建設資材価格・労務単価の上昇と技能労働者不足
FY2016に初出。9回の記載のうち3回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2022。直近の記載はFY2026。
大林組がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2021年。同じテーマの他社の中央値(2022年)より1年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2022年。41社中28社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに14社。
- FY2026悪化有価証券報告書
「地政学的情勢、とりわけ中東情勢の不安定化が、建設資材価格の上昇や調達環境の変化といった供給面や世界経済の不透明感の高まりを背景とした設備投資の抑制等による建設需要の減退等の需要面において、事業環境に影響を及ぼすリスクが高まっている。」
従来の資材価格・調達難リスクに対し、中東情勢を含む地政学的情勢が供給面と需要面の双方に影響するリスクとして、より明確かつ高い状態で示された。 - FY2026-H1再掲有価証券報告書
「加えて、原材料・エネルギー価格の高騰や金融・資本市場の変動等の影響にも引き続き注視が必要な状況にある。」
原材料・エネルギー価格高騰によるコスト上昇要因や金融・資本市場の変動について、引き続き注視が必要との認識を示している。 - FY2025-H1再掲有価証券報告書
「先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな景気回復が継続することが期待されるが、国内外の金融政策変更等に伴う為替変動による下振れリスクや原材料・エネルギー価格の高騰等の影響にも引き続き注視が必要な状況にある。」
為替変動や原材料・エネルギー価格高騰によるコスト・景気下振れ要因への注視が引き続き必要としている。事業等のリスクについては新たな発生や重要な変更はないとしている。 - FY2024悪化有価証券報告書
「地政学的情勢、経済制裁措置によるサプライチェーンの混乱や分断、物価上昇や為替変動等による建設資材の急激な価格高騰や調達難が生じた場合」
従来の資材価格・労務単価上昇リスクに加え、地政学的情勢、経済制裁、サプライチェーンの混乱・分断、為替変動を具体的な要因として列挙し、リスク要因の範囲を広げた。 - FY2024-Q2再掲有価証券報告書
「当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、経済社会活動の正常化に伴う個人消費の持ち直しや企業収益の改善を受け、景気は緩やかな回復を続けた。一方で、急速な円安の進行や原材料・エネルギー価格の高騰等による物価上昇に加え、各国の政策金利の引上げ等による世界経済の減速懸念があることから、今後の先行きは不透明な状況にある。」
急速な円安、原材料・エネルギー価格の高騰、政策金利引上げ等による物価上昇・景気減速懸念が継続している。資材価格リスクによる新たな損失額の記載はない。 - FY2023-Q2顕在化有価証券報告書
「当社の国内建築事業において、建設物価が当初の業績予想発表時点(本年5月12日)の想定以上に上昇しており、購買段階での対応や発注者との交渉等においてその影響の全てを吸収することが困難になったことや、資機材の納入時期の遅れ等により2023年3月期末の工事進行割合見通しが想定を下回ることなどから、通期で売上総利益が95億円減少することが見込まれる。」
建設物価の想定以上の上昇と資機材の納入遅延が実際の業績予想修正要因となり、通期売上総利益を95億円減少させる見込みとされた。 - FY2022悪化有価証券報告書
「当連結会計年度におけるわが国経済は、行動制限の緩和等により経済社会活動の正常化が進んだことで景気の持ち直しの動きがみられたが、ウクライナ情勢等を背景とした原材料価格の高騰やグローバルサプライチェーンの混乱等のリスク要因があり、今後の先行きは不透明な状況にある。」
資材価格上昇・調達環境の不確実性について、ウクライナ情勢やグローバルサプライチェーンの混乱を背景とするリスク要因が追加的に示された。 - FY2022-Q2顕在化有価証券報告書
「VE提案が当社見込み通りに採用されなかったことや市場環境の変化による鉄骨等の資材価格上昇などにより、工事原価の低減が当初想定通りの水準に達しなかった。」
鉄骨等の資材価格上昇が実際に大規模工事の原価低減未達と工事損失引当金計上の要因となり、資材価格リスクが損益に顕在化した。 - FY2016初出有価証券報告書
「建設資材の急激な価格高騰や調達難または労務単価の高騰や技能労働者の不足が生じた場合、工事原価の上昇による利益率の低下や工期遅延による損害賠償のおそれなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。」
資材・労務コストと技能労働者不足が利益率、工期、損害賠償に影響する可能性を示している。