新薬研究開発の長期性・不確実性
FY2016に初出。6回の記載のうち5回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2022。直近の記載はFY2026。
塩野義製薬がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2022年。同じテーマの他社の中央値(2020年)より2年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2022年。40社中20社が悪化側に。
直近の記載が「顕在化」なのは、ほかに23社。
- FY2026顕在化有価証券報告書
「当連結会計年度において、無形資産に対して認識された減損損失は28,932百万円であります。その主な内訳はGRT7039(Resiniferatoxin)およびBPN14770(Zatolmilast)の開発計画の見直しに伴い、回収可能価額をゼロとして評価したことによる減損損失26,115百万円であります。」
新薬研究開発の不確実性が、Resiniferatoxin及びZatolmilastの開発計画見直しに伴う261億15百万円の減損損失として実際に現れた。 - 2026-05-12顕在化決算説明資料
「主要評価項目は未達であったものの、複数の評価項目で統計学的に有意な改善を確認」
新薬研究開発の不確実性について、Zatolmilastの主要評価項目未達という臨床試験結果が実際に発生し、追加解析と開発方針決定に持ち越された。 - FY2025-H1顕在化有価証券報告書
「単剤開発の可否判断の基準として設定していた、ベースラインからの体重減少率(群平均)5%を超えませんでした。」「今後の開発方針を再検討しています。」
新薬研究開発の不確実性について、S-309309が単剤開発の事前設定基準である群平均5%超の体重減少に届かず、併用等を含む開発方針の再検討に至った。 - FY2023顕在化有価証券報告書
「当連結会計年度において、無形資産に対して認識された減損損失は11,696百万円(内、仕掛研究開発資産に対して11,580百万円)であります。その主な内訳はTetra Therapeutics Inc.の企業結合から識別した、アルツハイマー病治療薬として第Ⅱ相試験段階にある仕掛研究開発資産BPN14770(Zatolmilast)の開発計画の見直しに伴う減損損失10,497百万円であります。」
新薬研究開発の不確実性が、BPN14770の開発計画見直しに伴う104億97百万円の減損損失として実際に現れた。 - FY2022顕在化有価証券報告書
「アルツハイマー型認知症を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験を開始しましたが、安全性の懸念が発生したため、試験を中止しました。」「S-637880については、神経障害性腰痛を適応とした開発を中止しました。」
研究開発の不確実性について、BPN14770のアルツハイマー型認知症試験が安全性懸念により中止され、S-637880の神経障害性腰痛開発も中止された。 - FY2016初出有価証券報告書
「医療用医薬品の研究開発には、多大な経営資源の投入と時間を必要とします。さらに、新薬が実際に売上となるまでには様々な不確実性が存在します。」
研究開発投資、開発期間、売上化までの不確実性をリスクとして記載。