TPP・EPA等による麦政策・国境措置の変化
FY2016に初出。14回の記載のうち10回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2017。直近の記載はFY2023。
日清製粉グループ本社がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2017年。同じテーマの他社の中央値(2024年)より7年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2020年。13社中6社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに4社。
- FY2023悪化有価証券報告書
「① 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 可能性の程度:高 影響度:大 TPP11協定、及び日EU・EPA、日米貿易協定等、国際貿易交渉の進展により貿易の自由化に向けた潮流は加速しており、今後国内事業においては、小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動、競争激化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。」
国際貿易交渉・麦政策変更リスクについて、可能性を「高」、影響度を「大」と評価し、需要変動と競争激化を明示した。 - FY2022悪化有価証券報告書
「一方で、日英包括的経済連携協定やRCEP(地域的な包括的経済連携)協定が発効し、また、TPP11協定に英国、中国等が加入申請するなど国際貿易協定は広がりを見せており、小麦関連製品の国境措置が低下し、関係国からの輸入製品との競争激化が想定されます。」
既存のTPP11・日EU・日米協定に加え、日英EPA、RCEP、英国・中国のTPP11加入申請を挙げ、自由化・競争激化の対象範囲を広げた。 - FY2021悪化有価証券報告書
「TPP11協定、日EU・EPA、並びに日米貿易協定の発効により、米国産・カナダ産・豪州産小麦のマークアップ…の引き下げが開始されました。…小麦関連製品の国境措置が低下し、関係国からの輸入製品との競争激化が想定されます。」
主要な貿易協定が発効し、小麦のマークアップ引下げが開始されたことを踏まえ、国境措置低下と輸入製品との競争激化をより具体的なリスクとして記載している。 - FY2020-Q3悪化有価証券報告書
「TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPAの発効、日米貿易協定の発効等、自由化に向けた潮流は加速しており、今後、小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。」
日米貿易協定の発効を新たに踏まえ、自由化の潮流が加速し、国境措置低下と需要変動のリスクがさらに具体化している。 - FY2020-Q2悪化有価証券報告書
「TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPAの発効、日米貿易協定の署名等、自由化に向けた潮流は加速しており、今後、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。」
日米貿易協定の署名を新たに踏まえ、自由化の潮流が加速し、国境措置低下と需要変動のリスクがさらに具体化している。 - FY2019-Q3悪化有価証券報告書
「TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPAの発効、日米物品貿易協定交渉等、自由化に向けた潮流は加速しており、今後、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。」
TPP11および日EU・EPAの発効、日米物品貿易協定交渉を踏まえ、自由化の潮流が加速していると記載し、国境措置低下と需要変動のリスクを更新している。 - FY2019-Q2再掲有価証券報告書
「日EU・EPAやTPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への署名等、自由化に向けた潮流は継続しており、今後、国際貿易交渉が急速に進展した場合、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。」
日EU・EPAおよびTPP11への署名を踏まえ、国境措置低下や需要変動が製粉・加工食品事業に影響するリスクを引き続き記載している。 - FY2019-Q1再掲有価証券報告書
「日EU・EPAやTPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への署名等、自由化に向けた潮流は継続しており、今後、国際貿易交渉が急速に進展した場合、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。」
日EU・EPAおよびTPP11への署名を踏まえ、国境措置低下や需要変動が製粉・加工食品事業に影響するリスクを引き続き記載している。 - FY2018再掲有価証券報告書
「日EU・EPAの妥結やTPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への署名等、自由化に向けた潮流は継続しており、今後、国際貿易交渉が急速に進展した場合、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動により、関連業界に影響が及ぶことが想定されます。」
日EU・EPAの妥結やTPP11署名を踏まえ、国境措置低下、需要変動、国内麦政策変更による市場混乱・業界再編のリスクを引き続き記載している。 - FY2018-Q3悪化有価証券報告書
「昨年12月の日EU・EPAの妥結や本年1月の米国を除く11カ国によるTPPの協定文の最終確定など自由化に向けた潮流は継続しており、国際貿易交渉の結果および国境措置の整合性次第では、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要動向の変化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことも予想されます。」
日EU・EPAの妥結とTPP協定文の最終確定を踏まえ、国境措置低下と需要変動のリスクがより具体化したとして記載を変更している。 - FY2018-Q2悪化有価証券報告書
「本年7月に日EU・EPAが大枠合意に至り、小麦に関しましては、現行の国家貿易制度及び枠外税率が維持されるとともに、ごく少量の関税割当枠(EU枠)が設定されました。一方、小麦粉は国家貿易による輸入枠が新設され、またパスタ、ビスケット等の小麦粉二次加工製品については年数をかけて輸入関税が撤廃されるため、国境措置は低下することとなります。」
日EU・EPAの大枠合意について、小麦粉の輸入枠新設や二次加工製品の関税撤廃など、国境措置低下につながる具体的な内容を記載し、製粉・食品事業への影響可能性を具体化している。 - FY2018-Q1悪化有価証券報告書
「平成27年10月に大筋合意したTPP(環太平洋経済連携協定)は、米国が離脱を通知したことにより、今後の行方が不透明となっておりますが、一方で、本年7月の日欧EPAの大枠合意や米国からの2国間交渉を求める動きなど自由化に向けた潮流は継続しており、国際貿易交渉の結果および国境措置の整合性次第では、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要動向の変化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことも予想されます。 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。」
日欧EPAの大枠合意を踏まえ、国境措置低下に加えて、国内の麦政策見直しによる調達・在庫・売渡方法の変更や市場混乱、業界再編の可能性までリスクを具体化している。 - FY2017悪化有価証券報告書
「平成27年10月に大筋合意したTPP(環太平洋経済連携協定)は、米国が離脱を通知したことにより、今後の行方が不透明となっておりますが、一方で、日欧EPA交渉や米国からの2国間交渉を求める動きなど自由化に向けた潮流は継続しており、国際貿易交渉が急速に進展した場合、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要動向の変化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことも予想されます。」
TPPについて米国の離脱通知により行方が不透明となった一方、EPA等の自由化交渉が続くものとして、制度変更リスクの不確実性を拡大している。 - FY2016初出有価証券報告書
「TPP(環太平洋経済連携協定)交渉の大筋合意の内容によれば、現行の国家貿易制度は維持されるものの、小麦、小麦関連製品の国境措置は低下することとなり、TPP協定発効後の制度運用等の内容及び国境措置の低下に伴う需要動向の変化によっては、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことも予想されます。」
制度変更、需要動向、市場混乱、業界再編への影響可能性を記載している。