繰延税金資産の回収可能性・税制変更リスク
FY2017に初出。8回の記載のうち4回が「悪化」で、最初の「悪化」はFY2020。直近の記載はFY2025。
DICがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2021年。同じテーマの他社の中央値(2023年)より2年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2020年。62社中20社が悪化側に。
直近の記載が「悪化」なのは、ほかに16社。
- FY2025悪化有価証券報告書
「なお、繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額は、69,061百万円です。」
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異・繰越欠損金は前年度の65,936百万円から69,061百万円へ増加し、繰延税金資産の純額は負債14,451百万円となった。 - FY2024対処有価証券報告書
「なお、繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額は65,936百万円です。」
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異・繰越欠損金は前年度の68,755百万円から65,936百万円へ減少した。一方、回収可能性の不確実性は引き続き開示されている。 - FY2023悪化有価証券報告書
「なお、繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額は68,755百万円です。」
繰延税金資産に係る評価性引当額は前年度45,864百万円から68,755百万円へ増加し、繰延税金資産の純額は1,976百万円の資産から2,758百万円の負債となった。 - FY2022悪化有価証券報告書
「繰延税金資産から控除された額(評価性引当額)に重要な変動が生じており、その主な内容はサンケミカルグループの税務上の繰越欠損金に対するものです。」
評価性引当額は前年度39,818百万円から45,864百万円へ増加し、繰延税金資産純額は6,595百万円から1,976百万円へ減少した。 - FY2021顕在化有価証券報告書
「繰延税金資産を取崩し法人税等調整額に計上したため、大幅な減益となりました。」
繰延税金資産の回収可能性リスクが実際の取崩しとして発生し、評価性引当額は166億79百万円から398億18百万円へ増加、繰延税金資産純額は198億82百万円から65億95百万円へ減少した。 - FY2020悪化有価証券報告書
「繰延税金資産から控除された額(評価性引当額)に重要な変動が生じており、その主な内容はサンケミカルグループの税務上の繰越欠損金に対するものです。」
評価性引当額は123億38百万円から166億79百万円へ増加し、繰延税金資産の純額は244億24百万円から198億82百万円へ減少した。回収可能性に関する不確実性が数値上拡大した。 - FY2018再掲有価証券報告書
「繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づいており、その予測・仮定が変更された場合、又は、税率変更を含む税制改正等があった場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要になり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。」
繰延税金資産の回収可能性と税制変更に関するリスクが継続している。 - FY2017初出有価証券報告書
「繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づいており、その予測・仮定が変更された場合、又は、税率変更を含む税制改正等があった場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要になり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。」
繰延税金資産の回収可能性、将来課税所得の予測・仮定、税制改正による見直しリスクが独立項目として初めて明示された。米国税制改正により繰延税金資産純額が7,863百万円減少した実績も記載されている。