買収子会社の超過収益力低下によるのれん減損リスク
FY2017に初出。9回の記載のうち3回が「対処」で、最初の「対処」はFY2020。直近の記載はFY2026。
日立建機がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2025年。同じテーマの他社の中央値(2024年)より1年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2023年。98社中35社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに25社。
- FY2026悪化有価証券報告書
「当連結会計年度末において、建設機械ビジネスセグメントに配分されたのれんの帳簿価額は28,483百万円です。資金生成単位ごとの使用価値は帳簿価額を上回っておりますが、仮に割引率が1.3%上昇した場合には、のれんの使用価値が帳簿価額を下回る可能性があります。」
のれん減損リスクについて、建設機械ビジネスで割引率1.3%の上昇により減損可能性が生じる感応度を示した。またH-E Parts社では5.4%、Bradken社では1.1%の上昇で可能性があると記載している。 - FY2025悪化有価証券報告書
「当連結会計年度末において資金生成単位ごとの使用価値は帳簿価額を上回っておりますが、仮に割引率がH-E Parts International LLC社で2.0%上昇した場合には、のれんの使用価値が帳簿価額を下回る可能性があります。」
H-E Parts社ののれん減損可能性が生じる割引率上昇幅は、前回記載の2.3%程度から2.0%へ縮小した。のれん減損に対する感応度が高まったことを示している。 - FY2023対処有価証券報告書
「当連結会計年度末において資金生成単位ごとの使用価値は帳簿価額を上回っておりますが、仮に割引率がH-E Parts International LLC社で2.3%、Bradken Pty Limited社で1.8%程度上昇した場合には、のれんの使用価値が帳簿価額を下回る可能性があります。」
のれん減損リスクは継続しているが、減損可能性が生じる割引率上昇幅は、前年度のH-E Parts社2%、Bradken社1.3%から、それぞれ2.3%、1.8%へ拡大した。 - FY2022対処有価証券報告書
「当連結会計年度末において資金生成単位グループごとの使用価値は帳簿価額を上回っておりますが、仮に割引率がH-E Parts International LLC社で2%、Bradken Pty Limited社で1.3%程度上昇した場合には、のれんの帳簿価額が使用価値を上回る可能性があります。」
のれん減損リスクは継続しているが、減損可能性が生じる割引率上昇幅は、前年度のH-E Parts社1.7%、Bradken社1%から、それぞれ2%、1.3%へ拡大した。 - FY2021悪化有価証券報告書
「当連結会計年度末において資金生成単位グループごとの使用価値は帳簿価額を上回っておりますが、仮に割引率がH-E Parts International LLC社で1.7%、Bradken Pty Limited社で1%程度上昇した場合には、のれんの帳簿価額が使用価値を上回る可能性があります。」
のれん減損リスクについて、H-E Parts社1.7%、Bradken社1%程度という会社別の感応度を示し、Bradken社では1%程度の上昇で減損可能性が示された。 - FY2020対処有価証券報告書
「当連結会計年度末において資金生成単位ごとの使用価値は帳簿価額を上回っておりますが、仮に割引率が2%程度上昇した場合には、帳簿価額が使用価値を上回る可能性があります。」
前年度に示された割引率1%程度の上昇で減損可能性という感応度から、当年度は2%程度の上昇で可能性が生じるとの記載となり、減損感応度は相対的に緩和された。 - FY2019顕在化有価証券報告書
「当連結会計年度末において資金生成単位ごとの使用価値は帳簿価額を上回っておりますが、仮に割引率が1%程度上昇した場合には、帳簿価額が使用価値を上回る可能性があります。」
のれんについて当年度に322百万円の減損損失を認識した。また、割引率が1%程度上昇すると使用価値が帳簿価額を下回る可能性が示され、減損リスクが具体化した。 - FY2018再掲有価証券報告書
「のれんが発生している連結子会社の超過収益力が低下した場合には、追加の減損損失の計上が必要になる可能性があります。」
H-E Parts社・Bradken社等の買収に伴うのれんについて、超過収益力低下による追加減損リスクを引き続き記載している。当年度の減損テストでは減損損失は認識していない。 - FY2017初出有価証券報告書
「のれんが発生している連結子会社の超過収益力が低下した場合には、追加の減損損失の計上が必要になる可能性があります。」
H-E Parts社・Bradken社等の買収によりのれん残高が増加したことを背景に、買収子会社の超過収益力低下と追加減損の可能性を新たなリスクとして記載した。