サプライチェーン制約と原材料・物流費上昇
FY2022-Q3に初出。10回の記載のうち5回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2023-Q1。直近の記載はFY2026。
PHCホールディングスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2025年。同じテーマの他社の中央値(2022年)より3年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2026年。108社中62社が悪化側に。
直近の記載が「顕在化」なのは、ほかに30社。
- FY2026顕在化有価証券報告書
「診断薬事業において前年同期には一時収益があったこと、前述の本社機能の見直しによる影響額△1,207百万円、関税影響約10億円等も要因です。」
関税政策によるリスクが、診断・ライフサイエンスの営業利益に約10億円の影響として通期でも顕在化した。 - FY2026-H1顕在化有価証券報告書
「診断薬事業における前年同期の一時収益の影響に加え、前述の本社機能の見直しによる影響額△551百万円、関税影響約8億円等が要因です。」
従来は関税政策による可能性として示されていたリスクが、診断・ライフサイエンスの営業利益に約8億円の影響として実際に現れた。 - FY2025悪化有価証券報告書
「昨今の米国政府による関税政策の動向は、特定の国や地域からの輸入品に対して高率の関税を課す等、国際的な貿易環境に大きな影響を与えており、各国の関税政策にも変化が生じる可能性があります。」
従来の供給制約・原材料費・物流費リスクに加え、関税政策の変更による調達コスト上昇、価格競争力低下、サプライチェーン混乱の可能性が明示された。 - FY2024対処有価証券報告書
「サプライチェーンに制約のあった前年同期より製品供給が安定したことで増収となりました。」
病理事業では前年の供給制約から製品供給が安定したと説明され、供給面の制約は一部緩和された。一方、インフレに伴うコスト増は残っている。 - FY2024-Q3悪化有価証券報告書
「ヘルスケアITソリューション事業においてオンライン資格確認システムの経過措置分の販売終了及びIT機器の仕入価格高騰、採用や開発等の成長投資の増加等により利益率が低下したことが要因です。」
IT機器の仕入価格高騰が成長投資の増加等とともにヘルスケアITソリューション事業の利益率低下として顕在化している。 - FY2024-Q2対処有価証券報告書
「新型コロナウイルスに起因する製品不足の影響があった前年同期に比べ欧州及びアジア太平洋地域での機器の売上が増加していますが前年同時期より徐々に製品不足が解消され始めた」
前年同期に顕在化していた製品不足は徐々に解消され始めたと説明している。一方、製品不足の影響が残るため、増収率は前四半期に比べ減少した。 - FY2023-Q3悪化有価証券報告書
「営業利益は21,429百万円(前年同期比10.9%減)となりました。上述のPCR検査の診療報酬低下の影響に加えて、原材料費や運送費等のインフレ影響があり、減益となりました。」
原材料費や運送費等のインフレ影響が連結営業利益の減益要因として引き続き実績に現れている。一方、診断・ライフサイエンスではコスト削減と製品価格への転嫁による軽減も記載している。 - FY2023-Q2悪化有価証券報告書
「病理事業においてはサービス契約終了に伴う一時的な収益を計上し、また利益率向上施策の効果の発現も見られたものの、第1四半期の中国上海のロックダウンの影響やインフレの影響をカバーするには至りませんでした。」
上海ロックダウンの影響が欧州市場への出荷に続き、インフレ、原材料費・輸送費上昇も利益率を押し下げ、改善施策や一時収益では影響を吸収できなかった。 - FY2023-Q1悪化有価証券報告書
「病理事業では、新型コロナウイルス感染症拡大による中国上海でのロックダウンにより上海の工場が4,5月の2か月間操業を停止し欧米市場での機器売上に影響しました。」
上海ロックダウンにより工場が2か月間操業停止となり、欧米向け売上に影響した。また、原材料費・輸送費の上昇により原価率も悪化した。 - FY2022-Q3初出有価証券報告書
「米州・欧州地域はサプライチェーンに起因して一部出荷に影響が出ていますが、前年同期比増収となりました。」
サプライチェーンによる一部出荷への影響に加え、原材料費の上昇や物流費を含む販売関連費用の増加も記載されており、供給・コスト面のリスクが実際の事業運営に現れている。