日米政府の協調介入実施を受け、円金利市場の利上げ織り込みが従来想定より速くなる見通しが広がっている。野村證券の宍戸知暁が協調介入後の見通しと今後の展開を解説している。
日米政府は2026年7月31日に協調して円を買い介入し、市場では日本銀行の利上げペースが従来の想定より速まるとの見方が強まった。OIS市場は2026年10月までに25bp、2027年3月までに累積50bpの利上げを織り込んだ。野村證券も日銀が同年10月、2027年3月、同年7月の3会合ごとに利上げすると予想を変更した。これらは3会合ごとに1回のペースを前提とする。
ただしペースは他国と比べても遅いとの見方が依然としてある。主要インフレ指標は2%に近づき、日銀は基調的インフレ率がほぼ2%に達するとの認識を示しているものの、ガラパゴス現象は続くとの指摘もある。これにより、利上げの速さが進むことで円安圧力の緩和につながるとの見方が示唆されている。
次の焦点は、利上げ間隔と到達点の見極めとなる。仮に2会合に1回のペースで利上げが加速すれば、実質金利の低下を抑え、円安圧力を相対的に抑制できる可能性がある。ターミナルレートへの期待が大きく上がらなくても、円安圧力の抑制につながるとの見方がある。
高市政権の動向にも注目が集まっており、9月の利上げを容認するメッセージが発表されるかが焦点となる見込み。日銀の長期的な金利動向として、2年金利には上昇余地がある一方、10年金利は横ばい圏にとどまる可能性が指摘されている。