LNG仕入価格上昇の販売価格転嫁不能リスク
FY2018に初出。8回の記載のうち4回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2025-H1。直近の記載は2026-08-06。
石油資源開発がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2024年。同じテーマの他社の中央値(2022年)より2年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2022年。8社中4社が悪化側に。
直近の記載が「顕在化」なのは、ほかに1社。
- FY2026悪化有価証券報告書
「原油価格の上昇や円安は、増収増益の要因となる一方、計画外のLNGスポット調達によるコスト増加やイラクで操業するガラフ油田の生産操業停止は、減益要因となる可能性があります。」
LNG価格・為替変動に伴う調達価格転嫁リスクについて、中東情勢を背景とする計画外のLNGスポット調達コスト増加という具体的な影響経路を追加した。 - 2026-04-17悪化発生事実
「現在、ホルムズ海峡の事実上封鎖の状態が継続していることに伴い、ペルシャ湾内から 2026 年度第1四半期に調達する計画であった LNG カーゴ 2 隻分について、他産地から代替カーゴをスポット調達済みです。これにより、当該 LNG の調達コストが中東情勢緊迫化前に比べ大幅に上昇する見込みです。」
ホルムズ海峡の事実上封鎖に対応してLNG 2隻分を他産地からスポット調達済みとし、調達コストの大幅上昇見込みを具体化している。 - FY2025顕在化有価証券報告書
「インフラ・ユーティリティ事業の11億円減益の主な要因は、液化天然ガスの販売量増加が増益要因となった一方で、天然ガスや電力の原料・燃料価格がそれぞれの販売価格に反映されるまでに発生する期ずれ差益の減少がそれを上回ったことによるものです。」
原料・燃料価格と販売価格の反映時期のずれが、インフラ・ユーティリティ事業の11億円減益として年度実績に現れた。 - FY2025-H1顕在化有価証券報告書
「日本セグメントの売上高は、液化天然ガスの販売量が増加したことなどにより、127,733百万円と前年同期に比べ16,145百万円の増収(+14.5%)となりました。セグメント利益は、原油価格の上昇や円安に伴うLNG調達コストの増加により天然ガス(LNG含む)及び電力の販売収支が悪化したことなどにより、20,544百万円と前年同期に比べ5,797百万円の減益(△22.0%)となりました。」
原油価格上昇・円安に伴うLNG調達コスト増加を販売価格等で吸収できず、天然ガス・電力の販売収支悪化と日本セグメント利益の5,797百万円減益として実績化した。 - FY2020再掲有価証券報告書
「当社は、LNGの調達価格の変動を販売価格に適切に転嫁する等の対策を講じていますが、十分な転嫁が行えず、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。」
LNG仕入価格上昇を販売価格へ転嫁できない損益リスクと、転嫁による対応策を継続している。 - FY2018初出有価証券報告書
「また、LNGの仕入価格は原油価格や為替レートの影響を受ける変動価格であり、仕入価格が高騰した場合、当社が販売価格に転嫁できなければ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。」
テイク・オア・ペイによる数量固定化リスクとは別に、LNG仕入価格の上昇を販売価格へ転嫁できない場合の損益リスクを明示している。