日銀が政策金利を1.25%程度へ引き上げた後、銀行の利ざやは拡大する動きが見られるとして、三菱UFJの決算数字と試算を通じてその仕組みを解説する記事。
2026年9月18日の金融政策決定会合で、無担保コールレートを1.25%程度とすることが決定され、金利上昇局面が進んだ。これに連動して銀行の資金利益が伸び、特に国内貸出金利と預金金利の差が拡大する動きが注目された。
三菱UFJフィナンシャル・グループの2026年3月期決算では、親会社株主に帰属する当期純利益が2兆4272億円と前期比30.3%増えた。金利上昇局面は銀行の稼ぐ力を構造的に高める要因として捉えられている。
決算資料の数字で見ると、国内貸出金利回りは2024年度Q4の1.04%から2025年度Q4の1.32%へ上昇、預金等利回りは0.11%から0.26%へ上昇。預貸金利回り差は0.93%から1.05%へ拡大しており、金利上昇が利ざや拡大に寄与する構図が確認できる。
編集部の試算では、100億円の同額貸出で利ざやの変化を仮定した場合、2024年度は年約9300万円、2025年度は年約1億500万円となり、増加額は年約1200万円に達する。国内全体の資金利益は増加する見込みが示されたが、海外事業や他要因を含め全体への影響は限定的との指摘もある。
金利上昇が銀行にもたらすプラス面とリスクには、債券の含み損増加や貸倒れリスク、預金獲得競争の激化などがある。金融機関ごとに利ざやの拡大幅やROEの推移は異なるため、個別のチェックポイントが重要とされた。