日銀審議委員を務めた野口旭教授が、景気刺激策はもはや必要なく、12月の基準金利を1.50%へ引き上げる可能性が高いと予想した。これまでの緩和政策を支持した立場からの転換を示唆する内容だ。
野口教授は、基礎的インフレ率が日銀の2%目標に近づき、賃金の上昇率と整合する水準に落ち着いたと指摘したうえで、需要を押し上げる政策を実施するのはリスクが大きすぎるとの見解を示した。リフレ政策は日本でも役割を果たせないとの認識を示した。
日銀はこれまで緩和を続けてきたが、エネルギー価格の上昇と円安の影響でインフレ圧力が強まる中、6月と9月に連続で利上げを実施した。野口教授は景気後退を避けつつ、円相場が160円を超えないよう利上げペースを速めざるを得ないと分析した。
米国の動向次第では日銀の政策金利は1.75%まで、場合によっては2%へと上昇する可能性があると予想した。一方で1.75%の水準まで耐えられるとの見方もあるが、2%到達時には家計・企業への影響が大きいとの評価だ。
財政政策にも基調転換を促し、GDPギャップがプラスに転じている現状では拡張財政を抑制すべきだと述べた。拡張的財政は民間投資を抑制し、過度な低金利が円安を招くと指摘している。