となった。」
価格改定を実施しているものの、円安によるコストアップが効果を上回り、繊維事業の営業損失は前年同期の445百万円から574百万円へ拡大した。 - FY2024前進有価証券報告書
「価格改定やコストダウンの効果により収益改善が進み、営業赤字は前期から縮小した。以上の結果、繊維事業セグメントは減収増益となり、売上高は33,004百万円(前期比1.4%減)、営業損失は523百万円(前期は1,354百万円の損失)となった。」
価格改定とコストダウンにより繊維事業の営業損失が1,354百万円から523百万円へ縮小した。赤字は継続しているが、採算改善の具体的な進展が示されている。 - FY2024-Q3前進有価証券報告書
「衣料繊維事業では、主力のユニフォーム分野は第3四半期も堅調に推移したが、その他分野はやや苦戦した。グローバル事業は、前年比、回復基調にあるものの、産業資材事業は苦戦した。価格改定やコストダウンの効果により、採算改善は進み、前年対比で営業赤字は縮小した。」
価格改定とコストダウンにより採算改善が進み、繊維事業の営業損失は前年同四半期の1,343百万円から703百万円へ縮小した。 - FY2024-Q2前進有価証券報告書
「衣料繊維事業では、主力のユニフォーム分野の販売が回復した。また、サステナブル繊維分野も概ね堅調な販売状況であったが、産業資材事業とグローバル事業が不調に終わった。原燃料高や円安などのコストアップに対し、価格改定や、販管費などコスト削減にも努めた結果、採算改善が進み、赤字幅は前年同四半期対比で大幅に縮小した。 以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は15,488百万円(前年同四半期比3.7%減)、営業損失は445百万円(前年同四半期は906百万円の損失)となった。」
価格改定と販管費等のコスト削減により採算改善が進み、営業損失は前年同四半期の906百万円から445百万円へ縮小した。ただし、繊維事業はなお営業赤字である。 - FY2024-Q1価格改定で採算是正も赤字継続有価証券報告書
「衣料繊維事業では、前年から続いている原燃料高などのコストアップに対し、価格改定を実施した結果、採算是正が進んだが、産業資材用途およびグローバル販売が減少した影響もあり、営業赤字の解消には至らなかった。」
価格改定により採算是正が進んだものの、産業資材用途とグローバル販売の減少により営業赤字は解消していない。 - FY2023悪化有価証券報告書
「衣料繊維事業では、ユニフォームやレディス衣料などの販売はコロナ禍に比べ回復基調となった。更に、製品価格の改定を行った効果もあり、売上が伸長した。一方で、円安による輸入コスト高騰や原燃料価格の高騰により原価が大幅に上昇し、製品価格の改定では補いきれず、収益に大きなマイナス影響を受けた。」
需要回復や価格改定による売上伸長がある一方、円安・原燃料高による原価上昇を価格改定で補えず、営業損失は1,535百万円と前期の610百万円から拡大した。 - FY2023-Q3悪化有価証券報告書
「衣料繊維事業では、欧州の景況悪化を受け、海外向け販売の回復にブレーキがかかったが、国内では主力のユニフォーム分野やレディス衣料を中心に需要が回復した。一方で、原燃料高、円安、輸送費高騰など、サプライチェーン全般でのコスト上昇は続いており、収益が大幅に悪化した。 以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は23,103百万円(前年同四半期比12.4%増)、営業損失は1,491百万円(前年同四半期は689百万円の損失)となった。」
国内のユニフォーム・レディス衣料では需要回復が見られた一方、欧州景況悪化とサプライチェーン全般のコスト上昇により、営業損失は前年同四半期の689百万円から1,491百万円へ拡大した。 - FY2023-Q2悪化有価証券報告書
「衣料繊維事業では、主力のユニフォーム分野やレディス衣料を中心に需要回復の兆しが見られた。また、海外向けの販売が伸長した。しかし、原燃料高、円安、輸送費高騰など、サプライチェーン全般でのコスト上昇により、収益が大幅に悪化した。以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は15,274百万円(前年同四半期比13.3%増)、営業損失は1,004百万円(前年同四半期は444百万円の損失)となった。」
需要回復や海外販売の伸長が見られた一方、原燃料高・円安・輸送費高騰により営業損失が前年同期の444百万円から1,004百万円へ拡大した。 - FY2023-Q1悪化有価証券報告書
「衣料繊維事業では、原燃料、加工賃、物流費の高騰、更に円安の影響を受け、大幅なコストアップに対して販売価格への転嫁が進まず、損益は厳しい状況で推移した。主力のユニフォーム分野はある程度販売が回復したが、寝装、スポーツ分野などは苦戦が続いた。 以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は7,554百万円(前年同四半期比6.5%増)、営業損失は511百万円(前年同四半期は165百万円の損失)となった。」
販売価格への転嫁が進まない中、繊維事業の営業損失は前年同期の165百万円から511百万円へ拡大した。ユニフォーム分野の一部回復に対し、寝装・スポーツ分野は苦戦が続いている。 - FY2022-Q3悪化有価証券報告書
「衣料繊維事業では、新型コロナの感染拡大の影響を引き続き受けている。主力のユニフォーム分野では、業種によって需要回復が一部見られる一方、レディス・スポーツ・寝装などの他の分野は、厳しい状況で推移した。また、前年に旺盛であった医療用ガウンの需要が落ち着いたことにより、販売が減少した。以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は20,563百万円(前年同四半期は29,147百万円)、営業損失は689百万円(同133百万円の損失)となった。」
医療用ガウン需要の一服やレディス・スポーツ・寝装分野の低迷により、売上高が前年同四半期の29,147百万円から20,563百万円へ減少し、営業損失も133百万円から689百万円へ拡大した。 - FY2022-Q2悪化有価証券報告書
「衣料繊維事業では、新型コロナ感染拡大の影響を引き続き大きく受けている。主力のユニフォーム分野は、需要回復の兆しが見られる一方、レディス・スポーツ・寝装などの他の分野は、厳しい状況で推移した。また、前年に旺盛であった医療用ガウンの需要が落ち着いたことにより、収益が減少した。 以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は13,476百万円(前年同四半期は20,073百万円)、営業損失は444百万円(同165百万円の利益)となった。」
医療用ガウン需要の一服や衣料繊維の複数分野の低迷により、繊維事業は前年同期の営業利益165百万円から営業損失444百万円へ悪化した。 - FY2022-Q1悪化有価証券報告書
「衣料繊維事業では、前年に受注が増加した医療用ガウンの需要は落ち着いた。主力のユニフォーム分野では、一部の用途で回復の兆しがあり、メディカル用途は堅調に推移したが、サービス・オフィス関連などは低迷した。レディス・スポーツ等の分野でも低調に推移し、全般的に厳しい状況で推移した。以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は7,093百万円(前年同四半期は9,663百万円)、営業損失は165百万円(同82百万円の利益)となった。」
医療用ガウン需要が落ち着き、サービス・オフィス、レディス・スポーツ等も低迷した。繊維事業は前年同期の営業利益82百万円から営業損失165百万円へ転じ、事業環境と収益が悪化した。 - FY2021-Q3医療用途が下支えするも営業赤字継続有価証券報告書
「繊維事業セグメントの衣料繊維事業では、新型コロナウイルス感染症拡大により、主力のユニフォーム分野はホテルや飲食向け、オフィス向けで低迷するなど、その他の一般アパレル分野も全般的に厳しい状況で推移した。一方で、医療用ガウン及び防護服用途の販売が好調に推移し、収益を下支えした。以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は29,147百万円(前年同四半期比1.7%減)、営業損失は133百万円(前年同四半期は295百万円の損失)となった。」
医療用ガウン・防護服用途が収益を下支えし、営業損失は前年同期の295百万円から133百万円へ縮小したが、繊維事業は営業赤字となっている。 - FY2021-Q2医療用途が収益を下支えし黒字化有価証券報告書
「衣料繊維事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、主力のユニフォーム分野を始めレディス分野など全般的に厳しい状況で推移したが、医療用ガウン及び防護服用途の販売が伸長し、収益を下支えした。 以上の結果、繊維事業の売上高は20,073百万円(前年同四半期比2.0%減)、営業利益は165百万円(前年同四半期は79百万円の損失)となった。」
従来の繊維事業の低調・収益悪化に対し、医療用ガウン・防護服用途の販売伸長が収益を下支えし、営業損益は前年同期の損失から165百万円の利益に転じた。 - FY2020悪化有価証券報告書
「産業繊維事業では、ポリエステル高強力糸の土木建築用途など一部では販売が堅調な分野もあったが、短繊維、複合繊維などは総じて低調であった。また、コストアップ要因等もあり、収益が悪化した。」
一部用途の販売堅調や高付加価値化を進める一方、短繊維・複合繊維の低調とコストアップにより、繊維事業は営業損失589百万円となった。 - FY2020-Q3悪化有価証券報告書
「産業繊維事業では、短繊維は、生活資材用途及び産業資材用途は堅調であったが、輸出は低調に推移し、ポリエステル高強力糸は、資材用途は堅調を維持したが、土木建築用途の販売は減少した。また、水産用途等も総じて低調であった。衣料繊維事業では、スポーツ分野、レディス分野、寝装分野等では引き続き苦戦し、これまでワーキング用途を中心に堅調に推移していたユニフォーム分野では販売が減少した。また、海外向けデニム生地の販売は前年並みで推移した。以上の結果、繊維事業の売上高は36,055百万円(同4.7%減)、営業損失は671百万円(前年同四半期は121百万円の損失)となった。」
一部用途は堅調だったものの、輸出、土木建築用途、水産用途、衣料繊維の複数分野が低調となった。営業損失は前年同期の121百万円から671百万円へ拡大している。 - FY2020-Q2悪化有価証券報告書
「産業繊維事業では、短繊維は、生活資材用途、産業資材用途の販売が堅調に推移したが、輸出が低調であった。ポリエステル高強力糸は、土木建築用途で販売が堅調に推移し、複合繊維は、資材用途の需要が減少した。衣料繊維事業では、主力のユニフォーム分野は、ワーキング用途を中心に好調であったが、スポーツ分野や寝装分野の販売は低調に推移し、高機能素材の原糸輸出も減少した。以上の結果、繊維事業の売上高は24,840百万円(同1.5%減)、営業損失は323百万円(前年同四半期は24百万円の損失)となった。」
一部用途では販売が堅調だったものの、輸出や複合繊維の資材用途、衣料繊維の一部用途が低調となり、繊維事業の営業損失は前年同期の24百万円から323百万円へ拡大した。 - FY2020-Q1再掲有価証券報告書
「産業繊維事業では、ポリエステル短繊維は、生活資材用途で堅調に推移し、ポリエステル高強力糸も、土木建築用途で堅調であったが、他は全般的に低調であった。」
短繊維・高強力糸の一部用途を軸に事業を運営する状況は続いているが、他用途は全般的に低調である。 - FY2019-Q3再掲有価証券報告書
「産業繊維事業では、短繊維は、生活資材用途や海外販売は低調であったが、複合繊維などの高付加価値品の販売は堅調に推移した。ポリエステル高強力糸は、土木建築用途などが引き続き堅調であった。一方で、原燃料価格等のコスト要因により、収益が減少した。」
低採算製品縮小後の高付加価値品を軸とする販売方針は継続しているが、原燃料価格等のコスト要因により収益は減少した。 - FY2019-Q2再掲有価証券報告書
「短繊維は、生活資材用途で低調であったが、複合繊維などの高付加価値品の販売は堅調に推移した。ポリエステル高強力糸は、土木建築用途などが堅調で販売は増加した。しかし、原燃料価格等の高騰の影響を大きく受け、収益は減少した。」
高付加価値品を軸とする販売方針は継続しているが、原燃料価格高騰の影響で産業繊維事業の収益は減少した。 - FY2019-Q1再掲有価証券報告書
「産業繊維事業では、ポリエステル高強力糸は、高付加価値品を軸に販売は概ね順調に推移し、また、ポリエステル短繊維も堅調に推移した。しかし、原料価格の上昇などの影響もあり収益面では伸び悩んだ。」
高付加価値品を軸とする販売方針は継続している一方、原料価格上昇の影響で収益面が伸び悩んだと記載している。 - FY2018再掲有価証券報告書
「産業繊維事業では、構造改革の実施により事業規模は縮小したが、ポリエステル短繊維は、複合繊維などの高付加価値品の販売を進め、前期並みの売上を確保した。ポリエステル高強力糸は、土木用途などで低調に推移したが、高付加価値品の販売数量は増加し、計画どおりの収益を確保した。」
構造改革後の事業規模を前提に、高付加価値品の販売と計画どおりの収益確保を継続している。 - FY2018-Q2再掲有価証券報告書
「ポリエステル短繊維は、複合繊維などの高付加価値品の販売が堅調に推移し、前年同期並みの売上を確保した。ポリエステル高強力糸は、建築資材用途などで低調に推移し売上が減少したが、高付加価値品の販売は伸張し、計画通りの収益を確保した。」
構造改革後の事業規模縮小を前提に、高付加価値品の販売と計画通りの収益確保を引き続き記載している。 - FY2018-Q1前進有価証券報告書
「産業繊維事業では、ポリエステル高強力糸は、土木用途で高付加価値品の販売が堅調に推移し、ポリエステル短繊維においても高付加価値品の販売が伸展したことにより、各々の計画を上回る収益を確保した。」
高付加価値品の販売伸展により、ポリエステル高強力糸・短繊維の双方で計画を上回る収益を確保したという具体的な進展が示されている。 - FY2017-Q3再掲有価証券報告書
「産業繊維事業では、ポリエステル高強力糸は、複合繊維など高付加価値品への商品構成シフトが進み、収益は増加した。ポリエステル短繊維は、前期までに実施した構造改革による事業縮小に伴い大きく減収となったが、高付加価値品の拡販を進め、計画通りの収益を確保した。」
高付加価値品への商品構成シフトと拡販、構造改革による低採算事業縮小後の計画どおりの収益確保を継続して記載している。 - FY2017-Q2実績引用有価証券報告書
「ポリエステル短繊維は、前期までに実施した構造改革による事業縮小に伴い売上が大きく減少したが、計画通りの収益を確保した。」
低採算製品を含む構造改革による事業縮小の結果として売上が減少する一方、計画通りの収益を確保した実績を再度示している。 - FY2017-Q1実績引用有価証券報告書
「ポリエステル短繊維は、前期までに実施した低採算製品の事業縮小に伴い売上が減少したが、計画通りの収益を確保した。」
低採算製品の事業縮小を前期までに実施した結果、売上減少下でも計画通りの収益を確保した実績を示している。 - FY2016達成有価証券報告書
「事業構造改革に伴う低採算製品の事業縮小が完了し、高付加価値品への転換が進んだため、収益は大きく改善した。」
産業繊維で低採算製品の縮小を完了し、複合繊維など高採算製品の投入と、調達・生産・販売・管理の各段階でのコスト削減を継続する方針を示している。