国際的な事業活動に伴う政治・制度・インフラリスク
FY2016に初出。8回の記載のうち6回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2021。直近の記載はFY2025。
キヤノンがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2022年。同じテーマの他社の中央値(2021年)より1年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2022年。56社中27社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに9社。
- FY2025悪化有価証券報告書
「特に米国の通商政策に変化があり、当社の売上において一定の割合を占める米国販売へ影響を与える場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。」
従来の地政学・貿易摩擦リスクに加え、米国通商政策の変化が米国販売へ及ぼす影響を明示した。 - FY2025-H1悪化有価証券報告書
「米国の関税政策による景気下押し圧力が懸念されるものの、総じて底堅い成長が続きました。」
従来の貿易摩擦・政治経済リスクに加え、米国関税政策による景気下押し圧力が事業環境上の懸念として具体化した。 - FY2023悪化有価証券報告書
「主要な市場におけるインフレの長期化や金融引締めに伴う景気後退、ウクライナ・中東情勢や貿易摩擦の問題がさらに深刻化するなど、政治、外交問題または不利な経済状況が発生し、法人顧客の投資抑制や個人消費の低迷が生じる場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。」
従来の海外政治・経済リスクに、インフレ長期化、金融引締め、ウクライナ・中東情勢、貿易摩擦の深刻化を明示し、法人投資・個人消費への影響経路を整理した。 - FY2022-Q2悪化有価証券報告書
「中国では、ゼロコロナ政策に伴う厳しい活動制限により個人消費は落ち込みました。また、その他の新興国については、経済活動が再開され、景気の回復基調を維持しました。わが国では活動制限が緩和され個人消費を中心に景気の持ち直しが見られましたが、円安進行による物価上昇圧力もあり、景気の回復は緩やかなものとなりました。」
海外事業環境では、中国のゼロコロナ政策による個人消費の落ち込み、円安による国内物価上昇圧力、ウクライナ情勢やインフレの影響が加わり、地域別の政治・経済リスクが具体化している。 - FY2022-Q1悪化有価証券報告書
「一方で、世界的な半導体部品の不足や物流の需給逼迫は継続し、さらにウクライナ情勢の深刻化やインフレの加速により景気の先行きは不透明感が増しました。」
従来の海外事業に伴う政治・経済リスクに加え、ウクライナ情勢の深刻化とインフレ加速を明示し、景気先行きへの影響を強めている。 - FY2021悪化有価証券報告書
「主要な市場における景気後退、ウクライナ情勢や貿易摩擦の問題がさらに深刻化するなど、政治、外交問題または不利な経済状況が発生し、法人顧客の投資抑制や個人消費の低迷が生じる場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。」
従来の海外政治・経済・制度変更リスクに加え、ウクライナ情勢や貿易摩擦の深刻化を明示し、法人投資・個人消費への影響経路を具体化した。 - FY2020再掲有価証券報告書
「当社は生産及び販売活動の多くを日本国外で行っておりますが、海外における事業活動には主に政治、外交問題または不利な経済状況の発生、急激な為替レートの変動と予期しない政策及び法制度、規制等の変更のリスクがあります。」
海外事業に伴う政治・経済・為替・制度変更リスクを継続して開示し、情報収集、生産調整、為替予約等の対策も記載している。 - FY2016初出有価証券報告書
「海外における事業活動には以下のような様々なリスクがあります。・政治、外交問題または不利な経済状況の発生 ・急激な為替レートの変動 ・予期しない政策及び法制度、規制等の変更 ・知的財産権制度の未整備 ・人材の採用と維持の難しさ ・生産インフラの未整備」
海外生産・販売活動に伴う政治、制度、知財、人材、生産インフラ等の複合的なリスクを列挙している。