市販後副作用と製品回収リスク
FY2016に初出。10回の記載のうち6回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2020-Q3。直近の記載はFY2022-Q2。
武田薬品工業がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2019年。同じテーマの他社の中央値(2025年)より6年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2026年。20社中6社が悪化側に。
直近の記載が「顕在化」なのは、ほかに5社。
- FY2022-Q2顕在化有価証券報告書
「当社とModerna社は、2021年10月、日本での1つのロットにおいて未穿刺のバイアル内に粒子状異物があるという報告を受け自主回収した計3ロットの「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」について、調査結果を公表しました。」
Moderna社ワクチンについて、粒子状異物の報告を受け日本で3ロットの自主回収が実施され、製品回収リスクが新たに顕在化した。調査では316Lステンレススチール粒子とされ、安全性への影響はないと説明している。 - FY2021悪化有価証券報告書
「「NATPARA/NATPAR」の売上が101億円減収(△74.0%)の36億円となったことに起因します。」
NATPARAの米国回収に伴う希少代謝性疾患領域への影響が、通期売上74.0%減、売上36億円としてさらに具体化した。 - FY2021-Q3悪化有価証券報告書
「副甲状腺機能低下症治療剤「NATPARA」を2019年9月に米国において回収したことにより、同製品の売上が105億円減収(△80.8%)の25億円となったことに起因します。」
NATPARA回収の業績影響が第3四半期累計で前年同期比80.8%減、売上25億円としてさらに具体化した。 - FY2021-Q2悪化有価証券報告書
「「NATPARA」の売上は、109億円減収(△87.8%)の15億円となりました。」
NATPARA回収の影響が第2四半期累計で前年同期比87.8%減、売上15億円としてさらに拡大して現れた。 - FY2021-Q1悪化有価証券報告書
「「NATPARA」の売上は71億円減収(△90.7%)の7億円となり、これは前年同期から増減のなかった米国外の売上にあたります。」
NATPARA回収の影響が米国売上の前年同期比90.7%減、売上7億円としてさらに具体化した。 - FY2020悪化有価証券報告書
「2019年9月、当社は、「NATPARA/NATPAR」のカートリッジのゴム製隔壁部分由来のゴム小片がカートリッジ内に混入する可能性があることが判明したため、米国FDAとの協議に基づき、米国において「NATPARA」全ての用量を回収しました。当社は、2021年3月期に当該製品の米国での売上を想定しておりませんが、早期の事案解決と供給再開に向けて米国FDAと緊密に連携してまいります。」
NATPARA回収の影響について、2021年3月期の米国売上を想定しない方針を示し、製品回収リスクの業績影響がさらに具体化した。 - FY2020-Q3悪化有価証券報告書
「希少疾患領域の実質的な売上収益は、競争圧力の高まりと米国における「NATPARA」の回収の影響により△10.8%の減収となりました。なお、希少代謝性疾患領域(△3.6%)では、副甲状腺ホルモン製剤「NATPARA」(△35.5%)カートリッジのゴム製隔壁に関連する問題が判明したため、2019年9月、米国において同剤を回収しました。」
NATPARA回収の影響が希少疾患領域の実質売上10.8%減およびNATPARA売上35.5%減として数値化され、製品回収リスクの業績影響がより具体化した。 - FY2020-Q2顕在化有価証券報告書
「なお、希少代謝性疾患領域(+1.0%)では、副甲状腺ホルモン製剤「NATPARA」(△2.2%)カートリッジのゴム製隔壁に関連する問題が判明したため、本年9月、米国において同剤を回収しました。」
NATPARAのカートリッジのゴム製隔壁に関する問題が判明し、2019年9月に米国で製品回収が実施された。市販後の製品回収リスクが実際に発生した。 - FY2019再掲有価証券報告書
「新たな副作用が確認された場合には、「使用上の注意」への記載を行う、使用方法を制限するなどの処置が必要となるほか、販売中止・回収等を余儀なくされることもあり得ます。」
市販後に判明する副作用が使用制限、販売中止、回収、損失につながるリスクを引き続き記載している。 - FY2016初出有価証券報告書
「新たな副作用が確認された場合には、「使用上の注意」への記載を行う、使用方法を制限するなどの処置が必要となるほか、販売中止・回収等を余儀なくされることもあり得ます。」
承認後に判明する副作用が販売・回収・損失につながる可能性を示している。