希少金属・中国依存による原材料調達リスク
FY2016に初出。29回の記載のうち9回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2018。直近の記載は2026-10-16。
冨士ダイスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2018年。同じテーマの他社の中央値(2025年)より7年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2022年。6社中4社が悪化側に。
直近の記載が「対処」なのは、ほかに1社。
- FY2026悪化有価証券報告書
「また、中国政府による重要鉱物の輸出規制強化の影響を受け、超硬合金の主原料であるタングステンの対日供給が、現在極めて不安定な状況となっております。」
中国政府による重要鉱物の輸出規制強化により、タングステンの対日供給が極めて不安定となったことを新たな足元の懸念として明示している。APT価格高騰も含め、原材料調達リスクの深刻さが具体化している。 - FY2026-H1対処有価証券報告書
「鋼と同程度の比重で、かつ超硬合金と同等の耐摩耗性を実現し、地政学的リスクが懸念されるレアメタルの使用量を大幅に削減した新合金「サステロイSTN30」を開発しました。」
中国等への依存や地政学的リスクが懸念されるレアメタルについて、使用量を大幅に削減する新合金を開発したことを、原材料リスクへの対応として記載している。 - FY2025顕在化有価証券報告書
「当連結会計年度の営業利益は、生産性向上・業務効率化の施策等に一定の成果があったものの、売上高の減少に加え、原材料の高騰、IT投資や人財投資の拡充により、営業利益は目標比52.1%減の488百万円となりました。」
原材料高騰がIT投資・人財投資の拡充とともに営業利益の減少要因として実際の通期業績に現れている。 - FY2025-H1顕在化有価証券報告書
「また利益につきましては、生産性向上・業務効率化の施策等に一定の成果があったものの、原材料の高騰、IT投資や人財投資の拡充により、営業利益は291百万円(前中間連結会計期間と比べ34.0%減)、経常利益は394百万円(前中間連結会計期間と比べ21.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は250百万円(前中間連結会計期間と比べ34.2%減)となりました。」
原材料の高騰が、IT投資・人財投資の拡充とともに営業利益等の減少要因として実際の中間業績に現れている。 - FY2024対処有価証券報告書
「また、原料相場の高騰や為替の変動、調達リスクへの対策及び環境への配慮等も踏まえ、リサイクル原料の購入も計画的に実施しております。」
原材料在庫、原材料調達連絡会、調達先CSR調査、新規調達先の検討に加え、リサイクル原料の計画的購入を対応策として追加している。 - FY2024-Q3悪化有価証券報告書
「当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限の緩和等による経済活動の正常化が進み、景気は穏やかに回復しているものの、ウクライナ情勢に伴う資源・エネルギー価格の高騰や世界的な物価上昇、中東での紛争の発生、長引く円安や中国経済の減速等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。」
従来の資源・エネルギー価格高騰や為替変動に加え、中東での紛争、長引く円安、中国経済の減速を明示し、原材料調達・価格面の外部リスクを拡大している。 - FY2024-Q2悪化有価証券報告書
「新型コロナウイルス感染症に関する行動制限の緩和等による経済活動の正常化が進み、景気は穏やかに回復しているものの、ウクライナ情勢に伴う資源・エネルギー価格の高騰や世界的な物価上昇、各国の金融引き締めによる急激な為替変動、中国経済の減速等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。」
従来の資源価格・エネルギー価格高騰に加え、世界的な物価上昇と金融引き締めによる急激な為替変動を明示し、原材料調達・価格面の外部リスクを拡大して記載している。 - FY2024-Q1再掲有価証券報告書
「当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に象徴されるように、コロナ禍からの正常化の動きが強まる方向にあり、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられたものの、依然としてウクライナ情勢の長期化による資源価格や物価の上昇、世界的な金融引き締めの影響等により、景気の先行きは不透明な状態が続きました。」
ウクライナ情勢の長期化による資源価格上昇を含む原材料・エネルギー価格面の不透明感を継続して記載している。 - FY2023対処有価証券報告書
「なお、前述のリスクへの対応策として一定量の原材料在庫を社内に保有すると共に、原材料調達連絡会を定期的に開催し、関連部署間による各種課題の情報共有や具体的な対応策の検討等を行っております。さらに、原材料の調達先を対象にCSR調査を実施し、紛争鉱物への対応や環境への配慮等の社会的責任の観点も踏まえ、調達先との連携を強化するとともに、継続的な新規調達先の検討等、原材料の安定調達に向けた活動を行っております。」
原材料在庫、原材料調達連絡会、調達先CSR調査、調達先との連携、新規調達先の検討を対応策として具体化している。 - FY2023-Q3悪化有価証券報告書
「当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する規制が緩和され、経済活動との両立が進展したことにより持ち直しました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や中国経済の不振、欧米各国の利上げによって、資源価格の高騰や為替相場の変動リスクの影響を受けるなど、依然として先行きが不透明な状態が続いております。」
ウクライナ情勢の長期化、中国経済の不振、欧米の利上げにより資源価格が高騰し、為替相場の変動リスクも生じていると記載している。 - FY2023-Q1再掲有価証券報告書
「当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の防疫と経済活動の両立を図り、一部で持ち直しの動きがみられたものの、変異株による感染再拡大や、ロシア、ウクライナ情勢による原材料価格やエネルギー価格の高騰など、依然として先行きが不透明な状況が続いております。」
ロシア・ウクライナ情勢に伴う原材料価格・エネルギー価格の高騰を含む外部環境の不透明さを継続して記載している。 - FY2022悪化有価証券報告書
「タングステンカーバイド、コバルトの需給が世界的に逼迫して原料相場が高騰した場合、あるいは為替が円安になった場合、原材料費が上昇し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。」
希少金属の需給逼迫・原料相場高騰・円安による原材料費上昇リスクを明示し、ウクライナ情勢等による価格高騰懸念とも結び付いている。 - FY2020悪化有価証券報告書
「またタングステンカーバイドの調達はそのほとんどを中国からの輸入に、コバルトは粗原料をアフリカでの産出、中間原料の精錬を中国での生産に依存しております。中国やアフリカの政治・経済情勢等の変化、社会的混乱が発生した場合、生産の停止、物流の停滞等によりタングステンカーバイド及びコバルトが調達できなくなった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。」
従来の中国依存に加え、コバルトについてアフリカでの粗原料産出と中国での精錬への依存を具体化し、伝染病や社会的混乱も含む調達停止リスクを明示している。一方、在庫保有や中国以外を含む複数調達先の確保にも取り組んでいる。 - FY2020-Q1顕在化有価証券報告書
「その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は4,379百万円(前年同期比3.7%減)となりました。利益につきましては、売上高の減少及び材料費の高騰等により、営業利益は198百万円(前年同期比48.1%減)、経常利益は247百万円(前年同期比33.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、172百万円(前年同期比32.2%減)となりました。」
材料費の高騰等が営業利益を前年同期比48.1%減少させる要因として実績に現れており、原材料価格上昇リスクの影響が継続して発生している。 - FY2019顕在化有価証券報告書
「コスト面におきましては、当社グループの原材料であるタングステンカーバイド、コバルト等のレアメタルの価格は高止まりが続いており、物流コスト等の負担も増加し、製造コストは増加しております。」
レアメタル価格の高止まりと物流コスト負担の増加が製造コスト増加として実績に現れており、営業利益は前年比13.2%減となった。 - FY2019-Q3顕在化有価証券報告書
「その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は13,777百万円(前年同期比3.9%増)となりました。利益につきましては、材料費の高騰等により営業利益は1,053百万円(前年同期比11.5%減)、経常利益は1,127百万円(前年同期比6.7%減)となりましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前期の減益要因であった連結子会社の減損損失がなくなったこと等により831百万円(前年同期比7.5%増)となりました。」
材料費の高騰等が営業利益を前年同期比11.5%減少させる要因として実績に現れており、原材料価格上昇リスクの影響を改めて確認している。 - FY2019-Q2顕在化有価証券報告書
「その結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は9,122百万円(前年同期比3.6%増)となりました。利益につきましては、材料費の高騰等により営業利益は705百万円(前年同期比10.3%減)、経常利益は767百万円(前年同期比2.6%減)となりました。」
材料費の高騰等が営業利益を前年同期比10.3%減少させる要因として実績に現れており、原材料価格上昇リスクの影響を改めて確認している。 - FY2018顕在化有価証券報告書
「当社グループの原材料であるタングステンカーバイド、コバルト等のレアメタルの価格が上昇した影響で材料費が増加しており、当社グループの営業利益を押し下げる一因となっております。これにつきましては、今後も上昇傾向が続くことが懸念されており、当社グループのリスク要因の一つであると認識しております。」
レアメタル価格の上昇が材料費増加および営業利益の押し下げ要因として実際に発生したと記載している。 - FY2016初出有価証券報告書
「当社グループの主力製品であります超硬工具は、産出地や生産量が限定されるタングステンカーバイド、コバルト等といった稀少な金属を原材料としております。また当社グループの主要原材料であるタングステンカーバイドは、その調達のほとんどを中国からの輸入に依存しております。」
希少金属の供給制約、価格高騰、円安、中国の政治・経済情勢や法改正による調達不能を想定し、一定の原材料在庫を保有している。