新工場投資の回収遅延・固定資産減損リスク
FY2020に初出。16回の記載のうち6回が「対処」で、最初の「対処」はFY2024-Q1。直近の記載はFY2026。
アドバネクスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2020年。同じテーマの他社の中央値(2022年)より2年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2024年。25社中10社が悪化側に。
直近の記載が「対処」なのは、ほかに7社。
- FY2026対処有価証券報告書
「減損の兆候があると判断し、減損損失の認識の要否について検討を行った資産グループ5拠点(帳簿価額合計3,050,082千円)について、事業計画に基づく割引前将来キャッシュ・フローの総額及び正味売却価額が資産グループの固定資産の帳簿価額を上回ったため減損損失は計上しておりません。」
5拠点、帳簿価額合計30億5,008万2千円について減損要否を検討したが、回収可能性が帳簿価額を上回り、当期の減損損失は計上していない。 - 2026-05-15対処決算
「当連結会計年度は、固定資産の減損損失を計上しておりません。」
当期は固定資産の減損損失を計上していない。 - FY2025対処有価証券報告書
「減損の兆候があると判断し、減損損失の認識の要否について検討を行った資産グループ6拠点(帳簿価額合計3,128,786千円)について、事業計画に基づく割引前将来キャッシュ・フローの総額及び正味売却価額を資産グループの固定資産の帳簿価額と比較した結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額及び正味売却価額が資産グループの固定資産の帳簿価額を上回ったため減損損失は計上しておりません。」
6拠点、帳簿価額合計31億28百万円について減損要否を検討したが、回収可能性が帳簿価額を上回り、当期の減損損失は計上していない。 - FY2024顕在化有価証券報告書
「当社の子会社であるAdvanex de Mexico S. de R. L. de C. V.及びAdvanex (Singapore)Pte. Ltd.は、正味売却価額が資産グループの固定資産の帳簿価額を下回ったため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しました。」
メキシコ工場95,757千円、シンガポール工場4,562千円、合計100,319千円の減損損失を計上した。新工場投資の回収遅延・固定資産減損リスクが複数拠点で実際に発生した。 - FY2024-Q3対処有価証券報告書
「アメリカ・メキシコ工場において自動車・医療向けの生産立ち上げが進んだことから売上高は前年同四半期比52.5%増の31億82百万円となりました。セグメント損失は、メキシコペソ高により固定費等が増加したもののアメリカ工場の収益改善が進んだことから3億28百万円(前年同四半期は7億46百万円の損失)と赤字幅を圧縮しました。」
新工場投資について生産立ち上げと収益改善が進み、米州セグメントの赤字幅が前年同期から縮小した。 - FY2024-Q2対処有価証券報告書
「アメリカ・メキシコ工場において自動車・医療向けの生産立ち上げが進んだことから売上高は前年同四半期比58.0%増の21億62百万円となりました。セグメント損失は、メキシコペソ高により固定費等が増加したもののアメリカ工場の収益改善が進んだことから1億63百万円(前年同四半期は5億46百万円の損失)と赤字幅は圧縮しました。」
新工場投資に関して生産立ち上げと収益改善が進み、米州セグメントの赤字幅が前年同期から縮小した。 - FY2024-Q1対処有価証券報告書
「アメリカ・メキシコ工場において自動車・医療向けの生産立ち上げが進んだことから売上高は前年同四半期比53.7%増の10億7百万円となりました。セグメント損失は、メキシコペソ高により固定費等が増加したもののアメリカ・メキシコ工場共に収益改善が進んだことから84百万円(前年同四半期は2億83百万円の損失)と赤字幅を圧縮しました。」
メキシコ減損後の新工場投資について、アメリカ・メキシコ工場の生産立ち上げと収益改善が進み、米州セグメントの赤字幅が縮小した。 - FY2023メキシコ減損後も新工場黒字化見通し有価証券報告書
「メキシコ工場は新規受注獲得から量産(販売)開始まで一定期間を要する自動車向け製品がメインのため、宿命的に投資と回収のタイムラグに伴う先行投資負担が嵩み業績が悪化していたことから、2023年5月12日に公表したとおり減損処理を行いました。」
新工場投資の回収遅延と減損リスクについて、メキシコ工場で前期に減損処理を行ったことを改めて説明する一方、アメリカ・インド・チェコなどでは黒字化の目途が立ってきたとの見通しを示している。当連結会計年度の減損損失計上はない。 - FY2023-Q3悪化有価証券報告書
「テネシー新工場の操業遅延があったものの、円安の影響もあり売上高は前年同四半期比4.3%増の20億87百万円となりました。セグメント損失は、テネシー新工場の操業遅延や材料費高騰の影響などもあり7億46百万円(前年同四半期は4億67百万円の損失)となりました。」
新工場投資について、テネシー新工場の操業遅延が継続し、米州セグメントの損失が前年同期比で拡大した。 - FY2023-Q1悪化有価証券報告書
「アメリカ子会社のテネシー新工場の操業遅延があったものの、メキシコ工場の生産立上げが進んだことから、売上高は前年同四半期比9.7%増の6億55百万円となりました。セグメント損失は、テネシー新工場の操業遅延や原材料費高騰の影響などもあり2億83百万円(前年同四半期は2億22百万円の損失)となりました。」
新工場投資に関して、テネシー新工場の操業遅延が実際のセグメント損失要因として記載された。 - FY2022顕在化有価証券報告書
「当社子会社Advanex de Mexico S.de R.L.de C.V.は帳簿価額を下回ったため特別損失に減損損失として計上しております。」
新工場投資の回収遅延・固定資産減損リスクについて、メキシコ子会社の生産設備で回収可能価額が帳簿価額を下回り、38,191千円の減損損失が実際に計上された。 - FY2021悪化有価証券報告書
「一方、それら新工場は新規受注獲得から量産(販売)開始まで数年の時間を要する自動車向け製品がメインのため、宿命的に投資と回収のタイムラグに伴う先行投資負担が嵩み近年は業績が悪化し、固定資産の減損リスクが出てきております。」
新工場の投資回収に時間を要し、先行投資負担と固定資産減損リスクが生じていると明示された。一方、7拠点については将来キャッシュ・フローが帳簿価額を上回るとして減損損失を計上していない。 - FY2021-Q3再掲有価証券報告書
「上記影響があるものの、当連結会計年度内には回復が進んでいくものと仮定し、固定資産の減損損失等の会計上の見積りを行っております。なお、この仮定は不確実性が高く、その影響が長期化した場合には、将来において損失が発生する可能性があります。」
新型コロナウイルスによる生産・売上減少を前提に、当連結会計年度内の回復を仮定して固定資産減損等を見積もる方針が継続している。不確実性と長期化時の損失可能性も再掲された。 - FY2021-Q2後退有価証券報告書
「上記影響があるものの、当連結会計年度内には回復が進んでいくものと仮定し、固定資産の減損損失等の会計上の見積りを行っております。なお、この仮定は不確実性が高く、その影響が長期化した場合には、将来において損失が発生する可能性があります。」
主要取引先の稼働停止による生産・売上減少を前提としつつ、回復時期の仮定は『第2四半期から』ではなく『当連結会計年度内』と記載された。不確実性が高く、影響長期化時の損失可能性も引き続き明示している。 - FY2021-Q1悪化有価証券報告書
「上記影響があるものの、当連結会計年度の第2四半期から回復が進んでいくものと仮定し、固定資産の減損損失等の会計上の見積りを行っております。なお、この仮定は不確実性が高く、その影響が長期化した場合には、将来において損失が発生する可能性があります。」
新型コロナウイルスの影響による主要取引先の稼働停止・生産販売減少を前提に、固定資産減損等の見積りを行っている。第2四半期からの回復を仮定する一方、その仮定は不確実性が高く、長期化時の損失可能性を明記した。 - FY2020初出有価証券報告書
「当社グループは、国内に5ヵ所、海外に15ヵ所の生産拠点があり、それぞれにおいて有形固定資産、ソフトウエアやのれんなど多くの固定資産を有しています。自動車向け製品は新規受注獲得から量産(販売)開始まで数年の時間を要することから、経営環境の変化等で当初計画していた収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなった場合には、帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上することとなるため、当社グループの業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。」
国内5拠点・海外15拠点の固定資産と、自動車向け投資の回収に数年を要する構造を背景に、収益性低下時の減損リスクを初めて独立した主要リスクとして記載している。