熱延コイルの市況変動と販売価格への転嫁リスク
FY2016に初出。36回の記載のうち16回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2017。直近の記載は2026-08-07。
丸一鋼管がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2017年。同じテーマの他社の中央値(2019年)より2年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2021年。28社中13社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに9社。
- FY2026HRC価格上昇・高値安定へ変化有価証券報告書
「米国の熱間圧延コイル(HRC)価格(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)が、年初765$/トンでスタートしたものが上がり始め、3月末には1,000$超の水準まで上がり、9月には900$を若干下回ったものの、年末には1,000$の水準まで戻り高値安定で推移しました。」
米国HRC価格は年初765ドルから1,000ドル超へ上昇し、高値圏で推移した。原材料価格変動とスプレッド維持への警戒が続いている。 - FY2026-H1HRC価格上昇後の高値圏推移と関税影響を注視有価証券報告書
「米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格は、1,000$/トンを超える水準からやや下がったものの足元900$/トン台前後の水準で推移しておりますが、関税政策影響や景気後退感に伴う鉄鋼市場の動向に注視してまいります。」
米国HRC価格は1,000ドル超から900ドル台前後へ調整したが、関税政策や景気後退感による市場変動を引き続き警戒している。 - FY2025顕在化有価証券報告書
「米国の熱間圧延コイル(HRC)価格が、年初1,210$/トンでスタートしたものが下がり始め、7月末には723$まで下がり続け、12月末には700$台後半で推移しました。」
HRC価格の下落が通期で継続し、北米で14億4,200万円の期末在庫評価損とスプレッド悪化が発生した。原材料価格変動リスクが業績に顕在化している。 - FY2025-H1顕在化有価証券報告書
「米国の熱間圧延コイル(HRC)価格(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)が、年初1,210$/トンでスタートしたものが下がり始め、6月末には743$まで下がり続けました。…セグメント利益も、スプレッドの悪化に加え、6月末のHRC価格の下落に伴う在庫評価損の発生もあり、1億5百万円(同97.7%減)と大幅な減益になりました。」
米国HRC価格が年初の1,210ドル/トンから6月末の743ドルまで下落し、北米で在庫評価損とスプレッド悪化が実際に発生した。価格変動リスクが業績に現れている。 - FY2024HRC価格の下落後反発と変動継続有価証券報告書
「米国のHRC価格は、年初1月の1,200$台から3月には830$台まで下がりましたが、足元900$台半ばに反転しております。アジアも同様に、コイル価格は底打ちから回復しております。」
米国HRC価格は1,200ドル台から830ドル台へ下落した後、900ドル台半ばへ反発し、アジアのコイル価格も底打ち・回復に転じた。価格変動とスプレッドへの影響は継続している。 - FY2024-Q3悪化有価証券報告書
「米国のHRC価格は、10月の700$台の下げ止まりから足元1,200$台に上昇し高止まり感があります。」
前四半期に700ドル台まで下落していた米国HRC価格が足元1,200ドル台へ上昇し、高止まり感が示されている。原材料価格の変動とスプレッド維持への警戒が続いている。 - FY2024-Q2悪化有価証券報告書
「米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格は、4月に1,300$台の水準まで回復したものの、その後下がりましたが足元700$台で下げ止まり感があります。アジアも同様に、コイル価格は下がっておりましたが、底を打った感じとなっております。」
米国HRC価格は4月の1,300ドル台から足元700ドル台まで下落し、アジアのコイル価格も下落した。前四半期の900ドル台後半からさらに低下しており、価格変動・スプレッド悪化リスクが進行した。 - FY2024-Q1HRC価格が反発後に下落し足元で下げ止まり有価証券報告書
「米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格は、4月に1,300$台の水準まで回復したものの、その後下がりましたが足元900$台後半で下げ止まり感があります。アジアも同様に、コイル価格は下がっておりましたが、底を打った感じとなっております。」
米国HRC価格は4月に1,300ドル台へ反発した後、足元では900ドル台後半まで下落し、アジアのコイル価格も底打ち感が示されている。価格変動とスプレッドへの影響が続く一方、下落は足元で一服したとの説明に変化している。 - FY2023-Q3悪化有価証券報告書
「米国のHRC価格は700$台の水準まで下がり続けており、アジアも同様に、中国のゼロコロナ政策および不動産不況による経済の落ち込みの影響で、コイル価格は下落し続けております。」
米国HRC価格が700ドル台まで下落し、アジアのコイル価格も下落が続いている。前四半期までの価格下落がさらに進み、スプレッドや在庫評価への影響が続いている。 - FY2023-Q2悪化有価証券報告書
「米国のHRC価格は、4月に1,582$/トンでスタートしたものが足元では800$台の水準まで下がり続けております。アジアも同様に、コイル価格は下落し続けております。」
米国HRC価格が1,582ドル/トンから800ドル台まで下落し、アジアのコイル価格も下落している。価格下落による在庫評価・スプレッド悪化リスクが前四半期より強まっている。 - FY2023-Q1悪化有価証券報告書
「米国のHRC価格は、4月に1,582$/トンでスタートしたものが足元では1,000$/トンを割る水準まで下がり続けております。アジアも同様に、コイル価格は下落し続けております。」
米国HRC価格が1,582ドル/トンから1,000ドル/トン未満まで下落し、アジアのコイル価格も下落している。価格下落に伴う在庫評価損やスプレッド悪化のリスクが強まっている。 - FY2022-Q3顕在化有価証券報告書
「高騰を続けていた熱間圧延コイル(HRC)価格は、昨年9月末のメトリックトン当たりUS$2,159の過去最高値から下がり始め、足元メトリックトン当たりUS$1,400台と昨年3月後半水準まで下落しております。」
過去最高値まで上昇していたHRC価格が1,400米ドル台まで実際に下落し、原材料価格の急変動リスクが顕在化した。 - FY2022-Q2悪化有価証券報告書
「また、未経験な高値レベルとなったHRC価格(現状US$2,158/トン)の下落が大きなリスクではありますが、いまだ需要環境は良好であり、注意深い運営に努めてまいります。」
HRC価格が現状2,158米ドル/トンという未経験の高値水準となり、その下落リスクを明示している。原材料価格の急変とスプレッド維持への警戒が前四半期より強まった。 - FY2022-Q1悪化有価証券報告書
「未経験な高値レベルとなったHRC価格(現状US$2,000/トン)の急落が大きなリスクであり、いずれは来る市況の悪化への対応として、木目細かな仕入・在庫量のコントロールを図り適正水準を維持して在庫保有リスクの軽減努力をしてまいります。」
米国HRC価格が現状2,000米ドル/トンという未経験の高値水準に達し、急落リスクと在庫保有リスクが明示された。 - FY2021悪化有価証券報告書
「日本国内でも、この海外の薄板需給タイト化を反映してHRC供給は非常にタイトとなり、価格面も大幅な値上がりとなりつつあり、大変厳しい情勢となっています。」
海外・国内のHRC供給が極めてタイトとなり、材料コイル価格が急激かつ大幅に上昇している。販売価格への転嫁とスプレッド維持のリスクが再び強まった。 - FY2021-Q3悪化有価証券報告書
「第4四半期、10-12月の米国の熱間圧延コイル(HRC)市況(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)は3ケ月間でUS$355/トンの値上がりとなり、例年の鉄鋼不需要期が販売・生産ともにハイレベルな活況を呈する経験したことがない年末となりました。…当社にとり原材料高が先行する展開となっています。日本国内でもこの1-3月はこの海外情勢を反映してHRC供給はタイトとなり大幅な値上がりとなりつつあり、大変厳しい情勢となっています。」
米国HRC価格が3か月で355ドル/トン上昇し、海外・国内で原材料高と供給タイト化が進行している。販売価格への転嫁とスプレッド維持に関するリスクがさらに強まっている。 - FY2021-Q2足元のスプレッド改善と下期コスト上昇懸念が併存有価証券報告書
「材料コイルの調達価格が下がりスプレッドは改善出来たものの、販売数量の減少および製造コスト負担増等から、セグメント利益は66億6千2百万円(同10.0%減)と減益になりました。」
上期は材料コイルの調達価格低下によりスプレッドが改善した一方、下期は調達価格の値上げが見込まれ、製品価格への転嫁に取り組むとしている。 - FY2021-Q1対処有価証券報告書
「材料コイルの調達価格が下がりスプレッドは改善出来たものの、販売数量の減少および製造コスト負担増等から、セグメント利益は30億1千9百万円(同18.6%減)と減益になりました。」
材料コイルの調達価格低下によりスプレッドは改善し、材料価格上昇・価格転嫁不足による従来のスプレッド悪化圧力は弱まった。一方、数量減少と製造コスト負担増による減益は発生している。 - FY2020対処有価証券報告書
「材料コイルは海外価格の見直しによりスプレッドの改善は出来たものの、数量減からの製造コスト負担増や発送費の値上がり等から、セグメント利益は155億2千8百万円(同1.5%減)と微減しました。」
材料コイル価格の上昇分を販売価格へ転嫁できずスプレッドが悪化していた局面から、材料コイルの海外価格見直しにより前年を上回るスプレッドを維持できる状態へ一時的に改善した。 - FY2020-Q3対処有価証券報告書
「材料コイルの海外調達価格は落ち着き前年並みのスプレッドは維持出来たものの、数量減からの製造コスト負担増や発送費の値上がり等から、セグメント利益は117億4百万円(同0.2%減)と微減致しました。」
材料コイルの海外調達価格が落ち着き、前年並みのスプレッドを維持できたと説明しており、材料価格上昇によるスプレッド悪化リスクは弱まっている。一方、数量減や製造コスト・発送費の上昇により微減益となった。 - FY2020-Q1対処有価証券報告書
「材料コイルの仕入価格は落ち着き前年並みのスプレッドは維持出来たものの、数量減からの製造コスト増や発送費値上がり等から、セグメント利益は37億8百万円(前年同期比3.9%減)と減益になりました。」
国内では材料コイルの仕入価格が落ち着き、前年並みのスプレッドを維持できたと説明しており、材料価格上昇による価格転嫁・スプレッド悪化リスクは一時的に弱まっている。一方、数量減や費用上昇による減益は発生している。 - FY2019顕在化有価証券報告書
「材料コイルの仕入価格が上昇する中で製品価格への転嫁は難航し、スプレッドが悪化したことからセグメント利益は157億6千8百万円(前年度比10.4%減)と減益になりました。」
材料コイル価格上昇分の価格転嫁難航とスプレッド悪化が、国内事業の通期減益として発生した。 - FY2019-Q3顕在化有価証券報告書
「材料コイルの仕入価格が上昇する中で製品価格への転嫁は難航し、スプレッドが悪化したことからセグメント利益は117億2千3百万円(前年同期比13.1%減)と減益になりました。」
材料コイル価格上昇分の製品価格への転嫁難航とスプレッド悪化が、国内セグメントの減益として実際に発生している。 - FY2019-Q2再掲有価証券報告書
「材料コイルの仕入価格が上昇する中で、荷動きが鈍化しており製品価格への転嫁は難航しました。結果、スプレッドの悪化からセグメント利益は74億6千3百万円(前年同期比17.8%減)と減益になりました。」
材料コイル価格の上昇と荷動きの鈍化により、製品価格への転嫁難航とスプレッド悪化が続いている。 - FY2019-Q1悪化有価証券報告書
「国内事業につきましては、建築向け製品を中心に需要の増加が期待されます。一方、足元でコイルの仕入価格上昇分の製品価格への転嫁が未達の中で、更なる追加値上げ圧力が強くスプレッド悪化拡大が懸念されます。」
コイル仕入価格上昇分の価格転嫁未達が続き、追加値上げ圧力とスプレッド悪化拡大への懸念を示している。 - FY2018悪化有価証券報告書
「国内外において材料価格の値上がりを販売価格へ転嫁することに鋭意取り組んでまいりましたが、これが未達の状態でスプレッドが悪化しました。」
材料価格上昇分の販売価格への転嫁未達とスプレッド悪化が通期の減益要因として実際に発生している。 - FY2018-Q3悪化有価証券報告書
「材料値上げの製品販売価格への転嫁が足元未達の中で、更なる仕入コイルの追加の値上げ圧力が強く、スプレッドの悪化拡大が懸念される一段と厳しい不透明な状況が見込まれます。」
材料コイルの値上げ転嫁未達に加え、追加値上げ圧力とスプレッド悪化拡大への懸念を示しており、リスク認識がさらに悪化している。 - FY2018-Q2悪化有価証券報告書
「材料値上げの製品販売価格への転嫁が足元未達の中で、更なる仕入コイルの追加の値上げ圧力が強く、スプレッドの更なる悪化拡大が懸念される一段と厳しい不透明な状況が見込まれます。」
材料コイルの値上げ転嫁未達に加え、追加値上げ圧力とスプレッドのさらなる悪化拡大が懸念されると記載しており、リスク認識が悪化している。 - FY2018-Q1悪化有価証券報告書
「製品価格への材料値上げの転嫁は未達の状態にありますが、売上高は数量増と単価アップにより、235億8千3百万円(前年同期比15.7%増)と増収になりました。」
材料コイルの値上げに対する製品価格への転嫁未達が続いており、今後も仕入コイルの追加値上げ圧力によりスプレッド悪化の拡大が懸念されている。 - FY2017悪化有価証券報告書
「現状、製品価格への転嫁は大幅未達状態にあります。」
材料コイル価格が第3四半期以降に上昇し、第4四半期には大幅な値上がりとなる一方、製品価格への転嫁が大幅未達と明示している。 - FY2017-Q3再掲有価証券報告書
「製品価格に転嫁すべく値上げに鋭意取り組みましたが、鉄鋼全般の需要が盛り上がらない中での値上げは難しく、見込んでいたレベルには届いておりません。」
原料高・コイル価格上昇による材料コスト増に対し、製品価格への転嫁を進めたものの、需要低迷のため想定水準に達していない。 - FY2017-Q2再掲有価証券報告書
「国内外高炉のコイル価格の値上げ圧力は強く、製品価格値上げに鋭意取り組みましたが、上期の需要は低調で建材市況が軟化する状況下での値上げは難しく、現状維持が精一杯でありました。」
コイル価格の上昇圧力に対して製品価格への転嫁を試みたものの、低調な需要と軟化した建材市況のため転嫁が難しい状況を継続している。 - FY2017-Q1再掲有価証券報告書
「内外高炉はコイル価格値上げを発表しており、当社製品は不採算取引価格の改善に努めましたが、需要が低調で市況が軟化する状況下での値上げは難しく、現状維持に注力するのが精一杯でありました。」
コイル価格の値上げに対し、低調な需要と軟調な市況のため販売価格への転嫁が難しい状況が続いている。 - FY2016初出有価証券報告書
「原材料の価格が上昇し、販売価格への転嫁が十分に図れない場合等には、連結経営成績に影響が出る可能性があります。」
熱延コイルを主要原材料とし、原材料価格上昇時の価格転嫁不足を潜在リスクとしている。