営業損失と財務制限条項抵触による継続企業の前提リスク
FY2023に初出。8回の記載のうち4回が「対処」で、最初の「対処」はFY2024-Q1。直近の記載はFY2026-H1。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2022年。13社中4社が悪化側に。
直近の記載が「対処」なのは、ほかに14社。
- FY2026-H1対処有価証券報告書
「当中間連結会計期間においては、売上総利益率の改善、販売費及び一般管理費の削減並びに営業損失の縮小等、収益構造の改善に一定の進捗が見られます。」「当座貸越契約については、当社の事業計画及び資金需要を踏まえた協議を経て、契約の更新を完了しています。」
営業損失は前年同期の384百万円から314百万円へ、経常損失は395百万円から326百万円へ縮小し、売上総利益率も35.0%へ改善した。当座貸越契約の更新も完了したため、継続企業リスクへの対応は進展したが、対応策は実施途上であり、現時点では重要な不確実性が認められている。 - 2026-05-15再掲発生事実
「一方で、これらの対応策は実施途上であり、新商品の発売や収益構造の改善については、今後の事業環境の変化によっては効果を十分に得られない可能性があります。また、当座貸越枠については、継続的な利用について取引金融機関と協議を進めている段階であり、最終的な合意を得られていません。このため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。」
新製品発売、収益構造改善、資金調達の対応策はいずれも実施途上であり、継続企業の前提に関する重要な不確実性が引き続き認められている。 - FY2025悪化有価証券報告書
「一方で、これらの対応策は実施途上であり、新商品の発売や収益構造の改善については、今後の事業環境の変化によっては効果を十分に得られない可能性があること、また、当座貸越枠については、継続的な利用について取引金融機関と協議を進めている段階であり、最終的な合意を得られていないため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。」
2024年12月期の黒字転換後、2025年12月期は営業損失866百万円、経常損失904百万円、純損失1,596百万円となり、継続企業の前提に関する重要な不確実性が再び認められた。2026年12月期の黒字転換に向け、新製品、原価低減、固定費圧縮、販売戦略最適化、金融機関との協議を対応策としている。 - 2026-03-04悪化株主総会
「これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しています。」
営業損失866百万円、経常損失904百万円、当期純損失1,596百万円、財務制限条項への抵触及びマイナスの営業キャッシュ・フローを理由に、重要な不確実性が認められる状態となった。FY2024の重要な不確実性が認められない状態から悪化した。 - FY2024対処有価証券報告書
「その結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも改善し、1年で黒字への回復を果たしました。」
営業利益は△1,375百万円から12百万円へ改善して黒字転換し、借入金返済や固定費圧縮も進んだ。前期に生じた継続企業の前提に関するリスクは低減したが、黒字幅はなお小さい。 - FY2024-H1対処有価証券報告書
「当社グループは、記録的な円安ドル高等の厳しい外部環境の影響により、前連結会計年度において、多額の営業損失を計上し、当中間連結会計期間においても91百万円の営業損失を計上したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しています。このような状況を解消すべく、現状の経営環境や売上水準でも利益を創出できるよう、売上総利益率の改善(製造コスト低減・価格改定による利幅の改善)、固定費の圧縮(売上規模に対応した組織・人員体制の再構築)及び家電カテゴリー製品の積極的な展開(国内外における製品ラインナップの拡大)を経営戦略として掲げ、各施策についてすでに着手しています。 以上のことから、当社グループにおいては、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。」
営業損失はなお91百万円残るものの、黒字転換施策により前年同期から604百万円改善し、重要な不確実性は認められないとの判断を継続している。継続企業リスクへの対応が、固定費削減・利益率改善・製品展開の実績を伴って進んでいる。 - FY2024-Q1対処有価証券報告書
「このような状況を解消すべく、取引金融機関と協議を行い、財務制限条項に係る期限の利益喪失を請求できる権利について、当該金融機関が放棄することの合意が得られています。加えて、現状の経営環境や売上水準でも利益を創出できるよう、売上総利益率の改善(製造コスト低減・価格改定による利幅の改善)、固定費の圧縮(売上規模に対応した組織・人員体制の再構築)及び家電カテゴリー製品の積極的な展開(国内外における製品ラインナップの拡大)を経営戦略として掲げ、各施策についてすでに着手しています。 以上のことから、当社グループにおいては、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。」
第1四半期にも営業損失236百万円と継続企業の前提に関する事象は残るが、金融機関による権利放棄の合意、3施策への着手、および重要な不確実性は認められないとの判断が示された。 - FY2023顕在化有価証券報告書
「当社グループは、当連結会計年度において、記録的な円安ドル高等の厳しい外部環境の影響により、多額の営業損失を計上したこと、また、一部の当座貸越枠については財務制限条項に抵触したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在しています。」
営業損失1,375百万円の計上と、純資産を前年同期比75%以上に維持する財務制限条項への抵触により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が初めて独立したリスクとして開示された。金融機関による期限の利益喪失請求権の放棄合意と、粗利率改善・固定費圧縮・家電製品展開による対応も併記されている。