需要超過・人材確保難による生産能力未達リスク
FY2018-Q3に初出。9回の記載のうち3回が「対処」で、最初の「対処」はFY2026-H1。直近の記載は2026-05-13。
ハーモニック・ドライブ・システムズがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2018年。同じテーマの他社の中央値(2026年)より8年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2020年。7社中2社が悪化側に。
直近の記載が「対処」なのは、ほかに6社。
- FY2026-H1対処有価証券報告書
「日本セグメントの工場稼働率の上昇により原価率が改善したことなどにより、営業利益は4億65百万円(前年同期は営業損失6億37百万円)となりました。」
前年度に顕在化していた国内生産工場の稼働率低下に対し、当中間期は工場稼働率が上昇し、原価率が改善した。営業利益も前年同期の損失から黒字へ転換している。 - FY2024悪化有価証券報告書
「前連結会計年度に実施した生産能力増強投資に伴い、減価償却費が増加したことに加え、国内工場の稼働率が大幅に低下した影響によるものです。」
能力増強後の国内工場稼働率低下が通期で継続し、営業利益は前期比98.8%減少した。過剰能力・低稼働が利益面への影響をさらに拡大させた。 - FY2024-Q3顕在化有価証券報告書
「前期に国内の生産能力増強投資を実施したことにより、減価償却費が増加したことに加え、今期は国内生産工場の稼働率低下の影響により、営業利益は 前年同期比91.8%減少 の 6億61百万円 となりました。」
国内生産工場の稼働率低下が第3四半期累計でも実際に発生し、営業利益は前年同期比91.8%減少した。能力増強後の稼働率低下が利益面に継続して現れている。 - FY2024-Q1顕在化有価証券報告書
「今期は国内生産工場の稼働率低下の影響により、営業利益は前年同期比57.1%減少の9億11百万円となりました。」
需要減少に伴う国内生産工場の稼働率低下が実際に発生し、営業利益の減少要因として記載された。 - FY2020後退有価証券報告書
「当社グループは、生産能力の向上及び増強に努めておりますが、生産能力が計画どおりに向上する保証はありません。また、当社グループは、生産能力を向上させるため、特に国内の工場が位置する地域において生産業務に携わる従業員を雇用する必要がありますが、当社グループがその労働力需要を満たす能力は、多くの外部要因(工場が位置する地域において適切な従業員を確保できる可能性、当該地域の失業率、給与水準及び人口動態等)に左右されます。計画どおりに生産能力が向上したとしても、お客様が求める水準またはスピードを満たすよう生産ができる保証はありません。」
生産能力計画、人材確保、顧客要求水準・スピード未達のリスクを残している一方、過去に記載された需要が生産能力を上回っている現状についての明示はなくなっている。 - FY2018悪化有価証券報告書
「他方で、当社グループの商品に対するお客様の需要が当社グループの予想を下回った場合、当社グループの生産能力が十分に活用されず、投下資本等を回収することができないか、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。」
従来の需要超過・人材確保難による供給不足リスクに加え、需要が予想を下回った場合の設備未活用、投下資本回収遅延、計画どおりの生産能力向上後も顧客要求を満たせないリスクを追加している。 - FY2018-Q3初出有価証券報告書
「当社グループは、生産能力の向上及び増強に努めておりますが、生産能力が計画通りに向上する保証はありません。また、当社グループは、生産能力を向上させるため、特に国内の工場が位置する地域において生産業務に携わる従業員を追加的に雇用する必要がありますが、当社グループがその労働力需要を満たす能力は、多くの外部要因(工場が位置する地域において適切な従業員を確保できる可能性、当該地域の失業率、給与水準及び人口動態等)に左右されます。最近では、当社グループの特定の商品に対するお客様の需要が当社グループの生産能力を上回っており、この状況が続いた場合、当社グループが売上を増加させる機会を逸し、当社グループとお客様との関係に悪影響が及ぶか、または極端な場合、当社グループの市場シェアの低下及び競争圧力の上昇もしくはそのいずれかを引き起こす可能性があります。」
生産能力が計画どおり向上しないリスク、工場地域での追加雇用の難しさ、需要が既に生産能力を上回っている状況による販売機会損失・市場シェア低下の可能性を初めて独立したリスクとして記載している。