部品供給停滞・調達価格高騰のリスク
FY2017に初出。13回の記載のうち4回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2023-Q1。直近の記載はFY2026-H1。
島津製作所がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2024年。同じテーマの他社の中央値(2022年)より2年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2018年。31社中12社が悪化側に。
直近の記載が「顕在化」なのは、ほかに23社。
- FY2026-H1顕在化有価証券報告書
「日本では、政府の防衛力強化方針により防衛分野向け需要が増加しましたが、サプライチェーンの一部に課題が生じ、一時的に売上が減少しました。」
サプライチェーン上の供給課題が、航空機用搭載品の一時的な売上減少として実際に発生したと記載されている。 - FY2024顕在化有価証券報告書
「このような状況下で、当社グループも中国事業の成長鈍化や原材料価格の高止まり等の影響を受けましたが、」
調達・価格高騰リスクについて、原材料価格の高止まりが当年度の事業環境および業績に実際の影響を与えたと記載された。 - FY2024-Q2対処有価証券報告書
「このような経営環境のなか、ヘルスケア領域、グリーン領域で、重点機種の液体クロマトグラフ、質量分析システム、ガスクロマトグラフが増加し、加えて部品・部材不足の緩和により生産も回復しました。」
部品・部材不足による供給制約について、影響の緩和と生産回復が記載され、前年までの生産遅延・価格高騰による影響から改善方向へ更新された。 - FY2024-Q1対処有価証券報告書
「加えて部品・部材不足影響の緩和による生産の回復、前年に中国で発生した新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン影響の反動増もあり、増収となりました。」
部品・部材不足による供給制約について、影響の緩和と生産回復が記載され、前年までの生産遅延・価格高騰による影響から改善方向へ更新された。 - FY2023再定義有価証券報告書
「なお、半導体等の部品・部材不足や、中国の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、製品の生産・据付遅延が発生しましたが、2023年に入り解消の兆しが見られます。」
部材不足・供給制約が生産・据付遅延として実際に発生した一方、2023年に入り解消の兆しも記載され、リスクの状況が更新された。 - FY2023-Q3再掲有価証券報告書
「このような経営環境のもと、当社グループの売上は、部品・部材不足による生産遅延、中国の新型コロナウイルス感染拡大により製品据付遅延などの影響を受けました。また、営業利益は、コロナ禍で抑制していた人材投資・開発投資を進めたことや、中国の新型コロナウイルス感染拡大影響による売上減少、部品・部材価格高騰の影響を受けました。」
部品・部材不足による生産遅延と価格高騰が、売上や営業利益への実際の影響として引き続き記載されている。 - FY2023-Q2顕在化有価証券報告書
「当社グループの売上は、中国ロックダウンや部品・部材不足による生産遅延などにより大きな影響を受けました。また、営業利益も、コロナ禍で抑制していた人材投資・開発投資を推進したことと、中国ロックダウンによる売上減少や部品・部材の価格高騰の影響を受け厳しく推移しました。」
部材不足・供給制約のリスクが、中国ロックダウンによる生産遅延と部品・部材価格高騰による営業利益への影響として引き続き実際の業績に現れている。 - FY2023-Q1顕在化有価証券報告書
「中国におけるロックダウン、部品・部材不足の供給制約による生産遅延等の影響を受けましたが、欧州やその他アジアで液体クロマトグラフやターボ分子ポンプが堅調に推移したことや為替影響等で、増収となりました。一方で、営業利益は部品・部材価格の高騰等により減益となりました。」
従来の調達リスクとして示されていた部材不足・価格高騰が、生産遅延と営業利益の減少として実際の業績に現れている。 - FY2022悪化有価証券報告書
「新型コロナウイルス感染症の影響が続く中で、ウィズコロナの新常態が世界各国で浸透し社会経済活動の再開が進んでいるものの、半導体をはじめとしたサプライチェーンの混乱、ロシアによるウクライナ侵攻の勃発など、事業環境は先行きが見通しにくい状況にあります。」
部材不足・サプライチェーン混乱に加え、ロシアによるウクライナ侵攻が事業環境の不透明要因として明示された。 - FY2022-Q3悪化有価証券報告書
「半導体等の部材不足によるサプライチェーンの混乱が企業の生産活動に及ぼす影響が懸念され、依然不透明な状況は継続しています。」
在庫確保や代替調達先等の対応策が既に記載されている調達リスクについて、半導体等の部材不足とサプライチェーン混乱が外部環境上の懸念として明示された。 - FY2021対処有価証券報告書
「また、重要な原材料等について一定の在庫を確保するとともに、代替調達先の選定、特定調達先に依存しないよう自社における生産能力獲得等を実施しています。」
調達リスクに対し、在庫確保、代替調達先、自社生産能力の獲得という具体的な低減策が記載されている。 - FY2020再定義有価証券報告書
「しかしながら、自然災害や疫病、事故、調達先の倒産などにより、原材料等が不足または供給量が制限され当社グループの生産活動に影響を及ぼす場合があります。また、長期にわたる原材料等の供給悪化や、急激に調達価格が高騰する場合には、機会損失の発生や製品の価格競争力の低下、利益率の悪化等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。」
部品供給停滞・調達価格高騰のリスクが、自然災害・疫病・事故・調達先倒産による供給制限を含む調達リスクとして整理されている。 - FY2017初出有価証券報告書
「一部の部品について供給が滞り代替の調達先を確保できない場合や、急激に調達価格が高騰した場合には、機会損失の発生や製品の利益率の悪化等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。」
部品供給の停滞、代替調達先の確保困難、調達価格高騰による機会損失・利益率悪化のリスクが初めて記載されている。