IT・物流設備投資の陳腐化・効果発現遅延リスク
FY2019に初出。6回の記載のうち5回が「顕在化」で、最初の「顕在化」はFY2021-Q2。直近の記載はFY2026。
アスクルがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2020年。同じテーマの他社の中央値(2024年)より4年早い。
直近の記載が「顕在化」なのは、ほかに6社。
- FY2026顕在化有価証券報告書
「当該システム障害に関連した費用として、主に、物流システムが被害を受けた事により休止した固定資産の減価償却費およびソフトウエア償却費を、営業外費用の休止固定資産減価償却費に12億69百万円、発生した復旧費用等を、特別損失のシステム障害対応費用に51億8百万円それぞれ計上しております。」
大規模システム・物流投資に関する障害、復旧費用および投資効果発現遅延のリスクが、償却費・復旧費用として実際に業績へ表れた。 - FY2024顕在化有価証券報告書
「新アスクルWEBサイト(システム)の投資額増加に伴う償却費負担の増加およびオープン化効果の計画未達や、商材拡大(アイテム数)偏重による新規投入商品の低稼働、黒字化優先による「LOHACO」の売上計画未達、「ASKUL関東DC」立ち上げによる固定費増により、中期経営計画の数値計画は未達となりました」
大規模WEBサイト投資、物流センター投資および品揃え拡大について、償却費・固定費の増加、効果の計画未達が実際に中期経営計画の数値未達として表れた。 - FY2024-Q2顕在化有価証券報告書
「販売費及び一般管理費は、主力商品の一部の価格改定の影響等もあり、一箱あたり売上単価の上昇に伴い売上高配送費比率は減少しました。一方で、投資を行ってきた新アスクルWEBサイトや「ASKUL東京DC」の稼働によりソフトウエア償却費や減価償却費が増加し」
新アスクルWEBサイトとASKUL東京DCへの投資に伴いソフトウェア償却費・減価償却費の増加が実際に発生し、投資効果発現までの費用負担が業績に表れた。 - FY2021-Q3顕在化有価証券報告書
「この変更により、従来の方法と比べて、当第3四半期連結累計期間の営業利益、経常利益、および税金等調整前四半期純利益はそれぞれ107百万円減少しております。」
新サイトへの移行および一部サービス終了に伴うソフトウエア耐用年数短縮の影響が累計107百万円の利益減少として発生し、第2四半期記載の44百万円から拡大した。 - FY2021-Q2顕在化有価証券報告書
「当第2四半期連結会計期間において、BtoB事業における新サイトへの移行およびBtoC事業における一部サービス終了が決定したことから、当初より利用期間の短くなったソフトウエアについて耐用年数を短縮し、将来にわたり変更しております。」
新サイト移行および一部サービス終了によりソフトウエアの利用期間が短縮され、耐用年数変更による利益44百万円の減少が実際に発生した。 - FY2019初出有価証券報告書
「ITの進歩が著しく、投資したソフトウエア等の利用可能期間が、当初予定したものより短くなった場合、残存期間分の償却が一時に発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。」
ソフトウェアの陳腐化・償却、システム再構築の遅延や品質問題、物流センター投資の効果不足・発現遅延を設備投資固有のリスクとして整理している。