石綿健康障害に関する補償・訴訟リスクの顕在化
FY2016に初出。31回の記載のうち12回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2017。直近の記載は2026-08-06。
エーアンドエーマテリアルがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2016年。同じテーマの他社の中央値(2020年)より4年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2020年。6社中4社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに2社。
- 2026-08-06悪化決算
「当連結会計年度において、新たに和解案の提示を受けた訴訟等に対し訴訟損失引当金繰入額217百万円(前連結会計年度128百万円)を計上し、和解が成立した訴訟の和解金155百万円を訴訟損失引当金から取崩しており、これにより、2026年6月30日現在、連結貸借対照表に訴訟損失引当金209百万円(前連結会計年度155百万円)を計上しております。」
新たな和解案に対する引当金繰入額を計上し、訴訟損失引当金残高が前年度末から増加している。 - FY2026対処有価証券報告書
「当社は当連結会計年度において、新たに和解案の提示を受けた訴訟等に対し訴訟損失引当金繰入額128百万円(前連結会計年度2,097百万円)を計上し、和解が成立した訴訟の和解金2,070百万円を訴訟損失引当金から取崩しております。これにより2026年3月31日現在、連結貸借対照表に訴訟損失引当金155百万円(前連結会計年度2,097百万円)を計上しております。」
複数訴訟で和解が成立し、和解金2,070百万円を引当金から取り崩した結果、訴訟損失引当金残高は2,097百万円から155百万円へ減少した。新たな和解案に対する128百万円の追加引当は残っている。 - FY2026-H1対処有価証券報告書
「建設アスベスト訴訟(東京第1陣)について、2025年8月7日に和解が成立し和解金が確定しました。これに伴い、確定した和解金と訴訟損失引当金との差額9百万円を訴訟損失引当金繰入額に計上しております。また、和解金1,216百万円を訴訟損失引当金から取崩し、流動負債のその他に計上しております。東京第2陣集団訴訟についても、2025年8月7日に和解が成立し、和解金434百万円を訴訟損失引当金から取崩しました。大阪第2陣・3陣集団訴訟については、2025年8月8日に和解が成立し、和解金331百万円を訴訟損失引当金から取崩し、和解が成立した原告に対し支払いしております。」
東京第1陣・第2陣および大阪第2陣・第3陣で和解が成立し、合計1,981百万円の和解金について引当金取崩し・支払いが進んだ。期末の訴訟損失引当金は前年度末2,097百万円から224百万円へ減少した。一方、京都第2陣では和解案に備えて88百万円を新たに計上しており、訴訟リスクは残っている。 - FY2025悪化有価証券報告書
「当社は当連結会計年度の連結損益計算書に訴訟損失引当金繰入額2,097百万円(前連結会計年度9百万円)を計上しており、2025年3月31日現在、連結貸借対照表に訴訟損失引当金2,097百万円(前連結会計年度4百万円)を計上しております。」「東京第1陣集団訴訟」について、和解案のとおりに合意に至った場合に備え、訴訟損失引当金1,206百万円を計上しております。」
訴訟損失引当金が前年度の4百万円から2,097百万円へ大幅に増加した。東京第1陣、東京第2陣、大阪第2陣・第3陣の和解案等に備えた引当計上も行われ、訴訟リスクの金額的影響が拡大している。 - FY2025-H1悪化有価証券報告書
「札幌第2陣集団訴訟 2024年9月26日札幌高等裁判所から、当社を含めた企業3社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払いを命じる判決の言渡しがありました。これに対し、当社は、最高裁判所に上告しておりますが、原判決どおりに確定した場合に備え訴訟損失引当金135百万円を計上しております。」
札幌第2陣集団訴訟で企業3社への支払命令が示され、当社は上告するとともに、判決確定に備えて135百万円の訴訟損失引当金を計上している。 - FY2024顕在化有価証券報告書
「2024年2月21日最高裁判所から上告棄却・不受理決定がなされたため、各企業間で連帯債務とされた損害賠償金等の負担額を協議し、訴訟損失引当金繰入額5百万円を計上しております。また、原判決が確定した原告に対して、損害賠償金及び遅延損害金113百万円を支払うとともに訴訟損失引当金を同額取崩しております。」
札幌第1陣集団訴訟で最高裁の上告棄却・不受理が決定し、損害賠償金等113百万円の支払いと同額の引当金取崩しが発生した。期末訴訟損失引当金は4百万円となっている一方、新たな訴訟・判決による影響可能性は継続している。 - FY2024-Q3顕在化有価証券報告書
「訴訟損失引当金繰入額 4百万円」「石綿健康障害補償金 87百万円」
石綿関連訴訟について訴訟損失引当金4百万円を計上し、石綿健康障害補償金87百万円も特別損失として計上している。補償費用と訴訟関連費用の発生が続いている。 - FY2024-Q2顕在化有価証券報告書
「2021年5月17日最高裁判所より、原判決が破棄され審理が差戻しとなっていた部分について、2023年5月31日東京高等裁判所から、当社を含めた企業3社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払いを命じる判決の言渡しがありました。これに対し、当社は最高裁判所に上告しておりますが、原判決どおりに確定した場合に備え、訴訟損失引当金4百万円を計上しております。」
差戻し審で企業3社への支払命令が示され、当社は上告するとともに4百万円の訴訟損失引当金を計上している。加えて、当四半期累計で石綿健康障害補償金65百万円を計上している。 - FY2024-Q1悪化有価証券報告書
「2021年5月17日最高裁判所より、原判決が破棄され審理が差戻しとなっていた部分について、2023年5月31日東京高等裁判所から、当社を含めた企業3社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払いを命じる判決の言渡しがありました。これに対し、当社は最高裁判所に上告しておりますが、原判決どおりに確定した場合に備え、訴訟損失引当金4百万円を計上しております。」
差戻し審で企業3社への支払命令が示され、当社は上告するとともに、判決確定に備え4百万円の訴訟損失引当金を計上している。 - FY2023-Q2顕在化有価証券報告書
「当第2四半期連結累計期間において、損害賠償金の支払額304百万円、石綿健康障害補償金41百万円を計上しております。」「2022年5月30日札幌高等裁判所から、当社を含めた企業4社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払いを命じる判決の言渡しがありました。これに対し、当社は、最高裁判所に上告しておりますが、原判決どおりに確定した場合に備え訴訟損失引当金107百万円を計上しております。」
アスベスト訴訟について損害賠償金304百万円の支払いと補償金41百万円の計上が発生し、札幌第1陣では107百万円の訴訟損失引当金も計上している。 - FY2023-Q1悪化有価証券報告書
「2022年5月30日札幌高等裁判所から、当社を含めた企業4社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払いを命じる判決の言渡しがありました。これに対し、当社は、最高裁判所に上告しておりますが、原判決どおりに確定した場合に備え訴訟損失引当金107百万円を計上しております。」「当社の上告が受理され、係属中となっていた部分について2022年6月3日最高裁判所から、その一部につき、当社に対する損害賠償は認めない判決の言渡しがあり、その一部につき、原判決は破棄され審理は差戻しとなりました。これに対し、当社は訴訟損失引当金50百万円を取崩しております。」
札幌第1陣集団訴訟で企業4社への支払命令と107百万円の引当計上が新たに生じた。一方、横浜第2陣では一部について損害賠償が認められず、50百万円の引当金を取り崩しており、訴訟ごとに判断と引当が進展している。 - FY2022対処有価証券報告書
「当社は当連結会計年度の連結損益計算書に訴訟損失引当金戻入額19百万円、訴訟損失引当金繰入額5百万円を計上しており、損害賠償金198百万円を支払うとともに訴訟損失引当金を503百万円取崩した結果、2022年3月31日現在、連結貸借対照表に訴訟損失引当金50百万円(前期567百万円)を計上しております。」
アスベスト訴訟では損害賠償金198百万円を支払い、引当金を503百万円取り崩した結果、期末引当金残高が567百万円から50百万円に減少した。一方、東京第1陣、横浜第2陣の係属案件や翌年度の新たな判決も記載されており、リスク自体は継続している。 - FY2022-Q1顕在化有価証券報告書
「建設アスベスト横浜第1陣集団訴訟については、最高裁判所より上告棄却・不受理決定がなされたため、損失引当金を145百万円取崩しております。これにより、原判決が確定した原告に対して、損害賠償金及び遅延損害金の支払いをしております。」
横浜第1陣集団訴訟で最高裁の上告棄却・不受理決定を受け、145百万円の損失引当金を取り崩す一方、確定原告への損害賠償金・遅延損害金の支払いが発生している。石綿健康障害補償金96百万円も特別損失に計上している。 - FY2021悪化有価証券報告書
「当社は当連結会計年度の連結損益計算書に訴訟損失引当金繰入額369百万円を計上しており、2021年3月31日現在、連結貸借対照表に訴訟損失引当金567百万円を計上しております。」「また、原告の上告に対し、2021年5月17日最高裁判所から、その一部につき、当社を含めた企業3社に対して損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を命ずる判決の言渡しがあり、」
アスベスト訴訟について、当年度に369百万円の引当金繰入れ、期末に567百万円の訴訟損失引当金を計上した。さらに最高裁判決による支払命令・審理差戻しも記載され、費用・法的進展が拡大している。 - FY2021-Q3悪化有価証券報告書
「これにより原判決が確定した一部の原告に対して、損害賠償金及び遅延損害金を支払いしております。また、上告審として受理されたものについては、2020年10月22日に最高裁判所において口頭弁論期日が開かれましたが、原判決どおりに確定した場合に備え訴訟損失引当金145百万円を計上しております。」「これに対する当社の上告申立ては、2021年1月28日最高裁判所より棄却され、上告受理の申立ては上告審として受理しない旨が決定されたことにより原判決が確定しました。」
横浜第1陣では一部原告への賠償金支払いが発生し、京都第1陣では最高裁の棄却等により原判決が確定した。訴訟損失引当金の計上も継続しており、訴訟リスクが実際の支払・判決確定として進展している。 - FY2021-Q2悪化有価証券報告書
「1)横浜第1陣集団訴訟 2017年10月27日東京高等裁判所から、国及び当社を含めた企業4社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を命ずる判決の言渡しがありました。これに対する当社の上告提起は、2020年8月6日最高裁判所より棄却され、上告受理の申立は一部を除き上告審として受理しない旨が決定されました。併せて、2020年10月22日に最高裁判所において口頭弁論期日が開かれましたが、原判決どおりに確定した場合に備え訴訟損失引当金160百万円を計上しております。」「6)横浜第2陣集団訴訟 2020年8月28日東京高等裁判所から、国及び当社を含めた企業3社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を命ずる判決の言渡しがありました。これに対し、当社は、最高裁判所に上告提起及び上告受理の申立をしておりますが、原判決どおりに確定した場合に備え訴訟損失引当金356百万円を計上しております。」
横浜第1陣訴訟では上告提起の棄却等が記載され、横浜第2陣訴訟では企業3社への支払命令と、判決確定に備えた356百万円の訴訟損失引当金が新たに計上されている。 - FY2021-Q1顕在化有価証券報告書
「石綿健康障害補償金 14」
石綿健康障害に関する補償金14百万円を当第1四半期の特別損失として計上しており、補償費用の発生が継続している。 - FY2020対処有価証券報告書
「上記に記載のとおり個々の高等裁判所の判決に基づき、訴訟損失引当金を計上しておりますので、最高裁判所の判決が確定した場合においても、損益に与える影響は一定の範囲に留まるものと考えております。」
係属中のアスベスト訴訟と引当金計上を継続する一方、最高裁判決が確定した場合の損益影響は一定範囲に留まるとの見通しを示している。 - FY2020-Q3悪化有価証券報告書
「5)福岡第1陣集団訴訟 2019年11月11日福岡高等裁判所から、国及び当社を含めた企業4社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を命ずる判決の言渡しがありました。これに対し、当社は、最高裁判所に上告提起及び上告受理の申立をしておりますが、原判決どおりに確定した場合に備え訴訟損失引当金65百万円を計上しております。」
福岡第1陣集団訴訟で企業4社への支払命令が示され、判決確定に備えて65百万円の訴訟損失引当金を追加計上しており、訴訟リスクが広がっている。 - FY2020-Q1顕在化有価証券報告書
「石綿による健康障害により死亡、あるいは治療中の方で労災認定され、当社事業との因果関係が特定された方に対する補償金であります。」
石綿健康障害に関する補償金20百万円を当第1四半期の特別損失として計上しており、補償費用の発生が継続している。 - FY2019-Q3顕在化有価証券報告書
「石綿による健康障害により死亡、あるいは治療中の方で労災認定され、当社事業との因果関係が特定された方に対する補償金であります。」
石綿健康障害補償金74百万円を特別損失として計上しており、係属中の訴訟・引当金に加えて補償費用の発生が当四半期累計期間にも現れている。 - FY2019-Q2悪化有価証券報告書
「3)京都第1陣集団訴訟 平成30年8月31日大阪高等裁判所から、国及び当社を含めた企業10社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を命ずる判決の言渡しがありました。これに対し、当社は、最高裁判所に上告提起及び上告受理の申立をしておりますが、原判決どおりに確定した場合に備え訴訟損失引当金41百万円を計上しております。4)大阪第1陣集団訴訟 平成30年9月20日大阪高等裁判所から、国及び当社を含めた企業8社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を命ずる判決の言渡しがありました。これに対し、当社は、最高裁判所に上告提起及び上告受理の申立をしておりますが、原判決どおりに確定した場合に備え訴訟損失引当金44百万円を計上しております。」
京都第1陣および大阪第1陣で企業への支払命令が示され、判決確定に備え41百万円と44百万円の訴訟損失引当金を追加計上している。 - FY2019-Q1再掲有価証券報告書
「当社は、当第1四半期連結会計期間末現在において、建設作業などに従事してアスベスト関連疾患に罹患したとする者を原告、国及び当社を含め企業40数社を被告とし、国に対しては国家賠償法に基づく国家賠償責任に基づき、企業に対しては民法の定める不法行為責任又は製造物責任法に定める製造物責任に基づき、損害賠償を求める訴訟の提起を受けております。」
アスベスト関連訴訟について、企業40数社を被告とする係属中の訴訟と、横浜第1陣に関する160百万円の訴訟損失引当金を含む従来の状況を継続して開示している。 - FY2018訴訟判断が分化有価証券報告書
「このうち、「横浜第1陣集団訴訟」の控訴審において、平成29年10月27日東京高等裁判所から、国及び当社を含めた企業4社に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を命ずる判決の言渡しがありました。」「その一方で、「東京第1陣集団訴訟」の控訴審では、東京高等裁判所は平成30年3月14日、1審判決と同様に企業に対する損害賠償は認めないとの判決を言渡しています。」
横浜第1陣では企業4社への支払命令を受け160百万円の訴訟損失引当金を計上する一方、東京第1陣では企業への損害賠償を認めない判決が示され、訴訟判断の内容が分化している。 - FY2018-Q3顕在化有価証券報告書
「石綿による健康障害により死亡、あるいは治療中の方で労災認定され、当社事業との因果関係が特定された方に対する補償金であります。」
石綿健康障害に関する補償金52百万円を特別損失として計上しており、従来の訴訟・補償リスクが実際の費用発生として現れている。 - FY2018-Q2悪化有価証券報告書
「主に神奈川県内において建設作業に従事してアスベスト関連疾患に罹患したとする者及びその相続人から、国及び当社を含めた企業43社に対して損害賠償を求めた裁判において、東京高等裁判所から平成29年10月27日に判決が言い渡され、国及び当社を含めた企業4社に対し損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払い命令がありました。当社としては、最高裁判所に上告提起及び上告受理の申立てをしておりますが、当判決どおりに確定した場合に備え訴訟損失引当金160百万円を計上しております。」
43社を被告とする訴訟で、東京高等裁判所が国および4社への支払いを命じ、当社は判決確定に備えて訴訟損失引当金160百万円を計上した。 - FY2017悪化有価証券報告書
「当社は、当連結会計年度末現在において、国及び当社を含めた企業40数社を被告として、いずれも建設作業などに従事してアスベスト関連疾患に罹患したとする者の原告から、損害賠償を求める訴訟の提起を受けております。」「なお、現時点では、これらの訴訟がどのように推移するか予測できませんので、今後の費用発生額を合理的に見積もることは困難であります。」
アスベスト関連訴訟について、40数社を被告とする訴訟、控訴・係属中の案件および将来費用を合理的に見積もれない状況を記載しており、リスクの広がりと不確実性を具体化している。 - FY2016顕在化有価証券報告書
「今後、石綿による健康障害に対する補償・支援費用の発生の他、損害賠償請求訴訟の提訴により、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。京都地方裁判所において、平成28年1月29日に判決が言い渡され、国及び当社を含めた企業9社に対し賠償命令がありました。」
将来費用の可能性に加え、補償金の計上、訴訟提起および9社への賠償命令という既発生事象が記載されている。