米10年国債利回りが5%を超える状況でも、米国株は高値を維持している。背景には企業利益の成長や財務体質、AI投資の波及効果があると分析されている。
米国では長期金利の水準が5%を超える局面にもかかわらず、株式市場はNASDAQ総合指数とS&P500が過去最高値を更新しており、高金利環境下での株高が続いている。金利上昇は理論上株価の評価を押し下げる要因だが、背景には企業利益の拡大、信用環境の改善、資本効率の高まり、そして市場が将来成長を織り込む動きがあると指摘される。投資家が注目すべきは金利自体よりも、利益成長とキャッシュフローの動向だと説明されている。
金利上昇が株価の下押し要因になる一方、現在の株式市場は企業利益の成長がそのマイナスを上回っている状態だ。2026年第3四半期のS&P500構成企業は前年同時期比で約3割の増益を見込まれており、通年でも高い利益成長が見込まれる。こうした利益成長と金利動向の綱引きによって、市場のテーマが高金利容認かどうかを左右している。
2007年の水準と比較して、長期金利が5%を超えても株高が直ちに崩れるとは限らないが、金融危機前の信用不安が同時に広がる可能性には留意が必要だ。当時は住宅市場の悪化と信用不安が先行し、最終的には高金利と景気の組み合わせで株式市場の転換点となった。現在はAI投資の拡大など新たな要因が加わっており、何が持続可能な成長を支えるかが焦点となっている。
AI投資の波及効果は企業利益を押し上げる一方で、ROICが資本コストを安定的に上回るか、投資額が実効的な利益成長に結びついているかが重要になる。データセンター、半導体、クラウド、電力インフラへの資本投入が売上拡大につながる一方、減価償却費や資金調達コストの上昇も同時に生じるため、投資の収益性をROICで見極める必要がある。