厚生労働省の速報で、基本給が8カ月連続で3%台の伸びを示し、名目賃金は3.8%増。実質賃金はプラスを維持し、日銀の正常化方針を後押しする材料として伝えられている。
厚生労働省が7日に公表した毎月勤労統計(速報)によると、基本給に相当する所定内給与は前年同月比3.8%増加した。8カ月連続で3%以上となるのは1992年10月以来で、名目賃金の現金給与総額も3.8%増え市場予想を上回った。
実質賃金は、持ち家の帰属家賃を除くCPIベースで1.5%増となり、8カ月連続のプラスが続いている。CPI総合ベースでも1.9%増と9カ月連続のプラスだった。厚労省は、所定内給与の着実な増加と実質賃金の持ち直しを指摘した。
日銀は9月の金融政策決定会合で政策金利を1.25%程度へ引き上げた。賃金の堅調な伸びを背景に、利上げ路線を維持・緩和度合いを調整する方針で、今回の賃金動向は金融政策正常化の材料となり得る。
みずほ証券の片木亮介マーケットエコノミストは、春闘を反映して堅調な結果が続くとの評価を示し、賃金が日銀の想定する経路に沿っているとの分析を示した。次回利上げは来年1月が中心だが、12月前倒しの可能性もあるとの見方を示した。
高市早苗首相は物価高に負けない賃上げの継続を重視しており、政府対策の効果もあって賃金の動向が安定していると説明した。今春闘の平均賃上げ率は連合の目標を3年連続で達成し、26年度の最低賃金引き上げも進んでいる。