2日で円が5円超急騰し155円台に突入。日米金利差縮小観測と日銀の利上げ期待、GPIFの円資産拡大観測が重なり、キャリートレードの巻き戻し警戒感が高まった。次の焦点は米国の雇用統計と日銀の動向である。
1ドル=160円台前半まで下落していた円相場が、2日間で約5円の円高に転じて155円台へ突入した。背景には日銀の年内追加利上げ観測とGPIFによる円資産拡大の思惑があり、これまで円安を促してきた投機的ポジションの巻き戻しが進んだと見られる。
日銀の髙田創審議委員のタカ派的発言と、FRBのウォラー理事が利上げ見送りを支持する意向を示したことが重なり、日米金利差の縮小期待が市場を動かした。市場関係者の中には、155円の節目を割り込めば円高が連鎖するとの警戒感が広がっている。次の焦点として米国の8月雇用統計が挙げられている。
円高の分水嶺となった200日移動平均線を市場が越えると、投資家の円売りポジションの戻りが進み、円高が加速するとの見方が出た。日銀の介入観測も浮上したが、実際には日次勘定資料での介入痕跡は確認されていない。
円キャリートレードの巻き戻し兆候も指摘され、円を高金利通貨に借りて投資する取引の縮小が円高を促すとの見方が多い。CFTCのデータや大手行の分析では、円安ポジションの規模が大きく、155円を下回る場面で巻き戻しが加速する可能性が指摘された。
GPIFの資産配分見直し観測も再浮上。GPIFに近い関係者の発言から、夏季休暇期間の会合開催が異例との指摘が出ている。一方、日銀の追加利上げが現実味を帯びるかどうかは不透明で、次の焦点は米雇用統計と日銀会合の発表に移る。