財務制限条項抵触による借入金の一括返済リスク
FY2017に初出。8回の記載のうち4回が「再定義」で、最初の「再定義」はFY2021。直近の記載はFY2026-H1。
AFC−HDアムスライフサイエンスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2021年。同じテーマの他社の中央値(2023年)より2年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2017年。54社中8社が悪化側に。
直近の記載が「後退」なのは、ほかに2社。
- FY2026-H1後退有価証券報告書
「当社は、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しておりますが、本契約は、2024年4月1日前に締結されているため、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第6項により記載を省略しております。」
財務上の特約が付された借入契約の存在は示されたが、2024年4月1日前の契約であることを理由に、従来記載されていた条項内容や対象借入額の開示は省略された。 - FY2025再定義有価証券報告書
「当連結会計年度(2025年8月31日) 1年内返済予定の長期借入金(187,500千円)及び長期借入金(712,500千円)については、以下のとおり財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の要求に基づき当該借入金を一括返済することがあります。」
財務制限条項付き借入は継続しているが、対象額が1年内返済予定分187,500千円、長期借入金712,500千円となった。前連結会計年度の150,000千円・900,000千円から対象構成が変化した。 - FY2023再定義有価証券報告書
「1年内返済予定の長期借入金(112,500千円)及び長期借入金(1,050,000千円)については、以下のとおり財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の要求に基づき当該借入金を一括返済することがあります。」
財務制限条項付き借入は継続しているが、対象額は1年内返済予定分112,500千円、長期借入金1,050,000千円となり、前期の150,000千円・1,162,500千円から変化した。 - FY2022再定義有価証券報告書
「1年内返済予定の長期借入金(150,000千円)及び長期借入金(1,162,500千円)については、以下のとおり財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の要求に基づき当該借入金を一括返済することがあります。」
財務制限条項付き借入の対象は継続しているが、長期借入金の対象額は前期の1,312,500千円から1,162,500千円へ変化した。なすびへの出資比率、EBITDA、純資産維持の条件は継続している。 - FY2021再定義有価証券報告書
「1年内返済予定の長期借入金(150,000千円)及び長期借入金(1,312,500千円)については、以下の通り財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の要求に基づき当該借入金を一括返済することがあります。①当社の株式会社なすびへの出資比率を100%とし、これを維持すること。②2021年8月期並びにそれ以降の各決算期における、連結のEBITDA(連結損益計算書上の営業利益に減価償却費を加算した合計額)につき2期連続して損失を計上しないこと。③各連結会計年度末日(初回:2022年8月期末日)における連結貸借対照表に記載される純資産合計の金額を、前連結会計年度における純資産合計の75%に相当する金額以上に維持すること。」
前期に該当事項なしとなった財務制限条項が、新たな借入について再び記載された。なすびへの出資比率、EBITDA、純資産維持を条件としている。 - FY2019削除有価証券報告書
「当連結会計年度(2019年8月31日) 該当事項はありません。」
前期に記載されていた財務制限条項付き借入金について、当期は該当事項がないと記載された。 - FY2018再掲有価証券報告書
「これに抵触した場合、借入先の要求に基づき当該借入金を一括返済することがあります。 ①平成22年8月に終了する決算期及びそれ以降の各決算期の末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額が、平成21年8月期の末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額の75%以上であること。 ②平成22年8月に終了する決算期及びそれ以降の各決算期に係る連結損益計算書上の経常損益に関して、2期連続して経常損失を計上しないこと。」
純資産75%以上、経常損失を2期連続計上しないという財務制限条項と、抵触時の一括返済可能性を継続開示している。 - FY2017初出有価証券報告書
「これに抵触した場合、借入先の要求に基づき当該借入金を一括返済することがあります。 ①平成22年8月に終了する決算期及びそれ以降の各決算期の末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額が、平成21年8月期の末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額の75%以上であること。 ②平成22年8月に終了する決算期及びそれ以降の各決算期に係る連結損益計算書上の経常損益に関して、2期連続して経常損失を計上しないこと。」
純資産75%以上及び経常損失を2期連続計上しないことという財務制限条項を示し、抵触時には借入金の一括返済を求められる可能性を開示した。