海外LNG調達における原料供給途絶
FY2017に初出。6回の記載のうち2回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2022-Q3。直近の記載はFY2024。
西部ガスホールディングスがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2022年。同じテーマの他社の中央値(2024年)より2年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2022年。8社中4社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに1社。
- FY2024悪化有価証券報告書
「ロシアのウクライナ侵攻による調達不能、調達元のLNG基地トラブル、LNG船の運航途上の事故発生等によりLNG調達が滞る場合には、都市ガスの供給に支障をきたす恐れがあるため、国内外を含めた緊急融通調達の体制構築、迅速なスポット調達の体制構築、及びLNG調達先の多様化を進めている。」
従来の基地トラブル・輸送事故に加え、ロシアのウクライナ侵攻による調達不能を明示し、供給途絶リスクの範囲を広げた。一方、緊急融通・スポット調達・調達先多様化を対応策としている。 - FY2022顕在化有価証券報告書
「調達元のLNG基地のトラブルやLNG船の運航途上の事故が発生する等によりLNG調達が滞る場合には、都市ガスの供給に支障をきたす恐れがあるため、迅速にスポット調達ができる体制の構築やLNG調達先の多様化を進めている。」
調達元トラブルに対応するスポット調達体制と調達先多様化をリスク低減策として示した。通期業績では実際にスポット市場からの代替調達による原価増加も生じている。 - FY2022-Q3顕在化有価証券報告書
「原料LNGの調達先で発生したトラブルを受け、代替の原料LNGをスポット市場から調達した影響等により売上原価が増加した。」
LNG調達先のトラブルが実際に発生し、代替原料をスポット市場から調達した結果、売上原価の増加として業績に現れた。海外LNG調達における供給途絶リスクが具体的に顕在化している。 - FY2020対処有価証券報告書
「LNGは海外より調達しているため、為替や原油価格の変動によってはコストの増加に繋がる可能性がある。また、調達元のLNG基地のトラブル、LNG船の運航途上の事故が発生するなど、LNG調達が滞る場合には、都市ガスの供給に支障をきたす恐れがある。そのため、都市ガスの原料であるLNGの調達元との契約更改・価格見直しにより、調達コストの低減に努めているとともにLNG調達先の多様化を進めている。」
海外LNGの価格・供給途絶リスクは継続しているが、契約更改・価格見直しと調達先多様化を対策として明示した。 - FY2019再掲有価証券報告書
「原料輸入元のLNG液化基地の事故やLNG船の運航途上の事故が発生するなどし、原料供給が一時的に滞る場合には、都市ガスの供給に支障をきたす恐れがある。」
海外LNG液化基地・輸送船の事故による原料供給途絶リスクを引き続き記載している。 - FY2017初出有価証券報告書
「原料輸入元のLNG液化基地の事故やLNG船の運航途上の事故が発生するなどし、原料供給が一時的に滞る場合には、都市ガスの供給に支障をきたす恐れがある。」
LNG液化基地や輸送船の事故による原料調達支障を、都市ガス供給に直結するリスクとして初めて明示した。